【※必読】梅雨時のマンション・戸建て内覧会、6つのチェックポイント

  • Update: 2021-06-26
【※必読】梅雨時のマンション・戸建て内覧会、6つのチェックポイント

マンション、戸建てなど、お家の大きな決め手となる物件の見学。部屋の状態や雰囲気、周辺環境を知るために行うもので、これを内覧会や内見といいます。

間取り図や写真で物件データーを把握してはいても、実際に目で見て気づく情報には得がたいものがあり、「すっきりと晴れた日に見学したい」と思う方が多いのではないでしょうか?6,7月の日本はずばり『梅雨シーズン』。せっかくの物件見学予定日が、雨の日に当たる確率は高くなってしまうかもしれません。

しかし、よくよく考えると、お家で過ごすのは晴天の日だけではありません。条件の悪い雨の日こそ、お家でゆっくり過ごす時間が長くなるはず。裏返せば雨が多い梅雨時こそ、冷静に物件を見きわめる絶好のチャンスだとも言えるのです。

今回は、この時期だからこそチェックしておきたいマンション、戸建ての6つの見学ポイントを、経験豊富なプロのホームインスペクターが順に解説します。ぜひ参考にしていただけると幸いです。

中古マンションホームインスペクション

①駐車場の傾斜や、水たまりなど敷地周辺は要チェック

駐車場の勾配はどうなっている?

駐車場の勾配はどうなっている?

特に注意したいのが駐車場の勾配、傾き方です。普段はわかりにくい駐車場の傾斜が、雨水の流れを見れば一目瞭然!建物から道路に向かい、斜めに傾斜があれば、雨水は道路に流れていきます。一方、この傾き方が反対になっていれば、当然ですが、敷地内に道路の雨水が流れ込んできます。

また、物件と駐車場の距離も気になるところです。晴れの日なら気にならない距離も、雨の日など天候の悪い日は不便に感じるかもしれませんのでチェックをしておくと良いでしょう。

敷地周辺の水たまりにも注意が必要

敷地周辺の水たまりにも注意が必要

近年、短時間に雨が集中する「ゲリラ豪雨」や、梅雨や台風シーズンの記録的に雨が集中する「100年に1回の大雨」異常気象のリスクが心配されています。

少しの雨なら「水たまり」レベルで済んでいても、大雨により水たまりの範囲が拡大、家の周囲が水浸しとなるケースも予想されます。そのため、傾斜が物件側(敷地側)に傾いている場合、水が流れ込むトラブルに見舞われる事態に…きちんとチェックしておきたい部分です。

②排水の要である雨樋もチェック

排水の要である雨樋もチェック

雨樋(あまどい)は屋根の雨水を1カ所に集め、スムーズに排水設備などに流す役割をしています。もし雨樋が適切に機能していなければ、住宅の外壁を汚したり、場合によっては雨水が建物内部に侵入したりする可能性もあるなど、雨樋はお家を水や湿気による腐食から守る役割を果たしているのです。

以前、雨の日に雨樋を観察していると、途中で水漏れが発見される事例がありました。横樋(よこどい)との接続不良が発生し、雨水が漏れていたようです。晴れの日なら、気にも留めなかった箇所だと思いますので、ぜひこの時期にしっかりチェックしておきましょう。

1ページで分かるホームインスペクションとさくら事務所とは

 

③雨の日の換気は万全?「音」にも気を付けたい室内環境

雨の日は外出せず、お家時間を過ごす機会が増えます。梅雨時の見学は、雨の日の室内環境をチェックできる意味で、メリットが大きいといえるでしょう。

湿気対策は?空調や換気システムを確認

湿気対策は?空調や換気システムを確認

もともと日本の住宅は、湿気対策としてあえてすきま風が入りやすい構造でした。しかし近年、効率よく冷暖房を行うため、気密性の高い住宅が好まれるようになり、意識しなければ梅雨に限らず湿気がこもりやすい環境となっています。

そのような中、キッチンや浴室やトイレのような水回り、納戸やウォークインクローゼットのように湿気のたまりやすい場所の様子はいかがでしょうか?見えにくい納戸やクローゼットの天井に染みがあったり、カビの臭いが感じられたりしませんか?

梅雨時には湿気が最高レベルに発生しているはずですから、空調や換気システムのチェックも欠かせません。

雨音だけじゃない!雨の日の音問題

ジメジメを撃退したい!カビの原因にもなる梅雨時の湿気対策とは?

幹線道路が近いなど交通量が多い物件では、車が雨水をはねる音が室内にまで聞こえてくる可能性もあります。逆にのどかな環境の場合、笑い話のようですが「カエル」の大合唱に悩まされる例もあるため、念のため確認をしておくとよいでしょう。

室内の明るさ、ベランダの排水などもしっかり見ておく

室内の明るさ、ベランダの排水などもしっかり見ておく

雨の日に室内はどの程度の明るさになるでしょうか?ある程度は仕方のないものの、極端に暗い部屋では気分も沈んでしまいますよね。また、ベランダやバルコニーなどの排水はきちんと行われているでしょうか。梅雨の今こそ、しっかりチェックしておきましょう。

④見える範囲で床下をのぞいて調べる

見える範囲で床下をのぞいて調べる

外観からは見えにくい床下は、「チェックできないな…」と、あきらめていることも多いのではないでしょうか?実は、床下点検口が設置されている物件であれば、床下を見ることができ、特別な知識がなくても、水漏れや雨漏りなどを目視で確認ができます。適切な防水処理がされておらず、床下に水漏れのあとが見られるケースもあります。
晴天であれば、水漏れが乾いてしまうため、確かめるのが難しくなるため、これも雨の日ならではのチェックポイントですね。

⑤天井点検口があればチェックをしておく

天井点検口があればチェックをしておく

床下点検口と同じく、天井にも点検できる天井点検口が設置されています。高く危険な場所にあり、脚立などを用意しての確認になります。転倒などの危険に注意しつつ。できればぜひのぞいてみることをおすすめします。

屋根裏内部をのぞくと、野地板(合板)が濡れているなど雨による染みが見受けられる事例もあります。雨降りだからこそ、雨染みの他、木部の腐食等を確認できる場合があるのです。

⑥マンションなら共用部の雨水対策も確認してみよう

マンションなら共用部の雨水対策も確認してみよう

過去の事例で、自室に向かうまで、屋根などの防雨対策がいまひとつでびしょ濡れになってしまうケースがあるなど、マンションの場合、共用部についても気になるところですね。エントランスや廊下などの排水についても要チェックです。

さらに細かなチェックをしたい場合は、プロに見てもらおう!

内覧会をするにあたり、雨の日はベストコンディションとはいえません。しかし、晴れの日のいい状態だけでなく、悪天候の物件の様子を知っておくことが、物件選びの強い武器になることをご理解いただけたかと思います。

今回はわかりやすいチェックポイントを6つご紹介しましたが、天井や床下など、専門家でなければ調べにくい細かな箇所は、専門家によるホームインスペクション(住宅診断)でチェックしてもらうのも一案です。

さくら事務所では、第三者機関と提携していないからこそできる完全中立な立場を守りつつ、住宅そのものの診断だけでなく、地盤の揺れやすさを考慮した耐震性アドバイス、ご希望地点の災害リスクのアドバイスなど、不動産・住まいの総合不動産コンサルティングサービスを多数ご提供しています。

厳しいトレーニングをくぐり抜けた「宅地建物取引士」「マンション管理士」など、国家資格保有の精鋭ホームインスペクター(住宅診断士)が、ご相談に応じます。調査技能はもちろんホスピタリティや使命感を兼ね備えた建築士が客観的にアドバイスを行っていますので、ぜひ内見の際には、ご検討いただけると幸いです。