階段の崩落に注意!今すぐできる10のチェックポイント

  • Update: 2021-04-23
階段の崩落に注意!今すぐできる10のチェックポイント

「屋外階段の一部に木製の部材が使われており、腐食していた」などの報道がされていますが、実際にどのような原因だったのかは明らかになっていません。再発防止を徹底するためにも、原因の究明とその共有が望まれます。
アパートの施工不具合といえば、レオパレスの界壁問題や大和ハウスの建築基準法違反などが記憶に新しいところです。なぜ、賃貸住宅でこのような施工不具合が多発するのでしょうか。

分譲住宅や注文住宅よりグレードが低い!?

賃貸住宅はオーナー自らは住まないことが多く、利回りを重視で建築コストをなるべく抑えるなどの理由から、分譲住宅や注文住宅よりグレードが低くても仕方がないといった風潮があります。
しかし、ホームインスペクションの現場では、建物や内装・設備のグレードだけではなく、現場管理や施工品質、その後の維持管理において、多少雑であると感じる場面に数多く出会います。

例えば、新築アパートの引渡前完成検査では、レオパレスと似たような界壁問題や、階段を固定するビスが抜けている、バルコニーを固定する金具がない、共用廊下の壁が傾いているなど、分譲住宅や注文住宅ではまず見かけることのない、驚くような施工ミスを発見することも少なくありません。

また、新築後の管理状況が悪く、中古のアパートで鉄骨の屋外階段や手すり、バルコニーの腐食が進み、落下の危険性がある状況になっている建物も散見されます。

住宅は「生命と健康」を守るべき

本来、住宅は「生命と健康」を守るべきであり、この役割は分譲・注文・賃貸住宅の違いはありません。しかし現実には、分譲・注文住宅と賃貸住宅には、大きな質の違いが見受けられます。

いま、賃貸住宅を所有されているオーナーさまはご自身の所有物件に危険な状況がないか、ぜひ以下のポイントをチェックしてみてください。

チェックポイント10

  • 階段の歩行時にきしみがないか
  • 階段の手すりにぐらつきはないか
  • 階段や踊り場の周辺に変色は見られないか
  • 階段に傾きは見られないか(ホームセンターなどで容易に水平器は入手可能)
  • 建物本体への階段固定部分にすきまがないか(雨水侵入になるような箇所がないか)
  • 建物本体への階段固定部分の金具にサビは見られないか
  • 建物本体への階段固定部分の周辺の壁にひび割れはないか
  • 管理会社への状況確認依頼 ※管理会社を入れている場合
  • 新築当時の施工会社や設計事務所に相談(仕様や施工は問題ないか、自分ではチェックできないから現地の確認をお願いできないかなど)
  • 入居者への掲示(もしも何か気になることがあった場合の連絡先を示す)

※チェックリストのPDF版はこちら

違和感や気づいたことがあれば専門家に相談を

これらのことに違和感を感じたり気づいたことがあれば、落下など生命に関わる大きな問題につながりかねません。速やかに専門家に相談をしましょう。

さくら事務所では、新築の現場や引渡前はもちろん、中古のオーナーチェンジや日々の管理のなかで、建物のコンディションを知り、質を向上するための貢献ができればと考えています。これから新築される方、オーナーチェンジされる方、しばらく所有物件に足を運ばれていない方には、ホームインスペクションをおすすめいたします。