ビー玉が転がっても慌てない!?家が傾いているかどうかの正しい調べ方

  • Update: 2022-11-14
ビー玉が転がっても慌てない!?家が傾いているかどうかの正しい調べ方

この記事はプロのホームインスペクターが監修しています

「床にビー玉を置いたら転がるんです!」というシーン、テレビなどでよく見かけますね。実はどの家も、ビー玉を置くと多少転がる可能性があります。

ビー玉が転がったら傾いてる?

人が作っているがゆえ、機械のように寸分の狂いもなく作るのは困難です。部分的に施工誤差があるのは珍しくなく、ビー玉の置き方によってはわずかな傾きでも転がってしまうことがあるのです。

ただ、ビー玉の転がり方が「何度も何度も、毎度そっと床に置いても、止まることなく同じ方向に転がっていく」のであれば、傾きは大きめです。床だけでなく、壁なども傾いていないか調べたほうがいいでしょう。

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自宅一戸建てホームインスペクション

家が傾いていると・・・

そもそも、家が傾いているとなぜいけないのかご存知ですか?

一番の問題はやはり「耐震性」「耐久性」など、建物の構造への影響です。

あまりに傾きが大きければ柱や梁といった「構造部材」の接合部に変形が起き、本来なら耐えられるはずの地震に耐えられなくなる恐れもあります。また、傾きにより建物が歪み始めると外壁などにひび割れが多くなり、防水機能が低下して雨漏りが起きやすくなることもあります。

そして、次に問題なのが「居住者の健康」です。傾いた建物に継続して住んでいると、平衡感覚に悪影響をもたらし体調不良になることがあります。

傾きの正しい調べ方とは?

家の傾きを調べる主な方法は以下の4点になります。

  1. 複数のドアが手を離すと勝手に開閉する
  2. 地面の仕上げと基礎の間に多数のひびが入っている
  3. 水平器で確かめる
  4. レーザー水準器で確かめる

よく聞く「ビー玉」は、前述のように施工誤差と呼ばれるわずかな傾きでも転がることがあるので、正確な情報を得るには不向きです。

また、床だけではなく壁が傾いていることもあるため、ビー玉以外の道具を準備するのがお勧めです。

比較的手軽に購入できる道具は、「水平器」です。

水平器を床や壁にあてたとき、液体の中の気泡が黒い線と線の間にあれば、ほぼ水平・垂直だとわかります。

水平器

ただし、家の中に床や壁は多数あるので、ホームインスペクション(住宅診断)などでは「オートレーザー」と呼ばれる機材を使用して傾きを調べます。

オートレーザーで傾きを計測

下の写真は検査機材で測ったら、複数の壁が上下で1センチ以上傾いていた様子です。

1cm以上の傾き

これらで確かめた結果、傾いていると判断された場合、地盤沈下の可能性も考えられます。基礎の下で地面が沈み建物全体が傾いているということです。

傾いているからすぐに問題とは限らない

家が傾いていると、耐震性や耐久性、健康などに影響が出るかもしれないとご紹介しましたが、そこまで大きな影響は出ない傾きもあります。

「手作りゆえの施工誤差」は超えているものの、少し「下手」な施工で、部分的に床表面が傾いているケースです。この場合、家全体には特に影響はなく、歩行感がちょっと気になる程度の影響ということもあるのです。

ただ、その傾きが「施工の下手さ」によるものなのか、または、たとえば構造部材の接合部分に問題が潜んでいて発生しているのかは、建物の工法や家全体の状況を考慮して最終的に診断します。

家に傾いている場所があるかもしれないと思うと、誰でも不安なものです。

心配な方は、まずは傾いている場所があるかどうかを調べ、もし傾きが確認されたら、住宅の構造に詳しい専門家に相談してみましょう。


以下の動画でも、新築戸建ての床でビー玉が転がることについて、住宅診断のプロが詳しく解説しています。 気になる方はぜひご覧ください。 https://www.youtube.com/watch?v=TmOShqQp1mo

ホームインスペクターに依頼すれば、漏れなく調査ができる

中古住宅の購入の際は、ホームインスペクションのご検討を!

傾きについて色々分かったけど、やっぱり自分のおうちのことだから心配…そのように思われる方は、ぜひホームインスペクションのご検討をお願いいたします。

私達さくら事務所が提供している新築工事中ホームインスペクション(第三者検査)サービスでは、建物に精通したホームインスペクター(住宅診断士)が工事段階から複数回の検査を行いますが、2019~2020年にかけて、大手ハウスメーカーや地元の工務店まで幅広く集計・分析した結果、おおよそ8割近くで不具合が発生していることがわかっております。

また、住宅完成後の内覧会同行(引渡し前チェック)サービスでも、給水管水漏れによる床下の水たまりや、換気扇ダクトの付け忘れ、断熱材の外れなど、新築でも施工不良は多く見られるなど、おそらく多くの人が新築に抱くイメージとは大きくかけ離れた施工状況だと予想されます。

ホームインスペクションとは、雨漏りやシロアリ被害、建物の傾きなどの劣化状況や、新築時の施工不良などについて、建物に精通した専門家のホームインスペクターが診断するサービスです。改修すべき箇所やその時期、おおよその費用などの改修アドバイスまでサービスに含まれ、物件価格の約0.2%の費用追加でリスクヘッジができるため、ご利用の検討を強くおすすめしております。

新築住宅の場合、インスペクションを入れるベストなタイミングは『申込み後~契約前』となり、他の時点でも入れることは可能ですが、注意点も多いため、お急ぎの方はまずは一度お問合せください。

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さくら事務所は、国内におけるホームインスペクション普及のパイオニア的存在であり、これまでご依頼実績は業界No.1(累計65,000件超)、満足度98%(Google口コミ☆4.8)と非常に有り難い評価をいただいております。

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ご依頼から概ね3日~1週間以内での調査実施が可能です。お急ぎの方は、まずはお問合せください!

ホームインスペクター 田村 啓
監修者

さくら事務所 執行役員
さくら事務所 プロホームインスペクター
さくら事務所 住宅診断プランナー
だいち災害リスク研究所 研究員

田村 啓

大手リフォーム会社での勤務経験を経て、さくら事務所に参画。
建築の専門的な分野から、生活にまつわるお役立ち情報、防災の分野まで幅広い知見を持つ。多くのメディアや講演、YouTubeにて広く情報発信を行い、NHKドラマ『正直不動産』ではインスペクション部分を監修。2021年4月にさくら事務所 経営企画室長に、2022年5月に執行役員に就任。