これからの台風シーズンに増えるのが、雨漏りの被害。
屋根裏やバルコニー下といった普段目にしない部分で起きているため、気付くのが難しいのが雨漏りの厄介なところです。
気が付かないうちに家のどこかが破損していて、そこから雨水が浸入、気付かないうちに木材などが濡れて腐食・・・といったケースはさくら事務所の一戸建て自宅ホームインスペクション(住宅診断)でも、しばしば遭遇します。
また、雨漏りそのものの被害だけではなく、それが原因で深刻な「二次被害」に繋がる可能性があります。
ですが、二次被害は、雨が降ったあと、雨漏り被害の時点で早期に気がついていれば、防ぐことができるのです。
今回はホームインスペクター(住宅診断士)が、雨漏りからの二次被害とその対策について解説します。
二次被害①漏電火災の発生
雨漏りで木材が腐食すると、近くに電気配線などがあった場合に漏電、最悪の場合、漏電火災の危険性があります。
一部の古いアパートなどで建物では漏電火災警報機が設置されていることもありますが、ほとんどの住宅には設置されていません。
雨漏りによる漏電火災の点検方法・対策
長雨や台風の時のような強い雨が降った日は外壁を点検して、破損している場所がないかを点検しておいたほうがよいでしょう。お掃除のついでに室内の壁も見ておくのもおすすめです。日常の風景なので、水シミがあっても、意識して点検しないと気付かないケースは実はとても多いです。
また、「最近ブレーカーが落ちやすい」といった現象があれば、電力会社に依頼すれば漏電していないかを調べてくれるので問い合わせてみましょう。
二次被害②シロアリの発生
雨漏りの二次被害で深刻なものに、シロアリ被害があります。
シロアリが飛んでくるのは5~7月の初夏。雨漏りで湿った部分があると、シロアリが地面から蟻道を作り、食害にいたります。
ぜひ今のうちに点検をして、雨漏り箇所があれば今年のうちに補修しておきましょう。
シロアリの点検方法・対策
家の周りに置いているゴミ箱や、植物のプランターなどを一度どかして、基礎に蟻道(シロアリの通り道)がないかどうか確認しましょう。特に建物の北側は湿気も多く、要注意です。
雨が増えるこれからの季節、雨漏り箇所を見つけるチャンス
通常、微量な雨漏りは濡れては乾燥を繰り返すため発見するのが難しいのですが、雨の日が多く乾かずに濡れた状態が続いていると、軽度な破損個所からの漏水でも発見しやすくなります。
台風やゲリラ豪雨など雨が多いこれからの季節は、実は「雨漏り点検」の絶好のチャンスとも言えます。
とはいえ、ご自身の判断で難しい場合や、屋根裏などの危険な場所の点検には、ホームインスペクター(住宅診断士)によるアドバイスも有効です。