失敗しない「二拠点居住」物件の選び方

  • Update: 2022-08-01
失敗しない「二拠点居住」物件の選び方

新型コロナウイルスの影響によって、会社に出社せず仕事をする、リモートワークのスタイルに切り替わった方も多いでしょう。出社する必要がなくなった方のなかには、地方にも拠点を作って「二拠点居住」を希望する方もいます。しかし、住宅のプロであるホームインスペクターからみると、勢いや雰囲気だけで「二拠点居住」の物件を決めるのは、リスクが高いことがあります。

本コラムでは、災害対策の具体的アドバイスも行っている、さくら事務所のホームインスペクターが、「二拠点居住」を選択するうえでのポイントや注意すべき点について解説しますので、ぜひ参考にしてみてください!

あなたのお家の災害リスクを診断!災害リスクカルテ

「二拠点居住」が盛り上がっているワケと人気の傾向

※国土交通省「空き家等の活用を通じた二地域居住の推進」(令和3年4月)より

最近、さくら事務所では「二拠点居住」を目的とした住居のホームインスペクションのご依頼が増えています。リモートワークの普及によって、地方での暮らしを意識する人は増えたものの、移住・定住よりも「二拠点居住」志向の人が多く、首都圏から少し離れた、これまで「別荘」として使われていた建物を購入して「二拠点居住」を始めようという方が多いようです。

東京都を中心とした首都圏の不動産価格の高騰が、そこまで価格が上がっていない、北関東や房総半島などでの「二拠点居住」のニーズが高まっている要因のひとつです。なかでも売れているのは築浅の戸建てです。マンションはやはり購入したあとの修繕積立金や管理費の負担があるので敬遠されがちなようです。

決める前に知っておきたい!二拠点居住の注意点

「二拠点居住」の人気エリアは限られています。首都圏から離れるにしても都内へのアクセスがよいに越したことはありません。その狭い人気エリアの中で築浅の戸建てはどうしても限られてきます。

ここで重要なのが、二拠点目の物件は「買う」ことだけではなく、いずれ「売る」ことも視野に入れておく必要があるということです。ニーズがない物件を買ってしまうと、ひと昔前のバブル時代に盛り上がったリゾート地の別荘のような、「負」動産になってしまうリスクが高くなります。今人気があって少し価格が高い物件は「ニーズがある」証拠です。人気がなくて安い物件よりも「ニーズがある」物件を選びましょう。

立地の特性による傷みに注意

「二拠点居住」の物件に選ぶ戸建てを見るときのポイントは「立地の特性による傷みを把握しておくこと」です。リゾート地や別荘地の建物は、あらゆる意味で「傷みやすい」特徴があります。

たとえば海が近いエリアの場合は塩害を受けるため、錆びやすかったり外壁が傷みやすくなります。山の場合は、凍害といって寒さによる傷みが出やすくなります。雪が降る地域では雪害、風の強い地域では風害による傷みもあります。

また山では小動物による家屋の被害が出ることもあります。コウモリやネズミが換気口の中に営巣したりすると、フン害による被害もあり得ます。自分が購入しようとしている物件がある土地はどのような環境で、どのような被害を被る可能性があるのかを事前に把握しておくようにしましょう。

家屋のデザインによる傷みに注意

別荘地やリゾート地の物件のなかには、非常にデザイン性の高い「凝った」物件があります。ログハウスや、床から天井まであるような大きなサイズの窓のある物件、豪勢なお風呂が備え付けられた物件などは、特殊な作り方をしているために、水漏れしやすい特徴があります。

たとえば、一般的な住宅のお風呂のようなユニットバスは、工場で生産されているため、水漏れしにくい構造になっています。しかし特殊な造りのお風呂などは、在来工法といってひとつひとつ人の手で作業するので、どうしても目地から水漏れしやすくなってしまう傾向があります。そういった物件をホームインスペクションすると、だいたいシロアリの被害が見つかったり、水漏れ周辺の床が腐食していたりします。

また、居住していない期間が長いと、空気が流れず、水の流れも止まってしまうために、あらゆる意味で劣化しやすいのです。毎日住んでいるわけではないので、たとえ少量の水漏れだとしても気づきにくく、その分進行しやすいという特徴も挙げられます。

別荘地でチェックするべき「災害リスク」

別荘地、たとえば海のそばであれば台風や高波、津波といったリスクがあることは誰でもわかることですが、ほかにも注意すべき「災害リスク」があります。

それは土砂災害です。

ハザードマップの土砂災害警戒区域のイエローゾーンに入っているなら、その物件は避けた方がいいでしょう。住宅の裏山が切り立った崖になっていて、崖の上がアスファルトやコンクリートで整備されていない場所も、土砂崩れのリスクが高いといえます。

また、立地によっては雪害や火山の噴火にも、備える必要があります。

最低限、ハザードマップは確認しておくようにしましょう。

ログハウスに住みたい!「ならでは」の注意点とは

「二拠点居住」に選ぶ住居として、ログハウスに住みたいという方も多いでしょう。ただ、ログハウスにも注意すべき点がいくつかあります。

まず、ログハウスは生の木を使って作られているため、建物に傾きや隙間ができやすい特徴があります。これは欠陥ではなく、ログハウスという建物の特性上、仕方のないことです。

また、隙間があるので、一年を通して「寒い」ことも理解しておきましょう。隙間から虫や小動物が室内に入ってくることは、ログハウスにとって当たり前のことであるため、ログハウスは非常に「管理が難しい」といえます。その「管理が難しい」点も愛せる方、理解し納得できる方でないとログハウスに居住するのは難しいかもしれません。

どんな物件でも「管理」を忘れずに

しばらく住居を空けてしまうと、水道を使わない、換気扇を動かさない、吸気口から空気を入れない、といった期間が続いてしまうので、湿気が溜まりやすかったり、水漏れが起こったり、動物が知らない間に住みついてしまうといったリスクが考えられます。

したがって、数人でシェアをしたり、スペースとして貸し出すなど、防犯の意味でも、誰かしらが定期的に使用する環境づくりも大切になってきます。管理会社さんに家屋の管理を依頼することもおすすめです。コンスタントに空気や水、電気を流すことが家屋の維持につながります。

快適な「二拠点居住」のためにホームインスペクションを

ここまでで解説してきたように、現時点で人気のエリアに建っている住宅でも、特に、都心から離れた特殊な地域性や特殊な造りで設計されているような住宅は、すでに多少なりとも劣化している可能性があります。

さくら事務所のホームインスペクション(住宅診断)は、住宅に精通したホームインスペクター(住宅診断士)が、第三者的な立場からまた専門家の見地から、住宅の劣化状況、欠陥の有無、改修すべき箇所やその時期、おおよその費用などを見きわめ、アドバイスを行います。設備機器の不具合はもちろん、建物の傾きチェックなど、居住・売買時のリスクにつながりやすい箇所の劣化状態・不具合を幅広くチェックし、購入判断や補修すべき箇所の確認などに活用していただけます。

少しでもご不安な方は、快適な「二拠点居住」を実現させる足がかりとなる、さくら事務所の中古一戸建てホームインスペクション(住宅診断)、ぜひご利用ください。