建売住宅の購入で後悔する事例7選!失敗しない為のチェックポイントとメリットを解説

  • Update: 2022-09-26
建売住宅の購入で後悔する事例7選!失敗しない為のチェックポイントとメリットを解説

この記事はプロのホームインスペクターが監修しています

建売住宅は気に入った物件を購入したつもりでも、実際に入居してみると不便さを感じたり、後悔したりする人も少なくありません。そのため、どのようなポイントで後悔するのかを事前に把握しておくことが大切です。

そこで本記事では、建売住宅の購入で後悔する事例を7つ紹介します。失敗しないためのチェックポイントも解説するので、併せて参考にしてみてください。

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建売住宅を購入して後悔する事例7つ

実際に建売住宅に住んでみると不便だと感じたり、購入前に気付けば良かったと後悔したりするケースは珍しくありません。住宅を購入して後悔しやすいポイントは、主に以下の7つです。

  • 想定以上に間取りが悪い
  • 収納スペースが少ない
  • 施工の質が悪い
  • 立地条件が悪い
  • 日当たりが悪い
  • 設備が使いづらく内装と外装のグレードも低い
  • あとから欠陥や不具合が見つかる

それぞれの事例を詳しく解説します。

想定以上に間取りが悪い

建売住宅を購入して実際に住んでみると、間取りの悪さに後悔する人もいます。建売住宅の場合、初めから間取りが決まっているため、家族構成やライフスタイルに合わせた仕様に変更できません。

そのため、「家具を配置すると身動きしにくい」「窓や扉が邪魔で、好きな場所に家具を配置できない」といった不満が生じることもあるでしょう。

収納スペースが少ない

建売住宅に住んでみると、想像以上に収納スペースが少ないと感じる人も珍しくありません。建売住宅は見栄えの良い設計にするために、リビングやキッチンを広く見せている住宅が多い傾向です。そのため、標準的な収納スペースしか確保されておらず、荷物が片付けられないと悩む人がいます。

また、収納スペースが足りないとタンスや棚などを設置するため、部屋が狭くなってしまうといったデメリットも生じるでしょう。

施工の質が悪い

建売住宅に住んでみると、建物の施工の質が悪いと感じるケースがあります。例えば、以下のような事例が発生します。

<断熱性能の低さ>

断熱性能が低いと外部温度の影響を受けやすいため、快適な室内温度を維持できません。その結果、冷暖房の使用も多くなり、家計への負担も大きくなります。

<耐震性の低さ>

耐震性の低い住宅を購入してしまうと、大きな地震が起きたときに建物が変形したり、建て替えが必要なほど破損したりする可能性があります。そのため、多額の修復費用が発生する可能性もあるでしょう。

<防音性の低さ>

防音性の低い住宅を購入してしまうと、生活の質にも影響を及ぼします。例えば、2階の足音が1階に響いたり、生活音が他の部屋にまで届いたりすることもあるでしょう。

<外壁の質の低さ(劣化が早い)>

外壁の質が低い建売住宅を選んでしまうと、早い段階からリフォームが必要となるケースがあります。初期費用を抑えられても、維持費に余分なコストがかかってしまいます。

立地条件が悪い

建売住宅を購入した後に後悔するポイントとして、立地条件の悪さも挙げられます。家を購入する際、間取りや設備といった建物自体に目が行きやすく、周辺環境を把握しないまま購入を決めてしまう人もいます。

そのため、実際に住んでみると立地条件が悪く、生活しづらいと感じるケースもあるのです。立地条件は自由に変更できないため、そのまま生活し続けるしかありません。

日当たりが悪い

建売住宅を購入した後に、日当たりが悪いと気付く人もいます。内覧は晴れた日の日中に行うことが多く、日当たりが良いと感じる条件が揃っているのです。しかし、別の時間帯に行くと日当たりが悪かったり、1階には日が入らなかったりといったケースも珍しくありません。

日当たりが悪いと湿気がこもりやすくなるため、カビの発生リスクも高まります。また、冬は寒く冷えやすいので、光熱費が家計を圧迫するでしょう。

設備が使いづらく内装と外装のグレードも低い

建売住宅を購入して実際に住んでみると、設備が使いづらく内装と外装のグレードが低いと感じる人がいます。建売住宅はリーズナブルな価格で購入できることから、設備や内装、外装にコストをかけていないケースは少なくありません。

例えば、コストを抑えるために型の古い設備を設置していたり、壁紙や床材の機能性が乏しかったりすることもあるのです。そのため、生活をしていくうえで不便さを感じることもあるでしょう。

あとから欠陥や不具合が見つかる

仕上がりはきれいでも、見えない部分にあった欠陥や不具合で悩まされているケースは多くあります。 特に注意しておきたいのは雨漏りです。

<雨漏りについて>

建物にとって湿気・水分は大敵であり、カビやシロアリの発生、あるいは構造部の腐朽などの原因にもなるきわめて深刻な事案です。 雨漏りは、表面化して所有者が気付くまでに時間がかかるケースも多く、発見したときにはすでに壁の中の柱や梁が水分で強度が弱まっていたり、断熱材もぐしょぬれでカビだらけだったりと、被害が甚大で大がかりな修繕工事になってしまったケースは少なくありません。

<その他の不具合や欠陥>

雨漏りの他にも、重要な構造である柱や梁、耐力壁などに配管を通す穴があけられていたり、天井や壁の断熱材に欠損があったりすることなども。

建売住宅によらず、多くの住宅が手作りのため、「うっかり」「偶然」に施工ミスが生じることはありえるものの、建売住宅の場合、コストカットのために工事現場の監督の人員を削減していたり(1人の現場監督があまりに多数の施工現場を担当していて見に来られないなど)、工事中の現場検査を省き、施工ミスに気づいたり直したりすることなく次の工事に進んでいるなどの事案は多数見られます。

壁紙やフローリングの傷や汚れといったものは、現場監督でなくとも販売スタッフや購入者でも容易に気付けることから手直しされ、見た目に綺麗になっている家はたくさんあります。しかし、住み続けることに支障が出かねない大きな不具合は、目に見えない部分にこそ取り残されているものです。

※新築一戸建てで見つかった不具合事例はこちらから

建売住宅を買って後悔しない為のチェックポイント

建売住宅を買って後悔しないためには、購入前に入念なチェックをすることが大切です。ここでは、事前にチェックしておきたいポイントを紹介します。

  • 家具の配置や生活を想定して間取りをチェックする
  • 収納物を想定してスペースをチェックする
  • ホームインスペクションで施工の不具合チェックをする
  • 立地条件をチェックする
  • 時間を変えて日当たりをチェックする
  • 建具や見えない箇所をチェックする

家具の配置や生活を想定して間取りをチェックする

建売住宅を購入して後悔しないためには、実際の生活を想定したうえで間取りをチェックしましょう。例えば、家具を配置したときに生活スペースは確保されているか、扉や窓が邪魔にならないかなどを確認しておきます。

生活している姿を想像しながら間取りをチェックすれば、入居した後に後悔する可能性も低くなります。

収納物を想定してスペースをチェックする

建売住宅を購入する場合は、収納したい荷物の量を把握したうえで収納スペースをチェックしましょう。あらかじめ、どこに何を収納するのかを決めておくと、入居後に収納スペースが足りないと感じにくくなります。

必要であれば収納スペースの寸法を測っておき、実際の荷物量と比較するのもいいでしょう。

ホームインスペクションで施工の不具合チェックをする

新築一戸建てホームインスペクション・内覧会

建売住宅を購入する際は、ホームインスペクションを活用して施工の質をチェックしましょう。ホームインスペクションとは、建物に関する知識を豊富に持ったホームインスペクターが専門的な調査を行うサービスのことです。

プロのホームインスペクターだからこそ、断熱性や防音性、耐震性、外壁などあらゆる部分に目が行き届きます。

また、新築物件の8割に大なり小なり施工ミスがあると言われており、放置してしまうと時限爆弾式に不具合が生じます。そのため、購入時にホームインスペクションをやっておけば、安心して暮らせる住まいを見つけられるでしょう。

立地条件をチェックする

建売住宅を購入して後悔しないためには、立地条件をチェックしておくことが大切です。生活をしていくうえで、交通の便や商業施設との距離は非常に重要です。また、地図上では距離が近くても、実際に歩いてみると坂道が多く不便だと感じる可能性もあります。

その他にも病院や学校といった通う可能性のある場所は明確にしておき、許容できる立地であるかどうかをしっかりと確認しておくと後悔せずに済みます。

時間を変えて日当たりをチェックする

建売住宅を買って後悔しないためには、時間帯を変えて日当たりをチェックしておきましょう。物件によっては時間帯で日当たりが大きく変化するため、朝・昼・夕方に現場へ足を運んで確認しておくべきです。事前に日当たりをチェックしておけば、入居後に後悔するリスクも減らせます。

建具や見えない箇所をチェックする

建売住宅を後悔なく購入するためには、建具や見えない箇所もチェックしておくことが重要です。例えば、「窓・ドアなどの設備が使いやすいか」「設置してある設備は古すぎないか」などをあらかじめチェックしておきましょう。

また、床下や天井裏といった普段見えない部分も事前に確認しておき、不具合があれば申告しておくのがおすすめです。

ホームインスペクションを活用すれば、床下や屋根裏の見えない部分に関してもプロの視点からアドバイスをもらえます。「不具合を放置しておくと将来どうなってしまうのか」「その際の修繕にいくらお金がかかるのか」など具体的に教えてくれるため、購入しても後悔しない物件を選べるでしょう。

建売住宅にはメリットもたくさんある

ここまでは、建売住宅を購入して後悔した事例を紹介してきました。しかし、建売住宅には以下のようなメリットが存在しているのも事実です。

  • 比較的安価で販売されている
  • 購入前に建物をチェックできる
  • 入居までの時間が短くて済む
  • 住宅ローンで建物と土地を一括支払いできる

建売住宅が持つメリットを把握しつつ、後悔しない物件を選んでいきましょう。

比較的安価で販売されている

建売住宅のメリット1つ目は、比較的安価で販売されていることです。建売住宅は仕様を統一していることから大量に同じ建材を発注できるため、仕入れ価格を抑えています。そのため、1つひとつ発注をかける注文住宅よりも手ごろな価格で購入できます。

購入前に建物をチェックできる

建売住宅のメリット2つ目は、購入前に建物をチェックできることです。建売住宅は土地探しから始まる注文住宅とは異なり、建設後(もしくは完成間近)の物件を見てから購入するかどうかを決められます。

住宅は実際に内覧してみないとわからないことも多いため、納得したうえで購入できるのは建売住宅の大きなメリットといえるでしょう。

入居までの時間が短く済む

建売住宅のメリット3つ目は、入居までの時間が短くて済むことです。先述したとおり、建売住宅は実際の建物を見てから購入できるため、すぐに入居できます。

注文住宅のように建物が完成するまで何ヵ月も待つ必要はなく、すぐに新居での生活を始めたい人におすすめです。

住宅ローンで建物と土地を一括支払いできる

建売住宅のメリット4つ目は、住宅ローンで建物と土地を一括支払いできることです。建売住宅は土地と建物を別々に払うのではなく、住宅ローンを使用して一括で支払いを行います。そのため、返済計画も立てやすく、住宅ローンの管理も行いやすいでしょう。

後悔しない建売住宅を購入しよう

建売住宅は間取りや設備、立地条件などがあらかじめ決まっているため、自分に適した物件かどうかを見極めてから購入しましょう。入居後の生活を想定したうえで建売住宅を購入すれば、後悔することなく暮らしやすい住宅環境を得られます。

また、自分で確認しづらい箇所やプロの視点でアドバイスをもらいたい場合は、ホームインスペクションを活用してみてください。事前にプロのホームインスペクターに調査してもらうことで、安心して過ごせる住宅を見つけられます。

ホームインスペクター 田村 啓
監修者

さくら事務所 執行役員
さくら事務所 プロホームインスペクター
さくら事務所 住宅診断プランナー
だいち災害リスク研究所 研究員

田村 啓

大手リフォーム会社での勤務経験を経て、さくら事務所に参画。
建築の専門的な分野から、生活にまつわるお役立ち情報、防災の分野まで幅広い知見を持つ。多くのメディアや講演、YouTubeにて広く情報発信を行い、NHKドラマ『正直不動産』ではインスペクション部分を監修。2021年4月にさくら事務所 経営企画室長に、2022年5月に執行役員に就任。