ハザードマップで水害や地震など災害リスクを確認する方法

  • Update: 2019-11-21
ハザードマップで水害や地震など災害リスクを確認する方法

台風とそれに伴う水害や、地震対策。建物が受ける被害も甚大なものだけに、これから中古住宅の購入を検討する際にも、建物自体が水害に遭い傷んでいないか、また水害を始めとした災害対策が施されているかどうか、プロの手を借りて事前にチェックすることをおすすめします。
そして大前提として、買おうとしている中古住宅そのものが水害や地震に強い地域に建っているのかという確認が、何より有効な災害対策なのではないでしょうか?
そこで今回は、災害時のリスクを確認できるハザードマップを住宅購入前のチェックに役立てる方法をご紹介致します。

ハザードマップとは?

ハザードマップとは、地震や台風を含めた自然災害による被害の大きさや範囲を予測した地図全般を指します。避難経路や避難所を始めとした、災害の際に重要となる情報が地図上に網羅されており、国土交通省ポータルサイトで確認可能です。敷地の候補地が都道府県をまたいで複数ある場合でも、こちらのポータルサイトで一元的に管理されているため比較もスムーズもできますね。
ちなみにハザードマップは国土交通省による広域表示の「重ねるハザードマップ」と各地方自治体による詳細表示の「わがまちハザードマップ」に分かれ、さらに自然災害の種類に応じていくつかの種類に枝分かれしています。
ハザードマップの種類を見ていきましょう。

洪水ハザードマップ

河川氾濫により浸水が想定される区域などが表示されます。浸水の深さごとに地図が色分けされて表示されます。洪水には2種類あり、河川の氾濫や高潮による堤防決壊が原因の「外水氾濫」とゲリラ豪雨等による市街地や地下街の冠水が原因の「内水氾濫」とに大別されます。洪水ハザードマップの色分けにより「見える化」されることで、どちらのタイプの洪水が起きやすいか、または両方が併発しやすいのかをチェックすることができるのです。

土砂災害ハザードマップ

ここで言う土砂災害とは「土石流危険渓流」「急傾斜地崩壊(がけ崩れ)危険箇所」「地すべり危険箇所」の総称で、土砂災害ハザードマップではこれらの3つについてリスクのある箇所が色付け表示されます。

例えば東京都内を例にとると、「土石流危険渓流」が703渓流、「急傾斜地崩壊(がけ崩れ)危険箇所」が2,972箇所、「地すべり危険箇所」が43箇所となっており、特に崖くずれには注意や対策が必要であることがわかります。

津波ハザードマップ

津波により浸水が予測される区域と、その推定水深が色分けして表示されます。

道路防災情報

洪水・津波や大雨の際の道路の浸水や冠水、土砂災害による落石や道路分断などにより、通行止めなど何らかの規制がかかる恐れがある道路を表示します。

市区町村ごとの「わがまちハザードマップ」

「わがまちハザードマップ」の内容は各地方自治体により異なりますし、自治体によっては作成していないところもあります。作成されている場合の内容は、国土交通省の「洪水ハザードマップ」「土砂災害ハザードマップ」「津波ハザードマップ」をそれぞれ詳細の地域情報に落とし込み、避難経路や避難場所まで表記されているケースが主流です。

また、それらに加え「火山ハザードマップ」や地震時の揺れやすさを予測し表示している「震度被害マップ」、さらに地震時の液状化現象のリスクが可視化された「地盤被害マップ」などが公開されているケースが多いでしょう。

重ねるハザードマップとわがまちハザードマップで総合判断

広域の被害がわかる「重ねるハザードマップ」

国土交通省による「重ねるハザードマップ」は洪水や土砂災害、津波といった被害は大抵複合的に起こることから、ポータルサイト上でも「洪水」「土砂災害」「津波」それぞれのハザードマップは重ねて表示することができるようになっています。

ひとつの地図上で自由に項目を組み合わせて表示できるため、外出先の大雨・台風対策なら「洪水」「土砂災害」を調べるなど日常レベルでの使用も可能です。

「重ねる」機能により、都道府県や市区町村の境を越えて、必要な時に、必要な場所の必要な情報を確認できるのが「重ねるハザードマップ」の最大のメリットと言えます。

購入予定の敷地の候補が複数あり地域をまたぐ場合でも、「重ねるハザードマップ」を活用すれば同一条件で比較できるのです。

特定エリアのローカル情報なら「わがまちハザードマップ」

「重ねるハザードマップ」で広域の災害リスクを調べたら、今度は具体的な対策にまで掘り下げて調査する必要が出てきます。

地方自治体による「わがまちハザードマップ」の地域に密着した情報を上手に活用して、候補地の地盤の強さや地震時の揺れやすさ、道路冠水リスクなどに加え、災害時の避難経路や避難場所との関係も調べておくことをおすすめします。

特に避難情報については、近くの避難所に行かれない場合の第2候補の避難所があるかなど、いざとなってからではすぐに調べにくいものも少なくありません。住んでからも孤立しにくい立地も、購入条件のひとつになるのではないでしょうか。

ハザードマップを土地選びに活用する方法

地震より確立の高い水害・土砂災害

従来はハザードマップと言うと、大地震などの稀に起こる非常時に備えるイメージを持たれがちでした。しかし最近では大雨や台風による大規模な被害が全国的に続き、水害・土砂災害のリスク対策を日常的に講じる必要性を感じている方も多いのではないでしょうか?

マイホーム選びは、なるべく災害に強い土地を選ぶことから始めていただきたいと思います。

地形・地名と照らし合わせ地盤を見る

「重ねるハザードマップ」、「わがまちハザードマップ」で複合的に災害リスクを調べたら、先人の知恵が現れている「地名」も、災害リスクの参考にしたい情報となります。

例えば「池」や「沼」が地名についている場合は、地盤が弱かったことが予測されます。こうした地名や古地図による以前の土地の地形や用途も、ぜひ調べたいところです。

これはマイホーム候補地の歴史を知ることにもつながりますので、嬉しい発見があるかもしれません。

災害リスクも含めた専門家のアドバイスも参考に

災害リスクへの関心が高まった昨今、ハザードマップや古地図での調査や土地の歴史をふまえ、地盤も含めて住宅購入を検討することも一般的になるでしょう。
これから建てるマイホームをどうすれば地震から守ることができるか…建物の専門家であるホームインスペクターがアドバイス・サポートする災害リスクカルテなどを活用することもおすすめです。

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 さくら事務所の災害リスクカルテ(電話相談つき)は、知りたい場所の自然災害リスク(台風・大雨、地震etc)を地盤災害の専門家がピンポイントで診断、ハザードマップがない土地でも、1軒1軒の住所災害リスクを個別に診断します。液状化リスクの可能性も、地形情報やハザードマップ(場合により近隣地盤データ等)から判断、建物の専門家がそれぞれの災害による被害予測も行い、自宅外への避難の必要があるかどうかなどをレポートにします。

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 災害リスクカルテは、過去345件超の物件で発行しています。それらの傾向から、約47.3%の物件で何らかの災害リスクが「高い」という結果となり、液状化では36.3%と1/3以上の物件で「液状化リスクがあるという結果が得られています。

 災害リスクとその備え方は、立地だけでなく建物の構造にもよります。戸建て住宅でも平屋なのか、2階建てなのか、また地震による倒壊リスクは築年数によっても大きく変わってきます。

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 既にお住まいになっているご自宅や実家のほか、購入や賃貸を考えている物件、投資物件の災害リスクや防災対策が気になる方におススメです。特に、ホームインスペクションを実施する際には、併せて災害への備えも確認しておくとよいでしょう。災害リスクカルテの提出はご依頼から概ね3日で発行が可能です(位置の特定・ご依頼の後)。不動産の契約前や、住宅のホームインスペクションと同じタイミングなど、お急ぎの方はまずは一度お問合せください。