冬に備える!住まいの電気代と結露を減らすポイント
10月は衣替えの季節。衣類だけでなく住まいの冬支度として対策を考えておきたいのが「電気代(暖房代)」と「結露」です。
冬は外が薄暗くなるのが早いため夏より家にいる時間が長かったり、外と室内の温度差が大きいことから、夏より光熱費がかかりやすいといわれてます。
東京電力の家庭向け電気料金の推移をみると震災後から今年7月までの間に平均的な家庭で約37%電気代が上昇しており、今年の冬は暖房代がかさむことが予想されるため、少しでも省エネ対策をしたいものです。
また「結露」も寒い季節特有の悩みごととして、
- 寝室の窓の結露がひどい
- 使ってない部屋の結露の原因は?
といったご相談がさくら事務所には寄せられます。
そこで今回は冷気の入り込みを防ぐための窓際の工夫や、結露の発生を減らすコツについて、自分ですぐできるテクニックをご紹介します!
今すぐできる!『冷気を防ぐ寒さ対策』
家が冷える原因は、外からの冷気が壁や窓を冷やしてしまうこと。冷気が入り込みにくい工夫をすれば、結果的に暖房をつける回数や時間が減らせます。
●冬用カーテンに替える
主に朝・晩の冷えに対策するなら、カーテンを替えるだけでも効果があります。
窓周辺の冷気を室内に入れづらくするための「コート」の役割が期待できるため、冬の間だけ、風を通しにくい素材のカーテンやロールスクリーンなどに掛けかえると冷気が室内に入りづらくなります。生地は厚めで空気を含んでいるものがよいでしょう。
カーテンの長さが短く床との間に空間があると冷気が室内に入りますので、カーテンが床ぎりぎりの長さであることにも注意してみるとよいでしょう。
●インナーサッシを取り付ける
イ ンナーサッシは室内用の窓。空気の入れ替え時などは窓を2回開けなくてはいけませんが、冬は冷気が入り込みにくく、夏はエアコンで冷えた室内の冷気を外に 逃がしにくくなり、年間を通して窓の断熱性能を高めたい方にはおすすめ。また、インナーサッシを取り付けることで窓の遮音性能も向上します。
ただし外の騒音が気にならないマンションなどでは、遮音性が高くなりすぎて、以前より他住戸の音が聞こえるようになったというケースも。音の聞こえ方に少し変化が出る可能性も考慮しておきましょう。
施工方法は各窓の大きさに合わせた室内用の窓を専門業者にオーダーし、工事で取り付けてもらいます。家の一部を解体することなく比較的短時間で工事が済むので、取り付けを検討する人が増えています。
暖房効率を上げる
暖房器具は使い方により、同じ設定温度でも無駄に電気代がかかることがあります。使い方を工夫して電気代を節約しましょう。
●室外機周辺をふさがない
一戸建て、マンションに関わらず、室外機周辺に物が置かれている住まいをよく見かけますが、室外機の空気の出入りがスムーズでないと、暖房効率が低くなるため、暖房を過剰にかけないと部屋が暖まらなくなることがあります。
メーカーの取扱説明書に書かれた必要な隙間を開けるだけでも暖房効率が良くなる可能性がありますから、一度、室外機の状況を確認してみましょう。
●温水洗浄便座付きのトイレを工夫して使う
今では多くの住宅で、便座が温まる温水洗浄便座が使われています。一回に座っている時間が短いためかあまり気にされませんが、便座を暖めるこの機能もれっきとした暖房。使い方次第で、節電が期待できます。
最も手っ取り早くできるのが、使うたびにフタを閉めること。フタにより便座表面の熱が逃げにくくなり、温水洗浄便座が使用する電気量が減るとされています。参考:でんきの省エネ術(東京電力)
さらに、温水洗浄便座に節電タイマー機能がついていれば、数時間ごとに自動的に便座の加温をオン・オフしてくれるので、設定することをおすすめします。
高い断熱性能をもつ住宅の場合は、一度家全体を暖めるとその後暖房を切っても熱が逃げにくく快適でいられますが、断熱性能はそれほど高くない住宅や築年数の古い中古住宅などは、暖房で全室を暖めてもすぐにまた冷えてしまいます。
そこで、高断熱住宅以外は、使っているその部屋だけを暖めるというのがおすすめ。たとえば家族全員がリビングでくつろいでいるとき、寝室や脱衣室は冷えていても問題ありませんから、それらの入口ドアを全て閉め、リビングの暖房熱が漏れ出ないよう入口ドアも閉めておきます。
また、一戸建てでリビングなどに階段があるときは、暖房熱が誰もいない上階に上がっていってしまいますので、簡易的ではありますが、床近くまでの長さのカーテンを階段とリビングの間に吊るしておくだけでも空気の移動が減らせます。
な お、脱衣室(洗面室)にはすぐに温まるハロゲンヒーターなどを設置しておくとよいでしょう。入浴の際、暖かいリビングなどから冷えた脱衣室に移動して裸に なりその後入浴すると、急激な温度差により血圧が大きく上昇・下降する「ヒートショック」が起きることがあるからです。温度差をなるべく小さくするため、 ヒーターで体が急に冷えにくいようにしておきます。
結露を防ぐコツ
結露は窓付近が急激に冷えることで水蒸気がガラスに付着する現象。水を入れたコップに氷を入れると、コップの外側が濡れるのと同じです。
人がいるだけで室内には水蒸気が発生しますから、結露をゼロにするのは容易ではありませんが、カビの発生やクロスの剥がれなどにもつながりますので、ちょっとした工夫で結露を減らしましょう!
●窓に空気を含む素材を密着させる
壊れ物の梱包用のプチプチと潰せる気泡緩衝材などを窓に隙間なく貼りつけると、窓の内側が冷えにくくなり、また、サッシやガラスの表面に水蒸気が付着しにくくなるため、結露が軽減できます。最近では、窓専用の断熱製品も販売されています。
外が見えなくなり見た目が変化するのでリビングなどには適さないかもしれませんが、軽い素材で扱いやすく、自分で窓の大きさに合わせて切って貼れることから、寝室などに貼りつける人が増えています。
これらの製品を使うときの注意点は、とにかく窓(サッシ・ガラス)と気泡緩衝材の間に隙間を作らず全面的に密着させること。密着させられれば、結露の軽減が期待できます。隙間があると、ガラスからの冷気が漏れるとともに結露も従来通り発生するので要チェック。
●加湿器は外から離れたところに置く
風 邪を引きにくくするためには室内の湿度を50~60%台に保つのがいいと言われ、最近では多くの家庭で加湿器を置いていることでしょう。ただ、加湿器は意 図的に室内の水分を増やしているので、たとえ窓ガラスをペア(複層)ガラスなどの断熱性が高い製品にしていても、やはり冬の朝方には結露が発生してしまう ことが多いものです。
また、コンセントが外に面した壁の近くにあったり、加湿器を部屋の隅に置くことが多いことから、意外と外に近い位置に加湿器が置かれている家も多いのでは?
この結露を少しでも軽減するためのちょっとしたコツは、加湿器をなるべく外から離れた位置に置くこと。気温が下がりやすい窓や壁の近くになるべく水蒸気が届きにくいようにするというわけです。
こまめな換気はもちろんのこと、すぐできる対策としておすすめです。