戸建の断熱に予算をかけるメリットとコスト削減できる理由

  • Update: 2019-07-15
戸建の断熱に予算をかけるメリットとコスト削減できる理由

新築・中古にかかわらず、戸建住宅を購入する際に重視したいのが断熱材です。断熱に予算をかけておくと、たとえ初期費用がかかっても長期的に見ればあらゆる面でランニングコストを抑えられるのです。断熱に予算をかけるメリットについて、具体的に見ていきましょう。

断熱性能を上げると夏涼しく、冬暖かい

コスト削減ポイント1 : 光熱費が節約できる

断熱は文字通り「熱を断つ」ため、冬の寒さ対策だけでなく、夏には外の暑い空気が家の中に流入するのを防いでくれます。熱を逃がさない構造は、冷暖房の効率アップにもメリットを発揮します。
気密性が高い家は室内で作られた冷たい空気・暖かい空気の流出を防ぐのはもちろん、冷暖房の立ち上がりも早く、その後の設定温度も夏は高め、冬は低めで効率よく温度調整をしてくれます。

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断熱で住宅自体が長持ちする?

コスト削減ポイント2 : 建物の修繕費用を減らせる

日本の戸建てに多い木造住宅のデメリットは、腐朽して寿命が縮まりやすいこと。「木が腐る」主な原因は、冷暖房で生じる室内と室外の温度差による結露。壁の中に結露が発生すれば内部にカビが生え、構造体である木材を傷めてしまうのです。
高断熱の家にすることは家の中の温度差を無くし、住宅を長持ちさせることにつながります。

断熱性を高めると健康対策にも

コスト削減ポイント3 : 医療費や老後のリフォーム費用を抑える

「冷えは万病のもと」とも言われますが、高断熱の家で体質が改善されたという声は少なくありません。しもやけをはじめとした冷え性はもちろん、風邪対策、婦人科系の体調不良に悩んでいる方にもおすすめです。

また、老後の健康にも断熱は重要な役割を担います。日本の高齢者の死因の代表的なもののひとつに、「ヒートショック」が挙げられます。暖かい場所から寒い場所に移動した際、身体に急激な負担がかかり心筋梗塞や脳梗塞を引き起こすというヒートショックは、部屋による温度差の少ない高断熱仕様にしておくことで、未然に防ぐことができるのです。

ホームインスペクション(住宅診断)と断熱材

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断熱に予算をかけることのメリットは前述の通りですが、高い断熱効果を発揮するのは、断熱材が適切に施工されている状態であってこそ。住宅購入時またはリフォーム前のセルフチェックを行うことをおすすめします。
具体的な診断方法について、ご紹介していきます。

・断熱方法を知る

その住宅が採用している断熱工法により、チェックポイントも変わってきます。可能な限り工法を調べてから診断するとスムーズです。

【外断熱工法】

比較的新しい断熱工法で、柱の外側と外壁の間にボードタイプの断熱材を入れ、建物全体を断熱材でラッピングするように施工します。全体を覆うので気密性が非常に高く、屋外の湿気や建物の結露対策に有効です。また、柱の外側を覆うことから、構造体を保護できると見ることもできます。

【内断熱工法】

昔ながらの断熱工法で、柱と柱の間、床下や屋根裏の木材間にクッション性のある断熱材を充填します。断熱材の使用箇所や使用量を調整できるため、建物全体を覆う外断熱工法に比べ費用が抑えられる点も支持されています。

・断熱材チェック

断熱材の入っている箇所の見当をつけたら、いよいよセルフチェックです。チェックすべき項目をご紹介します。
なお、断熱材が施工されている箇所は目視が難しい場所や狭い空間であることが多く、チェックすることに危険が伴う場合も。セルフチェックが難しい場合には無理をせず、住宅診断に精通した中立な専門家に依頼するようにしてください。

【外壁内】

建設中やリノベーション中の戸建であれば、外部に接する壁のすべてにすき間なく施工されているかを確認します。上が外部になっている1階の天井上も忘れずにチェックしたいポイントです。壁の内装下地を張ってしまってからでは見られないので、事前に施工会社に検査タイミングを確認しましょう。
工事が終わり、外装材・内装材でおおわれてしまうと確認が難しい箇所ですが、天井点検口から屋根裏を覗くと一部確認できる場合があります。

【床下】

高さが30~40cm程度しかなく、非常に狭い通路を這うことになる床下は、一般の方が潜って全てをチェックするのは難しくリスクもあります。セルフチェックの場合、わずかな場所しか見られませんが、床下点検口から懐中電灯を照らして覗き、チェックします。全体的に適切に施工できているかチェックしたい場合は専門家によるホームインスペクション(住宅診断)を利用しましょう。
なお、建設中やスケルトンに近いレベルまで解体して行うリノベーション工事中の戸建であれば、床材の施工中などに確認可能です。床材の裏面に留めつけてあるはずの断熱材が落ちていないか、目視で確認してみましょう。

【屋根裏(小屋裏)】

天井点検口から、または、見当たらない場合は押入れの天井材を押しのけたところから、屋根裏(小屋裏)を見ることができます。内部に入ってしまうと天井を踏み抜いて(突き破って)転落する可能性があり非常に危険なため、内部まで上がらず、天井上から頭だけ覗かせるようにしてください。断熱材がすき間・抜けなく敷き詰められているかを確認します。奥のほうまできちんと施工されているか見る場合は、専門家にホームインスペクション(住宅診断)を依頼します。

【断熱材の劣化】

適切な箇所に断熱材が施工されていても、材料が劣化していては十分な効果は発揮されません。黒ずんでいたり濡れているように見受けられたりした場合には、専門家に相談することをおすすめします。

適切な断熱仕様で施工された住宅のメリットと、自分でできるチェック方法についてご紹介しました。長期的に見れば予算をかけるだけの価値がある断熱材。住宅購入の際のチェック項目に加えてみてはいかがでしょうか。