「水回りの大掃除方法がわからない」
「水回りの正しい大掃除の仕方はあるの?」
「大掃除で水回り設備を綺麗に保って、長持ちさせたい!」
そんな悩みを抱えているのではないでしょうか。
実は水回りの掃除方法は汚れの種類によって変わります。汚れにあった掃除を行わなければ、綺麗にしたはずなのに水垢が残っている、排水溝の金具が錆びてしまったなどの問題が発生することも考えられます。
そこで、この記事では住宅のプロである、さくら事務所の住宅診断士(ホームインスペクター)が大掃除の仕方を解説します。
また水回り設備を中心に、大掃除と併せて実施しておきたい、自宅チェック5項目を解説します。
ぜひ最後まで読んでください。
水回りの大掃除は汚れの種類別に行おう
水回りの大掃除は、汚れの種類に合わせて行う必要があります。なぜなら、キッチンや洗面所、風呂場、便器など、それぞれの場所で発生する汚れは異なるからです。汚れの種類に合わせて適切な洗剤と掃除方法を選ぶことが重要となります。
たとえば、キッチンでは油汚れが主な問題であり、脱脂力の高い専用洗剤が有効です。一方、浴室ではカビや水垢が主な問題で、クエン酸や重曹などの自然洗剤が効果的です。これらの場所ごとに特有の汚れを理解し、それに応じた洗剤や掃除方法を選ぶことで、より効率的かつ効果的な掃除が可能となります。
汚れの種類
ここからは、汚れの種類ごとに効果的な洗剤や掃除のやり方について、詳しく解説します。ぜひ参考にしてください。
- 油汚れ
- 水垢
- カビ、雑菌
油汚れ
キッチンは、油汚れがつきものです。料理中に飛び散る油はキッチンのさまざまな場所に付し、時間が経つにつれて固まりやすくなります。
このような頑固な油汚れを効果的に取り除くためには、重曹やアルカリ性の洗剤が有効です。重曹は油分を分解しやすい性質を持っているため、油汚れに直接振りかけて使用すると良いでしょう。また、アルカリ性洗剤も油汚れの分解に有効です。
重曹やアルカリ性の洗剤を使う際には、40℃程度の温水に混ぜてつけおきすることで、固まった油汚れも柔らかくなり、落としやすくなります。
水垢
洗面台やシンクなどの水回りには、白く残る水垢の汚れがよく発生します。水垢は主に炭酸カルシウムが固まったもので、硬水地域では特に発生しやすい傾向があります。
炭酸カルシウムの汚れを効果的に取り除くには、塩酸や酢酸、クエン酸などが効果的です。酸の成分は炭酸カルシウムを溶かし、汚れを落としやすくします。なかでもクエン酸は安全性が高く、自宅での使用におすすめです。
水回りを掃除する際は、これらの成分を含む洗剤を使用し、水垢が付着した部分に直接塗布した後、しばらく放置することで汚れが浮き上がりやすくなります。その後、スポンジやブラシで擦り、水で洗い流すことで、水垢を効果的に除去できます。
カビ、雑菌
カビや雑菌を掃除する際は、場所によって異なる対処法が必要です。たとえば、お風呂のカビには専用のカビ取り剤が効果的です。またキッチンのコーキング部分や隙間に発生したカビには、中性洗剤を使用してこすり落とす方法が有効です。一方、畳などの素材に発生したカビには、アルコールをスプレーし、一定時間放置した後に拭き取る方法が有効です。
掃除したあとは、カビや雑菌の再発を防ぐために、湿度管理と換気をおこないましょう。
たとえば
- 浴室は窓を開けず、換気扇で換気を行う
- 畳は和室に通風を実施し、湿気がたまらないように心がける
などの方法が有効です。
適切な湿度の維持と定期的な換気により、カビや雑菌の繁殖を抑えられます。
場所別!水回りの大掃除方法
ここからは、以下の4つの場所別に水回りの大掃除の方法を、詳しく解説します。大掃除をする際の参考にしてください。
- キッチン
- 洗面台
- トイレ
- お風呂
キッチン
キッチンの大掃除では、特にレンジフードとキッチン収納内の清掃が重要です。レンジフードには油汚れが溜まりやすいため、重曹を用いたつけ置き方法が効果的です。重曹水を作り、キッチンペーパーに含ませてレンジフードの油汚れを覆ったら、しばらく放置してから拭き取りましょう。キッチン収納内部も油汚れやホコリが溜まりがちなので、しっかりと重曹水を含ませた柔らかい布で拭き掃除を行うことがおすすめです。
キッチン排水管の掃除も忘れてはいけません。キッチン排水管を掃除する際は、アルカリ性の洗剤とお湯を用いると効果的です。お湯にアルカリ洗剤を混ぜ、排水口に注ぎ入れたら、一晩放置します。これにより、排水管内の油汚れや汚れが分解され、排水がスムーズになります。
洗面台
洗面台の大掃除では、洗面台の見えている汚れだけでなく、排水管の汚れも取り除くことが重要です。洗面台の表面の黒ずみやカビは、クエン酸や重曹を使って落とします。
排水管の清掃は、排水口の掃除口があるかどうかによって異なるため、まずは掃除口の有無を確認しましょう。掃除口があれば、そこからパイプクリーナーや重曹とクエン酸の混合液を使って汚れを取り除くことが可能です。排水管を定期的に掃除することで、悪臭の原因となる汚れを取り除けます。
トイレ
トイレの大掃除では、便座を外して徹底的に掃除することがおすすめです。便座を外すことで、通常では届かない部分の汚れも除去できます。また、便座やトイレ本体のモデルによっては、脱臭用のフィルターや特別な清掃機能が付いている場合があります。取扱説明書を確認してフィルターを掃除しましょう。くれぐれも、フィルターを取り外したことをきっかけに故障させないよう十分に注意しながら、掃除することが大切です。
さらに、トイレの換気扇の清掃も忘れずに行います。換気扇は見落としがちな部分ですが、定期的に清掃しないと換気不良を引き起こし、カビや異臭の原因になることがあります。換気扇のフィルターや羽根などを取り外して丁寧に清掃し、トイレ内の空気の流れを良く保ちましょう。
お風呂
お風呂場の大掃除には、掃除前に行う作業が必要なことがあります。ひとつ例を挙げると、浴槽のエプロンを取り外す作業がそうです。ただしメーカーやモデルによっては取り外し不要(不可)な場合もあるため注意しましょう。
次に、浴槽内の排水口周りの汚れやヌメリを除去します。特にカビやピンク汚れは、しっかり掃除しましょう。また、床の目地やコーキング部分に発生したカビも、塩素系漂白剤やカビ取り剤を使用して取り除くことが重要です。
忘れずに、換気扇や浴室暖房換気扇も掃除しましょう。これらの部分は湿気やカビの発生を防ぐために必要不可欠であり、定期的な清掃が効果的です。
大掃除で合わせてチェックしておきたい!自宅の劣化状況
ここからは大掃除のタイミングで劣化状況をチェックしておきたい以下の5つの自宅設備の場所やチェック方法を詳しく解説します。改めて劣化状況をチェックすると手間や時間がかかるため、大掃除のタイミングで同時にチェックするのがおすすめです。
- キッチン:換気扇フィルターの吸い込みをチェック
- キッチン・洗面台:下の収納の水漏れをチェック
- トイレ:便器からの水漏れをチェック
- お風呂:天井裏のカビや水漏れをチェック
- 外壁など:ひび割れをチェック
それぞれのチェックポイントについて解説します。
キッチン:換気扇フィルターの吸い込みをチェック
キッチンのレンジフード(換気扇)を掃除する際は、汚れを取り除くだけでなく、空気をしっかり吸えているのかをチェックします。故障であったり、まれに新築時の施工ミスで最初から空気を吸っていなかったという場合もあります。
■チェックのコツ
キッチンペーパーなど軽い紙を換気扇の表面近くにかざします。室内の吸った空気を適切に外に吐き出していれば、紙が換気扇表面にくっつきます。
紙が吸い込まれたり、くっつくような気配が全くない、もしくは反対に換気扇側からの風で押されてしまう場合などは、メーカーや施工会社などに相談してみましょう。
キッチン・洗面台:下の収納の水漏れをチェック
収納スペースを整理するついでに、排水管、特に配管同士の継ぎ目部分を触り、水が漏れていないかチェックします。水漏れだと手が濡れるのですぐわかります。
■チェックポイント
水漏れが微量だと、水を少し流した程度では配管が濡れず、点検時に気づけないこともあります。配管を触って確認する前には、30秒くらいは水を流しておきましょう。
◎一戸建ての+αチェック
1階の水周りに床下収納庫があれば、内部の容器を取り外し、床下内部を見ておくと、床下の水漏れ有無もわかってより安心です。床下で水漏れがひどくなると、湿気でシロアリが発生することもありますので、大掃除のタイミングで一度見ておきましょう。
トイレ:便器からの水漏れをチェック
トイレの水を1度流してしばらくした後に、床と便器の継ぎ目部分を確認します。多量の水漏れはもちろん、にじむ程の少量の水でも染み出ていたら、修理が必要です。
■チェックのコツ
見た目でわからない時は、トイレットペーパーで床と便器の継ぎ目を拭き、濡れるかどうか判別します。※ただし、気温・環境により便器表面が結露で濡れている場合があります。
お風呂:天井裏のカビや水漏れをチェック
ユニットバスの場合は天井に簡単に手で開けられる点検口があるので、踏み台などを使って蓋を開け、天井裏の状態を確認できます。
■チェックのコツ
変色などないか、異臭がしないかどうかチェックします。換気扇に適切に配管が接続されていないと、蒸気が漏れてカビが発生したりなど、不具合が起きます。
◎マンションの+αチェック
マンションにお住まいの方は、上階住戸からの水漏れで天井裏に濡れたような変色が起きていないかもチェックしましょう。
外壁など:ひび割れをチェック
雨漏りの原因にもなりうる外壁のひび割れ。太陽光や風雨、雪、更には地震の揺れなど、外壁は様々な状況にさらされています。定期的なチェックをオススメします。
■一戸建てのチェックポイント
① 建物基礎の表面や周辺との間にひび割れが入っていないか
基礎コンクリート(モルタル)の表面やテラスやポーチの床との間などに、くっきりした太さのひび割れ(0.5ミリ程度・シャープペンシルの芯が入るくらい)や数十センチを超える長いひび割れがないか見てみましょう。
② 外壁に太い・長いひび割れはないか
外壁のひび割れは雨水が内部に入るきっかけとなるので、長期間放置すると良くありません。どこに何か所くらい発生しているか、家全体を見てみましょう。一般的に、外壁は10年程度で修繕したほうが良いと言われいますので、修繕時期を迎えている(迎えていそう)であれば、修繕工事の検討となります。
■マンションのチェックポイント
コンクリートは共用部分になるため、原因確認も修繕も必ず管理組合に報告・相談しましょう。
壁と床、天井、コンクリート製手すりの表面にひび割れはないか
ひび割れが複数発生していないか、1つのひび割れがくっきりと見える幅(0.5ミリ程度・シャープペンシルの芯が入るくらい)や数十センチにわたる長さのひび割れがないかを確認します。
劣化チェックを自分で行うのは不安…そんな時は専門家へご相談を
定期的に大掃除することで、設備をメンテナンスすると同時に劣化状況をチェックできます。大掃除をする際は、本記事で紹介した汚れの種類ごと、あるいは場所ごとの掃除法を参考に、より有効な洗剤を使用しましょう。
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