ハウスメーカーのデメリットとは?他の依頼方法との比較や注文住宅で失敗しないコツを解説

  • Update: 2024-01-15
ハウスメーカーのデメリットとは?他の依頼方法との比較や注文住宅で失敗しないコツを解説

ハウスメーカーで家を建てるデメリットには、どのようなものがあるのでしょうか。注文住宅を建てるとき、工務店かハウスメーカーか、という選び方がまずあります。注文住宅はひとつひとつこだわって家づくりを行えるが故に失敗したくないものです。本記事ではどのように会社を選べばいいのか迷っている方に向けて、ハウスメーカーのデメリットについて詳しく解説します。

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ハウスメーカーのデメリット

ここではハウスメーカーの以下3点のデメリットについて、詳しく解説します。注文住宅をより良いものにするために、ぜひ参考にしてください。

  • 規格化により、さまざまな制約がある
  • 価格帯が高い
  • メンテナンス費が高くなる場合がある

規格化により、さまざまな制約がある

ハウスメーカーは、商品やサービスに一定以上の高い品質を担保しています。一方でデザインの柔軟性に欠けることがあるのです。

ハウスメーカーの住宅は、大量生産するために、ある程度規格化された部品や素材を使用しているため、設計の自由度が制限されています。注文住宅を建てる際に、本来の意味で自由にデザインやレイアウトを決めたい顧客にとって、デザインやレイアウトに制限があることは「理想の住まいが実現しない」という不満につながることがあります。

ただし設計の自由度を高めたハウスメーカーもあるため、すべての大手ハウスメーカーが設計の自由度に制限を持つわけではないことは理解しておく必要があるでしょう。自分の「理想の住まい」がどの程度実現可能か、気になるハウスメーカーに問い合わせてみることが必要です。

価格帯が高い

ハウスメーカーのデメリットとして、広告や研究開発にかかる費用が高いことから、結果として価格帯が高めになる点が挙げられます。

大手ハウスメーカーのなかには、テレビのCMを通じて認知度を高めたり、新しい広告キャンペーンを年ごとに展開したりしている会社もあります。また、一貫して高品質な住宅を顧客に提供するためには、工場の維持や研究開発にも相当な資金が必要です。これらのコストが住宅価格に影響を及ぼし、価格帯が高くなるのです。

これらのコストは、企業のブランド力や信頼性の向上、住宅性能の向上に寄与します。広告や品質の維持にコストをかけることは顧客満足度の向上にもつながります。そのため、ハウスメーカーの高い価格設定は、別の視点からみれば顧客にとってのメリットともいえるでしょう。

メンテナンス費が高くなる場合がある

ハウスメーカーで家を建てる際のデメリットとして、メンテナンス費用が高額になる可能性がある点が挙げられます。なかでも設計事務所で家を建てると、生涯の住宅メンテナンス費用が1500万円かかることもあります。

メンテナンス費用がかさむ理由のひとつが、ハウスメーカーによってはその会社独自の外壁材や内装材を採用しているケースがあることです。一般に流通していない部材・部品の場合、手配から交換、メンテナンスに至るまで、ハウスメーカーやその関連会社へ依頼する必要があります。また、代替品で対応できる場合でも、他社に依頼すると保証の対象外となってしまいます。保証を継続するためには、たとえ高額であっても、家を建ててもらったハウスメーカーに依頼せざるおえないでしょう。

大手ハウスメーカーの場合でも、メンテナンス費用は1000万円以上かかるところがあるようです。一方で地域密着の工務店で家を建てた場合は、メンテナンス費用が500万円以下と言われています。そのため、住宅の建設費用だけでなく、メンテナンス費用もコストとして考える必要があるでしょう。

ハウスメーカーにはメリットもある

ハウスメーカーに住宅の建設を依頼するのはデメリットがありますが、もちろんメリットもあります。ここからは、ハウスメーカーに依頼する以下の3つのメリットについて詳しくみていきます。

  • 品質が安定している
  • アフターサービスが充実している
  • 一般的な水準以上の性能を備えている

品質が安定している

ハウスメーカーに住宅の建設を依頼するメリットのひとつが、住宅の品質と性能が安定していることです。ハウスメーカーは自社の工場で建築部材を製造し、事前にこれらの部材を加工して組み立てることにより、均一で高品質な住宅を供給しています。

さらにハウスメーカーは建築作業をマニュアル化しているため、品質の一貫性を保証することが可能です。一方で工務店では、住宅の品質が職人の技術に依存することがあります。

アフターサービスが充実している

ハウスメーカーは、企業の規模が大きいほどアフターサービスや保証が充実している傾向があります。注文住宅の保証には法的な基準が存在しますが、多くの大手ハウスメーカーは、法的基準を上回る保証をサービスの一環として提供しています。またハウスメーカーの多くはアフターサービス専門の部署を構えており、予期せぬ問題が発生した際にも迅速に対応することが可能です。リフォーム会社を関連企業にもつハウスメーカーもあります。

このような手厚い保証体系とサービスにより、顧客との長期的な信頼関係を築くことができ、これが顧客満足度の向上につながっています。ただしハウスメーカーのアフターサービスには、定期的な住宅点検、メンテナンス、緊急時の対応などが含まれ、各ハウスメーカーによって保証の期間や範囲は異なることに注意が必要です。

一般的な水準以上の性能を備えている

ハウスメーカーの住宅は、一般的な水準と比べて、高い住宅性能を誇ることで知られています。これはハウスメーカーが自社のブランドイメージを保つために、品質の高い住宅を提供しているためです。

さらに住宅性能の向上は、競合他社との差別化を目指す戦略の一部としても重要視されています。差別化としての住宅性能には、住宅の耐震性や耐火性の向上、室内環境の調節が含まれます。ハウスメーカーの営業努力により、さまざまなカテゴリで高い性能と独自の特徴を持つ住宅が提供されているのです。

高い品質の住宅を選ぶことは、快適な住環境のみならず、故障や劣化のリスクを減らし、長期的なメンテナンス費用の削減にもつながるため、顧客にとって大きなメリットとなります。

ハウスメーカーの種類(工法)

ここからはハウスメーカーの工法のうち、以下の4つの種類について、詳しくみていきます。どの工法がどのようなメリットや住み心地を提供するのか解説しているので、ぜひ参考にしてください。

  • 在来木造工法
  • 2×4パネル工法
  • 鉄骨工法
  • 鉄筋コンクリート工法

在来木造工法

在来木造工法は日本の建築文化に根ざした伝統的な工法で、木造軸組工法とも呼ばれるものです。在来木造工法の工法は、柱と梁を組み、筋交を入れて建物を作り上げる構造が一般的です。ただし近年では、筋交の代わりに耐力面材を使用し、耐震性能を向上させたものを採用している会社もみられます。

在来木造工法はまずコンクリートの基礎上に柱を設置し、その柱と梁を組み合わせて家全体の骨組みを作ります。この構造により、空間の自由度が高く、間取りの変更が容易になるといったメリットがあります。日本の気候や風土に適応した工法であり、地震に強い構造を持つことも特徴です。

2×4パネル工法

2×4パネル工法は、その名の通り、約2インチ×4インチの標準化された木材を使用する建築手法です。床、壁、天井を六面体の構造で組み立てることが特徴で、高い耐震性、耐火性、省エネルギー性を有しています。

2×4パネル工法は、地震や風の力を建物全体で分散させるため、構造の安定度が高いのが特徴です。また木材の隙間が少ないため、気密性や断熱性に優れており、厚い断熱材の使用が可能です。

2×4パネル工法により建てられた建物は、箱のような六面体構造により、各部材を専用の金具や金物でしっかりと固定し、一体化します。とくに耐震性や断熱性を重視する建築に適しており、日本を含む地震が多い地域での住宅建築に有効です。

ハウスメーカーのなかには、2×4よりも幅が大きい2×6の素材を使用して、耐震性や断熱性を向上させている会社もあります。

鉄骨工法

鉄骨工法は、建物の骨組みとして鉄骨を使用する建築手法です。使用する鋼材の板厚によって重量鉄骨と軽量鉄骨の2種類に分けられます。鉄骨の梁や柱を用いることにより、建物は頑丈になり、地震などの自然災害に対して強い耐性を示します。

鉄骨造の部品は工場で組み立てられるため、品質が安定し、建築現場での作業が効率的に行える「作る側」のメリットもあり、建設期間が短縮されることが一般的です。建設期間の短縮は、コスト減につながり、顧客にもメリットをもたらします。

さらに鉄骨工法による建築は、間取りの自由度が高く、設計上の柔軟性が大きいメリットもあります。ただし、建築コストは比較的高額になることや、サビ対策が必要となることがデメリットです。

鉄筋コンクリート工法

鉄筋コンクリート工法は、鉄筋・型枠を組み立て、コンクリートを流して建物を作る建築手法です。鉄筋の引張力とコンクリートの圧縮力の特性を組み合わせることで、非常に強靭な住宅となります。さらに型枠が組める範囲であれば、どんな形にも対応でき、デザイン性の高い住宅を建てられる点がメリットです。

鉄筋コンクリート工法で建てられた建築物は高い耐震性と耐久性、防音性を持つため、大規模な建築物や高層建築に適しています。

ハウスメーカー以外にもある!注文住宅の建て方

ここからはハウスメーカー以外にもある、注文住宅の建て方について紹介します。

工務店と設計事務所それぞれの特徴は、以下のようになっています。

特徴

コストの傾向

設計の自由度

工務店

建築工事やリフォーム、住宅の建設を行う中小の事業者

ハウスメーカー、設計事務所と比較してコストが安くなる傾向がある

ハウスメーカーより設計の自由度があるが、設計事務所と比べると自由度に制限がある

設計事務所

建築家と呼ばれる人や建築士が独立した組織

ハウスメーカー、工務店と比較して、コストが最も高額になる傾向がある

ハウスメーカー、工務店と比較して、設計の自由度が最も高い傾向がある

工務店

工務店は地域密着型の経営を行っている会社が多く、地元の気候や風土に精通しており、地域の住宅ニーズに合わせた建築を得意としています。工務店の運営は広告に頼らず、口コミや地元コミュニティにねざした活動を中心に行っているため、情報収集には地元のネットワークが必須です。

工務店ではハウスメーカーと比較して間取りや仕様の自由度が高く、顧客の要望に応じたオーダーメイドの住宅を設計・建築できます。顧客のライフスタイルや好みに合わせた細かなニーズに対応可能な点が、工務店の大きな特徴です。

設計事務所

設計事務所は、住宅建築において施工会社との間に立って家づくりを行います。建築家や設計士が中心となり、クライアントの要望に応じて住宅の設計から監理までを担当し、建物の構造からデザインに至るまで、クライアントの希望を最大限に反映させることが可能です。

設計事務所は、クライアントの理想を追求し、独自のアイデアや創造性を活かした住宅を設計できます。さらに設計事務所は工事の監理者としての役割も果たし、工事現場での建築作業を監督し、設計通りに工事が進んでいるかを確認します。

注文住宅で失敗しないためのコツ

ここからは注文住宅で失敗しないためのコツを詳しく解説します。注文住宅の建設を検討している方、ハウスメーカー選びで迷っている方は、ぜひ参考にしてください。

コツは以下の通りです。

  • 希望条件、予算はあらかじめまとめておく
  • 担当者との相性をチェックする
  • WEBやSNSでの口コミも参考にする
  • セカンドオピニオンを準備する

それぞれについて内容を見てみましょう。

希望条件、予算はあらかじめまとめておく

注文住宅の計画を立てる際、事前に希望条件と予算を明確にしましょう。

希望条件では、家族のライフスタイルや将来の生活プランを考慮し、必要な機能や間取り、デザインの要望をもれなくリストアップします。要望の漏れをなくせば、引き渡し後に「こうしておけばよかった…」といった後悔を避けられます。

予算の設定では、返済計画を念頭に置きつつ、自己資金や住宅ローンの可能額を考慮して総予算を決定しましょう。予算を守って家づくりを行えば、ローン返済返済に苦しまないなど、経済的負担の適切な管理が可能です。

最終的には設定した予算と希望条件にあった、ハウスメーカーや工務店を選ぶことが大切です。その結果、希望に沿った家づくりが可能となり、予算内で最適な住宅を実現できます。

担当者との相性をチェックする

注文住宅を建てるのに要する期間は、通常半年から1年程度です。その間、担当者と頻繁に打ち合わせや立会いを行います。そのため、担当者と良好な関係を築くことは、満足のいく家づくりを実現する要素のひとつです。

担当者との相性をチェックする際に重要なのは、気軽に相談でき、親身になって提案やアドバイスをくれるかどうかです。建築に関する専門的な知識や経験も大切ですが、それ以上に、顧客のニーズを理解し、それに応じて柔軟に対応できる担当者が理想といえます。

ハウスメーカーや工務店選びの際も、技術力や実績だけでなく、担当者との相性の見極めが重要です。

WEBやSNSでの口コミも参考にする

注文住宅の建設をする際、後悔をより少なくするためには、WEBやSNS上の口コミ情報を活用することが重要です。

オーナーの口コミやSNS投稿は、施工会社の評判や施主との関わり方を知るための貴重な情報源です。またSNSにはオーナーの投稿写真や完成物件の写真などがアップされている場合があり、自分が希望するデザインやスタイルに近い家を立てているかどうかの確認も行えます。

とくに、広告や宣伝に力を入れていない工務店や設計事務所を選ぶ際は、オーナーの声や施工事例の確認に役立ちます。

もちろん正確な情報かどうかの見極め、取捨選択は必要なので、鵜呑みにしないように注意しましょう。

セカンドオピニオンを準備する

注文住宅の建築においてセカンドオピニオンを準備することは、住宅の建築の後悔を減らすための重要なポイントです。多くのハウスメーカーや工務店では、設計から工事までを一括で行います。

この方式では、設計から工事に至るまでの情報の伝達がスムーズに行われる一方で、工事の監理機能が十分に果たされていない場合があります。この弱点を補うためには、知り合いの建築士に立ち会いを依頼したり、住宅の専門家によるホームインスペクション(住宅診断)を依頼したりといったセカンドオピニオンの準備が有効な手段です。

第三者としての専門家によるセカンドオピニオンによって、ダブルチェックのような役割を果たし、最終的な住宅の出来栄えを向上させられます。

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ハウスメーカーはデメリットだけじゃない!ホームインスペクションでセカンドオピニオンを

ハウスメーカーに注文住宅の建設を依頼することには、確かにいくつかのデメリットがあります。しかし一方で多くのメリットも存在します。

注文住宅を建設する際に重要なことは、建築会社のデメリットとメリットを比較し、自分たちの「理想の住まい」を建てるとき、よりメリットが大きと感じる会社を選ぶことです。

今回紹介した注文住宅で失敗しないコツを参考にあなた自身にあった建築会社を見つけ出しましょう。

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