新築マンションの定期点検で申告しづらい不具合5つ

  • Update: 2017-12-15
新築マンションの定期点検で申告しづらい不具合5つ

新築分譲マンション、アフターサービス活用の落とし穴

マンションアフターサービス

新築分譲マンションを購入・入居後に行われる定期点検。

アフターサービスの一環として引渡しから2年まで定期的に行われているもので、住んでから分かった不具合を申告すると無償で直してくれるサービスです。

しかし、さくら事務所のインスペクション業務を通じて、「マンションの無償補修のチャンスにも関わらず、不具合について尋ねる売主からのアンケートに普段感じている不具合を申告しない所有者が多い」ことが分かってきました。

建築のプロでない所有者が文字だけで不具合の説明をするのは難しいことに加え、「自分の気のせいかもしれない」「こんなことを書いたら笑われるのではないか」と思って遠慮してしまうことが原因。

また売主側の担当者にとっては無償補修はなるべく少ないほうがよいという心理から、所有者の側に立って積極的に聞き出すというようなことはなく、表ざたにならない不具合が多いことも理由のひとつです。

特に、目に見えない感覚的な不具合や、いつも起こるわけではない「再現性のない不具合」については所有者からすると申告しづらいことが多い傾向にあります。

しかし、その不具合は実は重大な不具合の症状の可能性もあるのです。そこで、さくら事務所の実際のコンサルティング事例の中から、所有者が申告しなかった不具合と、遠慮してしまった理由そして不具合の本当の原因をご紹介します。

所有者が「遠慮して」申告しない不具合ワースト5

流れにくい排水口

①洗面台に溜めた水を流してもなかなか無くならない

<遠慮した理由>入居した時からのことなのでこんなものかと思った。

<本当の理由> 排水管の中に、工事中に誤って混入されたゴミが詰まっていた。

②収納扉を閉めてもしっかり閉まらない

<遠慮した理由> 物を入れ過ぎて、中の物が引っかかっていると思っていた 。

<本当の理由> 扉を固定する丁番が外れかけていて閉まらなかった。

③なんとなく家中が臭い

<遠慮した理由> 浴室や洗面台の排水口の清掃頻度が足りないと思っていた 。

<本当の原因は> 収納内や床下で排水管の接続部から水が漏れていた。

④納戸が動かしづらい

<遠慮した理由> レール部分に溜まったホコリを掃除していないせいだと思っていた 。

<本当の原因は> 枠についている「戸車」という滑りをよくする部品が壊れていた。

⑤時々、どこからともなく変な音がする

<遠慮した理由> どこから、どのタイミングで聞こえるのかはっきりせず、伝え方に迷った 

<本当の原因は> 浴室換気扇のダクトのネジが緩んで換気扇運転時にだけ音が鳴っていた 

 

2年目点検時のアンケートが重要な理由

アンケートに記入する人

もし記入したものが定期補修の対象外なら、担当者が教えてくれます。

大きなトラブルの前兆かもしれませんので、的外れかもしれなくても、記入して相談してみましょう。

アンケートに記録しておけば、その時に解決しなくても記録が残ります。後から大きな問題になったとしても、

2年以内に相談していたのですから、無償でアフターサービスを受けられる可能性が高くなります

そういった意味からも、気になることは書いておいた方が良いのです。

 

建物のプロ、ホームインスペクターに力を借りるのも有効!

新築マンション内覧会

とはいえ、マンションの定期点検をめぐっては売主の担当者から「『気のせいですよ』『もう少し様子を見ましょう』と言われてしまった」

ということがよくあるのも事実。

そんな時はプロに調査を依頼してみるのもひとつの手です。

さくら事務所のアフターサービス期限切れ前チェック(2年目)では、高レベルな検査精度と 100項目を超える独自のチェックリストで調査。

結果がその場で分かるほか、インスペクターによる簡易報告シートをもとに売主に説明することができるので安心です。

指摘した点について分譲会社・施工会社から提示された修繕方法の妥当性や、修繕箇所の確認方法をアドバイスしてもらえるほか、調査後も無料で相談にのってもらえます。