熊本地震から学ぶ、新築一戸建て工事中の注意点

  • Update: 2018-04-14
熊本地震から学ぶ、新築一戸建て工事中の注意点

熊本地震から今日で2年。

多くの建物が倒壊しましたが、震度6や7が頻発した地震は過去に例がなく、完全に建築業界の想定外でした。

地震直後は、さくら事務所にも新築一戸建て工事中の方等から「建築中の我が家は大丈夫なのか?」といったお知らせや、第三者による工事中のチェック(新築工事中ホームインスペクション(第三者検査)サービス)を希望する方が多数いらっしゃいました。

ただ、この地震は大きな被害をもたらした一方で、これから一戸建てを建てる方が学ぶべき大切な教訓も残してくれています。

「2000年基準」で建てられた住宅も倒壊

熊本地震で大きな衝撃だったのは、最新の耐震基準の住宅が倒壊したという想定外の事態でした。

2000年からスタートした現行の最新基準、いわゆる「2000年基準」は震度6〜7といった大規模な地震がきても倒壊しないものとされていました*。

しかし、最大震度を観測した益城町周辺では、この基準で建てられた住宅7棟が倒壊しています。

*益城町は「地域別地震係数」が0.9の地域と国から指定されており、上記の0.9倍の揺れに耐えられればよいことになっています。

倒壊の大きな原因「接合部仕様が不十分」

倒壊した7棟のうち3棟は原因不明、1棟は地盤の崩壊が原因とさています。

残った3棟の倒壊原因は「接合部仕様が不十分」。つまり、何らかの不具合が工事現場や設計の際に発生したことを意味しています。

この接合部とは、柱や筋かいと土台や梁などを固定している部分のことで、L字型の金属部材やプレートなどを使って部材同士を固定します。

この金属の部材やプレートは1つの住宅で多くの種類が使われていて、それぞれ取り付け位置や取り付け方法、固定する釘やネジ(ビス)の種類も決まっています。

建物の耐震性にも関わる重要な部分ですが、取り付けは人の手で行うものですので、どうしてもミスが発生する可能性はあるのです。

本来こうしたミスは現場監督がみつけて直すべきものですが、なんらかの原因で見過ごされてしまったのでしょう。

頼りの現場監督が、きちんとチェックできていない・・・

こうした現場のチェック漏れは、残念ながらどこの現場でもありうることです。

特に今は、オリンピックの影響などから現場監督は極度に人手不足。

頼りになる経験豊富な現場監督は、各住宅メーカーや現場で取り合いという状況です。

最近では、1人で同時に20現場以上の現場を担当している、なんていうケースも・・・。

単純に考えて1日2現場回れたとしても、全部回るのに10日以上かかる計算です。

休みや事務作業(現場監督の事務作業は本当に膨大です・・・)も考えると、3週間〜1ヶ月に1回回れるかどうかかもしれません。

どこかの現場でトラブルが発生すれば、他の現場は後回し、下請け業者に丸投げ、なんてことも発生してきています。

できれば、担当の現場監督さんが何現場担当しているのか、聞いておいた方が良いでしょう。

工事中のチェックは、第三者に頼むのも手

現場監督が来れないならご自身でチェックするのもひとつの手ですが、毎日現場に行けるわけでもなく、チェックポイントを見極めるのもなかなか難しいでしょう。

その際は、第三者のプロ、ホームインスペクター(住宅診断士)に任せればもっと安心です。もし現場監督が多忙すぎて不具合を見逃したり、チェックに行けなくても、第三者のプロがしっかりチェックをしてくれます。

どんなことをチェックするのか、気になったらお気軽にお問い合わせください。