中古住宅購入の強い味方!瑕疵保険の仕組みと費用を解説

  • Update: 2022-01-28
中古住宅購入の強い味方!瑕疵保険の仕組みと費用を解説

中古住宅を購入するときには、暮らし始めて不具合や欠陥が見つかったらどうすればいいのか?または、費用は誰が負担するのか?など、不安に思う人も多いのではないでしょうか?

中古住宅の売買では、新築住宅の場合と違い、取引後の保証に統一された基準がないため、その内容は契約によって異なります。そのため、万が一引き渡し後に問題が発生した場合でも、満足できる保証が得られない可能性があります。そんな入居後の不安を解消する方法となるのが「瑕疵保険」です。

また、不具合や欠陥が潜む住宅を購入しないようにするには、建物が抱えている問題を事前に知っておくこともポイントとなります。その方法がホームインスペクションであり、「瑕疵保険」への加入と併せて確認しておくと多くのメリットを受けられるでしょう。

本記事では、瑕疵保険の仕組みや費用の目安を解説。その他、意外と知られていないホームインスペクション(住宅診断)との併用で、長期的な建築リスクを最大限に軽減しながら費用もお得に中古住宅を購入する方法なども解説しますので、ぜひ最後までお読みいただけると幸いです。

あなたのお家の災害リスクを診断!災害リスクカルテ

瑕疵保険ってなに? 瑕疵保証との違いや費用は?

瑕疵保険ってなに? 瑕疵保証との違いや費用は?

中古住宅を購入するときの安心を得るには、瑕疵保険の利用が非常に有効です。また、瑕疵保険は、内容によって費用が異なるため、目安となる相場を知っておくとよいでしょう。

そもそも瑕疵保険とはどのようなものなのか、そして費用はどれくらい必要なのか、解説いたします。

瑕疵保険とは

中古住宅の売買における瑕疵保険とは、取引後の瑕疵(重大な不具合や欠陥など)によって生じた損害について、保険金が支払われる保険制度のことをいいます。

新築住宅では、「住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)」により、引き渡しから10年間の「契約不適合責任」が保証されています。「契約不適合責任」とは、引き渡し後に契約に適合しない内容が見つかった場合、売主が負わなければならない責任のことです。

ところが、中古住宅の場合、保証について統一された基準がありません。そのため、売買契約で一定の期間を定め、その範囲で保証が行われることが一般的となっています。

通常、売主が宅建業者の場合は、「宅地建物取引業法」により引き渡しから2年以上の「契約不適合責任」を負わなければならないことが定められています。しかし、売主が個人の場合は、引き渡しから3ヶ月であったり、場合によっては免責としたりと、特約によって内容にバラつきがあるのです。

以上のように、中古住宅を購入するときには、不具合が見つかっても保証に不安があり、補修が発生した場合の費用負担はリスクとなり得ます。よって、瑕疵保険への加入は、購入後に起こるかもしれないリスクへの対策となるわけです。

瑕疵保険と瑕疵保証の違いとは?

瑕疵保険と瑕疵保証では、その内容が異なります。

瑕疵保証とは、引き渡し後の一定期間について瑕疵が見つかった場合に補修や交換などを行う、売主が独自に設けているサービスのことです。このサービスは、売主が宅建業者の場合に設けているケースが多く見られます。というのも、引き渡し後の安心を付加価値とし、販売促進のための戦略のひとつとしているためです。

一方、瑕疵保険は、専門の保険法人へ申請し、審査を経て保険契約を締結するというものになります。

瑕疵保険の費用・相場はいくら?

瑕疵保険の加入料金は、検査料と保険料の合計で6~15万円がおおよその目安です。

ただし、中古住宅の瑕疵保険への加入先は、「売主が誰であるのか」によって異なります。おもに、売主が宅建業者であれば宅建業者が加入し、また個人であれば検査機関が加入するケースが一般的です。

そのため、瑕疵が発生した場合の補修費についても、加入している宅建業者や検査機関に対し、保険法人から保険金として支払われることになります。なお、買主に対する保証は宅建業者や検査機関によって行われますが、仮に倒産している場合は、保険法人から買主へ直接保険金が支払われることになります。

瑕疵保険のメリットとは

中古住宅の瑕疵保険は、買主にとっていくつかのメリットが期待できます。 おもなメリットについて、簡単にご紹介いたします。

建物の欠陥・不具合を保険金で補える

瑕疵保険の最大のメリットといえば、不具合があった場合の補修費用を保険金で補えることです。住宅は、経年とともに劣化するため、適切にメンテナンスをしながら維持していかなければなりません。

しかし、中古住宅を購入するときには、どのような状態にあるのか第三者が把握することはきわめて難しいといえます。つまり、何も対策をしなければ、不具合や欠陥など「契約不適合」を抱えている中古住宅を購入してしまう可能性があるということです。

万が一、新しい生活が始まった後に「契約不適合」が見つかり、その保証が得られない場合は、経済的なリスクとなります。そのリスクを補う方法のひとつが瑕疵保険への加入です。

ホームインスペクションも合わせると効果的かつお得?

中古住宅の欠陥発見にはホームインスペクションを

とても魅力的な瑕疵保険ですが、利用には、検査事業者による建物検査をし、一定のコンディションや条件をクリアする必要があります。

この検査は瑕疵保険の適合性のみを検査するものですが、あわせて「ホームインスペクション」や「フラット35適合検査」「耐震診断」などを実施できる検査事業者もあります。特に中古一戸建てホームインスペクションでは、瑕疵保険の検査と比較すると、より幅広い検査事項で、より的確に建物のコンディションを知ることができるほか、瑕疵保険の検査をセットで行うと、現地の確認は一度で済ませることができ、その上建物の注意点や今後のアドバイスなどももらうことができるので、時間も費用も節約することができ非常にお得です。

もし瑕疵保険を利用されるなら、あわせてホームインスペクションも実施することは非常におすすめです。

住宅ローン控除の対象になる?

住宅ローン控除とは、住宅ローンを利用して住宅を購入した場合、一定の要件を満たすことにより、ローン残高に応じて所得税の還付を受けられる制度です。 この制度では、中古住宅においても、以下のような一定の「築年数要件」を満たせば控除の対象とされていました。

  • 築20年以内の木造住宅と築25年以内の非耐火構造住宅
  • 上記以上の築年数の場合、瑕疵保険の加入や耐震基準適合証明書などの取得

ところが、税制改正により、2022年度からは住宅ローン控除制度の内容が大きく変わることになりました。 おもな改正点とは、住宅ローン控除の制度の適用期限を4年間延長して2025年までとすること、控除率が1%から0.7%に引き下げることなどです。

また、中古住宅においては、上記の「築年数要件」が撤廃され、2022年度からは「新耐震基準」で建てられた住宅が対象となります。

つまり、1987年よりも前の、いわゆる「旧耐震基準」で建てられた住宅は住宅ローン控除の適用外になるということであり、そして瑕疵保険への加入も適用の要件ではなくなるということです。

住宅ローン減税を撒き餌にした「築古物件の押売り」に注意!

今回の要件変更に伴い、不動産仲介側からすると今まで住宅ローン減税適用をウリのひとつにできなかった「昭和57年以降に建築された住宅(=旧耐震基準)」が、ある種積極的に販売を行えるようになるため、今後は業者による築古物件の営業増加が見込まれます。

築年数が古い物件は価格が安くなる傾向にあるため、お客様の購入ハードルも下がりがちで、メンテナンスの行き届いた中古住宅であれば、20年、30年経っていても安心して暮らせる中古住宅は多いですが、当然中には、目に見えない箇所の欠陥・不具合がある物件も多く、年数が増えるごとにリスクは飛躍的に高まるため、ご検討の方は注意が必要でしょう。

2022年から、住宅ローン減税適用のために、瑕疵保険適合は不要になったとはいえ、中古物件は元々欠陥や不具合が多く、千葉大学の研究のデータによると、新築時の段階でおよそ30~40%補修を検討すべき箇所が存在(経年により発生率は上昇し、築10年以上の物件は約60%)します。インスペクションご利用で、よくある雨漏りの可能性の有無、設備機器の不具合はもちろん、建物の傾きチェックなど、居住・売買時のリスクにつながりやすい箇所の劣化状態を、物件価格の約0.2%でリスクヘッジできるため、ぜひ一度検討をしていただくことをおすすめいたします。

瑕疵保険の保証期間や保証対象とは?

瑕疵保険の保証期間や保証対象とは?

瑕疵保険は、取引後に瑕疵が見つかった場合でも、その補修費を補ってくれる保険制度です。

そして、瑕疵保険は、保証期間や保証金額、対象となる部位などが、保険法人、あるいは保険の種類ごとに定められています。一般的に定められている保証期間や対象について解説いたします。

瑕疵保険の保証期間と保証金額

瑕疵保険の保証期間は、保険対象住宅の引渡し日から起算して1~5年となっています。 保証金額の上限は、500万円または1,000万円です。

瑕疵保険の対象

瑕疵保険の対象となるのは、以下の通りです。

  • 構造耐力上主要な部分
  • 雨水の浸入を防止する部分

中古住宅の保証対象部分

【引用元】国土交通省・まんがでわかる「住宅かし担保履行法」

「構造耐力上主要な部分」とは基礎や柱など基本的な構造部分のことをいい、「雨水の浸入を防止する部分」とは屋根や外壁など雨水の侵入を防ぐための部分のことをいいます。

これらの部分で、瑕疵が見つかった場合の補修費について保険金が支払われることになります。また、特約で「給排水管」などのオプションを付加することも可能です。

瑕疵保険へ加入するときの注意点とは?

瑕疵保険は、加入することでいくつかのメリットを受けられますが、注意点もあります。 中古住宅の瑕疵保険におけるおもな注意点について、ご紹介いたします。

加入前の検査が必要

瑕疵保険に加入するには、必ず事前検査を受け、そして合格しなければなりません。 事前検査は、建築士など検査資格を有する検査員によって行われます。 また、検査時に定められた基準を満たさない場合は、その部分を補修して再検査を受ける必要があります。 以上のように、場合によっては事前検査が長引くことがあり、入居の調整が必要となる可能性がある点では注意が必要です。

対象が限定される

瑕疵保険の対象となるのは、基本的に「構造耐力上主要な部分」および「雨水の浸入を防止する部分」に限定されます。その他にもオプションを付けることで対象範囲を広げられますが、それでもすべての不具合や欠陥を補えるわけではありません。

対象とならない部分については、別の対策が必要となります。

瑕疵保険のご検討には、ぜひ『さくら事務所』のホームインスペクションも

中古住宅のホームインスペクション(住宅診断)

中古住宅を購入するときには、瑕疵保険へ加入しておくと、万が一の重大な瑕疵が見つかる不安を解消できます。とはいえ、瑕疵保険はすべての瑕疵をカバーできるわけではないため、とくに対象外の部分については自身でリスク管理をする必要があります。

中古住宅のリスク管理には「ホームインスペクション」がきわめて有効です。

購入前に「ホームインスペクション」を実施することで、建物のコンディションを知り、潜んでいるリスクを洗い出せます。不具合があれば売主に補修を依頼したり、また欠陥のある住宅の購入を回避したりすることも可能です。よって、大きな安心を得るためにも、瑕疵保険への加入と「ホームインスペクション」を併せて実施しておくことをおすすめいたします。