ホームインスペクター 村松 諒一

監修者:村松 諒一

収益物件の内見時のチェックポイントを紹介!収益物件ならではの注意点も

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収益物件の内見時のチェックポイントを紹介!収益物件ならではの注意点も

この記事はプロのホームインスペクターが監修しています

物件の内見は、データだけでは分からない物件の収益性を見極めるチャンスです。不動産投資が成功するかしないかは、物件選びにかかっているといっても過言ではありません。

収益物件の内見のポイントは、賃貸需要が見込めるか、多額の修理が必要になりそうな事象がないか、長期的に収益を上げられるか、といった視点をもつことです。

本記事では収益物件を内見する際のチェックポイントを具体的に紹介します。収益物件の内見を控えている方は、ぜひお役立てください。

収益物件の内見では「賃貸需要が見込めるか」チェックする

まず賃貸需要に大きく影響してくるのが周辺環境と日常管理です。ここでは周辺環境と日常管理に分けてチェックポイントを紹介します。

自分が内見したときの物件の印象が、賃貸の部屋探しで内見に来た方がもつ印象になるため、「自分が住みたいと思うかどうか」を考えながらチェックしましょう。

周辺環境のチェックポイント

周辺環境はあとから自分の意志で変えられません。また現地に出向かないとわからないことも多いため、必ず物件を内見する前後の時間などで確認しておきましょう。具体的なチェックポイントは以下のとおりです。

  • 駅やバス停まで徒歩何分かかるか
  • スーパーや病院が近くにあるか
  • 車などの騒音はないか(上下左右の生活音も確認する)
  • 嫌悪施設がないか
  • 雰囲気は悪くないか
  • 日当たりや眺望がよいか

周辺環境の雰囲気は時間帯や曜日(平日と休日)によっても印象が変わるため、時間や日を改めて2、3回確認しに行くのが理想です。

日当たりや眺望は、将来的に変わる可能性があります。とくにマンションの場合は高い建物を建築できる用途地域にあるため、今後高層の建物が新たに建つことも考えられます。

役所の建築指導課にある建築計画概要書で高層建物が建築される予定を調べられるため、合わせて確認しておくとよいでしょう。

日常管理のチェックポイント

日常管理の状態は、その物件の印象に大きく影響してきます。具体的には以下のポイントをチェックしましょう。

  • 駐輪場が整理されているか、放置自転車がないか
  • 共用廊下に私物が置かれていないか
  • ゴミ置き場が清潔に保たれているか
  • 共用部にゴミが散乱していないか
  • チラシで溢れているポストがないか
  • 清掃が行き届いているか

管理状態は管理会社によっても変わります。しかし管理会社を変更したとしても、入居者の意識は簡単には変えられないことも多いです。

煩雑に駐車された自転車や放置自転車、共用廊下に放置されている私物、チラシが溢れかえったポストなどが目立つ場合は、あまり良い状態とは言えません。

今後入居者トラブルに発展するリスクもあるため、注意して確認しましょう。

収益物件の内見時では「修繕費用がかかる物件か」もチェックする

収益物件を選ぶ際には「修繕費用がかかる物件か」の見極めが非常に重要です。とくに利回りが高い収益物件は、相対的に見て築年数が経過している物件が多く、設備や建物自体に深刻な劣化や不具合が潜んでいることが多々あります。

また投資物件のオーナーは自分で住んでおらず、メンテナンスや維持管理に無関心なオーナーが多い傾向にあり、オーナー自身も物件のコンディションを把握できてないことも少なくありません。

しかし物件のコンディションを見極めなければ、入居率がよく順調に家賃収入を得られている物件でも、修繕費用によりキャッシュフローは赤字になります。

深刻な劣化や不具合がある場合は、対処しなければ物件の寿命にも悪影響を与えるため、長期的に利益を上げられる物件を選ぶためにも、内見時にしっかりチェックしておきましょう。

戸建て・アパート・マンションの具体的なチェックポイントを紹介します。

戸建てのチェックポイント

戸建てのチェックポイントについて、敷地周辺・外壁・バルコニー・ベランダ・室内の4項目に分けて見ていきましょう。

【敷地周辺】

  • 傾斜地でないか
  • 外構部分のコンクリートの陥没やひび割れがないか
  • 周辺と比べて敷地が低くなっていないか
  • ガス、給水、下水の桝が物件の前にあるか

傾斜地だったりコンクリートの陥没・ひび割れが見られたりする場合は、地盤の傾きや沈下のリスクが上がり建物が傾いているケースが多いです。傾斜地でなくても、幹線道路が近いと幹線道路方向に向かって傾いていることも考えられます。

室内をチェックする際に床の傾きを感じないか注意して見ておきましょう。

敷地が周辺よりも低い場合は、雨天時に雨がたまり水はけの悪い状態になりやすいです。豪雨時の浸水リスク、カビ・シロアリ被害のリスクなどにより、住宅の劣化が早まることが考えられます。

ガス、給水、下水桝が物件の前にない場合は、隣の住宅と管を共有していたり隣の地中の下を通過して引き込まれたりしている可能性があり、交換時のトラブル要因になるでしょう。交換費用も高くなります。

【外壁】

  • 外壁の傷み(ひび割れやチョーキング現象)・変形・歪みがないか
  • シーリングのひび割れや隙間がないか
  • 蟻道がないか
  • 基礎のひび割れがないか

外壁のチョーキング現象とは外壁を触った時に白い粉のようなものが手に付着する現象です。塗膜の劣化のサインになります。シーリングは気密性や防水性を高める役割があり、ひび割れやすき間があると雨漏りに発展する可能性があるため、早い段階で補修が必要です。

基礎のひび割れの幅が0.5mm以上、深さ2cm以上の場合は、雨水の浸入によりコンクリートの耐久性を低下させる危険性があります。床下に進入できる場合は、外回りで見られたひび割れが貫通していないかもチェックできればより安心です。下記記事で危険なひび割れかどうか見分ける方法を紹介しているので参考にしてください。

【徹底解説】家の基礎にひび割れを発見…危険な症状の見分け方や対処法を紹介

【バルコニー・ベランダ】

  • 床の防水層が劣化していないか(ひび割れやすきま)
  • 床に水たまりや水たまりがあったと思われるシミがないか
  • 手すりと外壁の間のシーリングに隙間がないか

バルコニーやベランダの床にひび割れやすき間がある場合、雨水の浸入に繋がる可能性があるため補修が必要になります。床にウッドタイルなどが敷かれていて防水の状態が見られない場合は、確認できていないリスクがあることを頭に入れておきましょう。

床に水たまりがあった際には、適切な勾配がついていない可能性があり、状況によっては修理が必要です。面積にもよりますが、傾きを直す場合には数十万ほどかかります。

【室内】

  • カビ臭くないか
  • 点検口あけたときに湿気を感じないか
  • 壁や天井にシミ跡(水漏れの可能性)がないか
  • 床や天井にひび割れ(傾きの可能性)がないか
  • 床の歩行に傾きなどの違和感がないか
  • 窓やドアの開閉に問題がないか
  • 設備が古くないか
  • 水回り設備から水漏れしていないか

雨漏りや水漏れは修理費用も高額になりやすく、建物の耐久性を損なう可能性のある危険な不具合です。専門家がチェックする場合は、木材水分含水率計を使用して含水率が20%を大きく超えていないか確認していますが、自分で点検する場合は目に見えるものだけでなく、かび臭さや湿気など五感をフル活用してチェックしましょう。

床の傾きを調べる際にビー玉を活用する方もいますがおすすめできません。許容範囲である部分的な施工誤差でビー玉が転がることがあるうえ、ビー玉自体も完全な球体でないためです。歩いたときの感覚で違和感がないか確認しましょう。

下記記事では床の傾きの調べ方を紹介しているので参考にしてください。

ビー玉が転がっても慌てない!?家が傾いているかどうかの正しい調べ方

アパート(おもに木造)のチェックポイント

アパートは戸建てのチェックポイントに加えて以下を確認しましょう。

  • 鉄部のサビや木材の腐食がないか
  • 水漏れの形跡がないか
  • 廊下に置いてある消火器の使用期限が切れていないか
  • 外壁に取り付けられた物干し金具にぐらつきがないか

アパートの屋外にある共用廊下や階段は、雨や紫外線の影響を受けやすく劣化が進行しやすいです。鉄部のサビや木材の腐食が補強されないまま塗装されているケースもあります。大きな事故につながる危険性がある部分のため、きれいに塗装されている場合でも注意してチェックしましょう。

ベランダやバルコニーがないアパートの場合、外壁に物干し金具が取り付けられている物件もあります。物干し金具に触れる場合はぐらつきがないかも確認しましょう。

アパートのチェックポイントは下記動画でも紹介しています。

マンションのチェックポイント

区分マンションの場合であっても、専有部だけでなく外壁や屋上などの共用部分もしっかりチェックしましょう。

共用部のメンテナンスが不十分と感じられる場合は、修繕費用(修繕積立金)が不足していて直せておらず、将来修繕積立金の値上がりや一時金徴収の可能性があります。

マンションによってはすでに修繕積立金の値上げが決まっていることも。その場合は長期修繕計画に記載されているため確認しておきましょう。

内見時のチェックポイントを、外壁・屋上・室内の3項目に分けて紹介します。

【外壁】

  • 外壁タイルのひび割れや剥落がないか
  • 外壁にエフロレッセンス(白色のシミや塊)が生じていないか
  • ひび割れや爆裂がないか
  • シーリングが劣化していないか
  • 水漏れの跡がないか

剥落があれば入居者だけでなく、敷地周辺の通行人の方などにも危険が及ぶ可能性があります。万が一事故が起きてしまうと、損害賠償が発生するだけでなく、マンションの印象事態が悪化してしまうでしょう。

マンションの外壁に生じる白色のシミや塊は、コンクリート内のアルカリ成分が水分と一緒に外壁表面に染み出ているもので、コンクリートの劣化のサインです。

どこかにひび割れが生じていて雨水が浸透している可能性があります。塊になっている場合は、コンクリートの中性化が進んでいる可能性が高く、内部の鉄筋がさびてコンクリートを押し出す爆裂の前兆です。

【屋上】

  • 防水層が劣化(ひび割れやめくれ、雑草など)していないか
  • 水たまりや水たまりがあったとみられるシミがないか
  • 屋上に安全に昇降できる器具(タラップなど)が設置されているか

マンションの平らな屋上は、ベランダやバルコニーと同様に防水層が施されています。防水層が劣化すると屋上からの雨漏りに発展するリスクが高まります。

また、屋上も本来、雨水が溜まらないように適度な勾配が付いていますが、水たまりがある場合は勾配不足が考えられるため、雨天後に点検する際はチェックしましょう。

屋上に昇降できる器具などがない場合は、共用部に梯子をかけて点検することになるため、メンテナンスの難易度が上がります。

【室内】

  • 床の歩行に違和感がないか
  • 壁や天井にシミ跡がないか
  • 床や天井にひび割れがないか
  • 窓やドアの開閉に問題がないか
  • 設備が古くないか
  • 水回り設備から水漏れしていないか
  • 点検口があるか

設備の耐用年数はものによっても異なりますが、おおよそ15年が目安です。

築年数の古いマンションだと点検口自体がない物件もあります。点検口がないと漏水などのトラブルが生じた際に壁や天井などを壊さない(もしくは点検口を設置しないと)と点検できません。また定期的な点検やメンテナンスもできないため、新たに点検口を設置することを検討しましょう。

点検口がある場合は、点検口から給排水管の漏水などがないか、コンクリートにひび割れ等の劣化がないか、確認してください。

【注意】収益物件は契約不適合責任が「免責」が多い

収益物件は、契約不適合責任が免責になっていることが多いです。契約不適合責任とは、売買契約の内容と実際の物件の状態がそうしている場合に、売主が買主に対して負う責任を指します。

たとえば契約の際に聞いていなかった、雨漏りやシロアリ被害があった場合に売主に修理などを求めることが可能です。

一般的に、契約不適合責任の期間は引き渡しから2~3カ月間ですが、収益物件の場合は免責になっていなくても期間が1週間などと短くなっています。

内見時に不具合を見逃さないようにチェックすることと合わせて、契約時には契約不適合責任についても契約書の内容をよく確認しておきましょう。

収益物件の購入前にはホームインスペクション(住宅診断)の利用がおすすめ

購入後に修繕費用で後悔しないために、ホームインスペクション(住宅診断)を活用することをおすすめします。内見時に確認できることもありますが、チェックポイントは多岐にわたるため、自分で内見するだけでは抜かりなく確認するのは難しいでしょう。

建物に精通したプロが専門的な知識と経験をもとに収益物件をチェックすることで、今後補修等が必要になるであろう劣化や不具合を見逃さずに、建物コンディションを正しく把握できます。

現状を知ったうえで「本当に購入して良いのか」「収益性が高い物件なのか」検討できるため、購入後に膨大な修繕費用がかかる物件を購入してしまうリスクを軽減できるのです。

引き渡し後に思ってもみなかった問題が発生して、入居者の生活に支障がでたりトラブルになったりすることも防げます。物件の収益性を見極めるためにホームインスペクションは不可欠といえるでしょう。

内見とホームインスペクションで収益性の高い物件を手に入れよう

収益物件の内見は、資料だけでは分からない収益性を判断する重要な機会です。

内見の際には、周辺環境や管理状態を確認し、賃貸需要が見込めるかを見極めましょう。駅距離や生活利便施設、騒音、建物の清掃状況などは入居率に影響します。

また収益物件の選定においては「賃貸需要があるか」といった収入面だけでなく、「多額の修繕コストがかからないか」といった支出面も考えなければいけません。

とくに収益物件は、契約不適合責任が免責または短期間に設定されているケースが多いため、内見時には物件のコンディション(修繕の必要性)も重要なチェックポイントです。

すでに雨漏りしているなど分かりやすい事象もありますが、専門的な知識がないと発見が難しい不具合や劣化もあります。そのため契約前にはホームインスペクションを活用し、長期的に収益をあげられる物件かどうか慎重に判断しましょう。

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