新築(建売・注文住宅)なのに欠陥だらけ…?欠陥事例と欠陥を発見した際の対処方法について徹底解説

  • Update: 2023-06-08
新築(建売・注文住宅)なのに欠陥だらけ…?欠陥事例と欠陥を発見した際の対処方法について徹底解説

この記事はプロのホームインスペクターが監修しています

転勤や入学など、新年度に変わるこの時期は転居をされる方が多いかと思います。

引っ越しや移転手続きなどで生活が落ち着かない方も多い中、せっかくの新築のはずなのに不具合が発見された…というケースは珍しくありません。

今回は、新築の建物でよく発見される住まいの不具合例と、事前に知っておくべき保証内容について、さくら事務所のホームインスペクター(住宅診断士)が解説いたします。もし知らない場合、金銭面でかなりの損をする可能性もあるため、チェックをお見逃しなく!

新築一戸建て引き渡し前チェック(内覧会立会い・同行)

新築住宅でよくみられる不具合とは?

新築住宅をつくる不動産会社や施工会社は通常、責任をもって引き渡し前に検査を行い、施工不良が見つかれば直したうえで引き渡しを行います。

ただし、検査の程度は会社によりばらつきがあり、また不動産会社や施工会社による完成前の検査は「人が住んでいる状態」で行うわけではないため、必ずしもすべての不具合を洗い出せているわけではありません。ここでは新築で良くみられる不具合についてご紹介いたします

①フローリングの「床鳴り」

フローリングの床鳴り

床のフローリングは、木質系の素材を貼り合わせて作られているため、人が歩くたびに、それぞれの部材が擦れあっているような状態や固定不良によりフローリングに浮きが発生している状態で床鳴りが発生しやすいです。中にはフローリング自体ではなく、床を支える束(つか)と呼ばれる部材の固定不良で床なりが発生しているケースも見られます。

ただし施工不良による原因以外に季節や生活に伴う温度・湿度の変化による木の膨張・収縮によって発生するケースもあり、一概に欠陥とは言えません。

とはいえ、季節・温度が原因の床鳴りは天気や季節の変化でおさまるため、絶えず床鳴りが発生している箇所は施工不良を疑っても良いでしょう。

②特に注意したい「水漏れ」

一戸建て床下水漏れ

水まわりは、住み始めてからの変化が非常に起こりやすい場所です。

新居に住まい手が住み始め、シャワーや浴槽の水を大量に流し、トイレを1日何度も流し、洗濯機を使用しているうちに、床下に多量の水が溜まっていたという事故が起きることもあります。床鳴りのように普通に歩行すればわかるようなものに比べ、水まわりは意図的に検査しようとしない限り不具合に気づけません。

また、まだまだ雑な工事が多い建設現場が多いのも事実です。工事中・完成時の通水検査をろくに行っていなかったというケースも見られるため、水まわりの不具合が潜んでいる可能性はどの建物にもあると言っていいでしょう。

なお、床下の水漏れだけでなく、キッチンシンク下や洗面台下の配管といった床上の水漏れにも注意が必要です。しっかり完成前の検査を行っている会社でも、生活を始めたあとに流す水の量には及ばない程度しか水を流していないことがその理由です。

③窓やドアといった建具にも注意

建具のがたつき

床鳴りや水漏れ以外にも、窓やドアといった建具も、雑に扱ったつもりがないのに、動かしているうちに不調をきたすことはあります。住み始めてからの使用頻度は検査時の動作確認の比ではないため、新居に住み始めたらこまめに気になるところがないかチェックしておくことが大切です。

必ずしも初期不良が起きる家ばかりではありませんが、住み始めたら、できるだけこまめに床上の配管を触ったり、床下点検口を開けたりして点検することをおすすめします。

また、建具類の動きの悪さや異音なども修繕対象になることがあるため、気になったものは記録しておくことをお勧めします。

④生活に支障を来たす「雨漏り」

雨漏りは建物の防水処理に関する不具合が原因で発生するケースが多く見られます。そして防水処理の施工は正しい知識とチェックが求められ、新築においても不具合が発生しやすいポイントです。

さくら事務所が第三者として2019年〜2022年の4年間にわたり防水検査を実施した際、不具合の発生率は75%を超えていました。

防水に関する不具合があると気づかないところで雨漏りが発生し、壁の中や天井裏で密かに劣化が進行していきます。劣化が進行すると構造体の腐朽や壁内にカビが発生することにより、耐久性が損なわれたり、日常生活に支障をきたしたりする恐れもあるでしょう。

加えて雨漏りの進行具合によっては、修繕費用も高額になるケースもあるので注意が必要です。

欠陥が見つかった際の対処方法

ここまで解説してきたように新築だとしても欠陥が見つかる可能性は十分考えられます。ひょっとするとあなたのマイホームでも見つかるかもしれません。

実際に欠陥が見つかった際、どのように対処するべきなのか理解している方はおそらく少ないでしょう。

そこで欠陥が見つかった際の対処方法をご紹介します。

具体的な対処方法は以下のとおりです。

  • 住宅診断(ホームインスペクション)の依頼
  • アフターサービスの内容を確認
  • 品確法の瑕疵担保責任による責任追及

それぞれついて詳しく解説します。

住宅診断(ホームインスペクション)の依頼

自分では気付いていない欠陥がないか心配な方や、目に見える欠陥が既に見つかった場合などは、住宅診断(ホームインスペクション)を実施しましょう。理由は小屋裏の雨漏りや床下の水漏れなど、生活する上では気づかないような欠陥や不具合が潜んでいる恐れがあるためです。

欠陥や不具合を見つけるたびに施工会社に依頼していると、日程調整や打ち合わせの実施などで対応が長引き、補修のために多くの時間を使うことになります。日常生活にも影響がおよび、人によってはストレスを感じてしまうこともあるでしょう。

欠陥や不具合を適切に解消するためには、現地確認や打ち合わせなどを行わなければならないため、相応の時間が必要です。しかし欠陥や不具合を早期に解決して快適に暮らしたいと考える人は多いでしょう。

すでに引渡しを受けて住み始めているのであれば、ストレスを最小限に抑えるためにも、ホームインスペクションで欠陥が発生している箇所を洗い出し、一気に修繕を依頼する方が賢明です。もちろん実際に欠陥を発見していなくても、心配に感じているならばホームインスペクションの実施をおすすめします。実施して問題がないことを確認すれば、心配事が無くなり、清々しい気持ちで暮らせるためです。

とはいえホームインスペクションはどのような調査内容で、どのくらいの費用がかかるのかを具体的に知りたい方が多いのではないでしょうか。

そこで続いては、さくら事務所が提供しているサービスを元に調査内容と費用相場を見てみましょう。

さくら事務所が実施しているホームインスペクションの費用相場と調査内容は以下の通りです。

コース

費用(円)

税抜

写真付き
詳細報告書

床下
詳細調査

屋根裏
詳細調査

指摘事項の
再確認

災害リスク
カルテ

基本コース

60,000

シルバーコース

100,000

ゴールドコース

120,000

プラチナコース

159,000

表から読み取れる通り調査内容によりますが、調査1回あたり6〜16万円(税抜)が相場です。

アフターサービスの内容を確認

欠陥箇所が明らかになったら、施工会社から提供されているアフターサービス内容を確認しましょう。見つかった欠陥がアフターサービスの内容に該当しているかどうか確認します。

ハウスメーカーや工務店が提供しているアフターサービスは基本的に民法や品確法などの法律で定められた「契約不適合責任(瑕疵担保責任)」を元に作成されています。契約不適合責任(瑕疵担保責任)とは買主を保護するための制度で、欠陥(瑕疵)が発覚した住宅を販売した事業者に対して責任追及が可能です。

責任の対象は雨水の浸入を防止する部分・構造耐力上主要な部分とそれ以外に分かれ、一般的にはそれぞれ下記の期間に設定されています。

  • 雨水の浸入を防止する部分、構造耐力上主要な部分:引き渡しから10年
  • それ以外:引き渡しから2年

アフターサービスの内容が上記を最低限守られているかも合わせて確認しましょう。守られていない場合はアフターサービスの内容は無効となり、契約不適合責任通りの内容で責任追及ができます。

売主へ修繕の依頼

アフターサービスの内容を確認したら次は実際に売主へ修繕を依頼しましょう。

依頼後は担当者の動きをしっかりチェックしてください。担当者の中には対応している案件が多いなどの理由で、回答まで時間がかかったり、連絡が来なかったりなどのトラブルに遭遇する恐れがあります。

上記の様なトラブルを避けるために、しっかりと期限を切って対応するようお願いし、担当者の動きをチェックしましょう。

また売主へ修繕依頼を行うタイミングで、専門家に頼るのがオススメです。なぜなら売主から提示された補修方法が適切かどうかを判断でき、修繕後の更なる欠陥の発生リスクが抑えられるためです。相談できる専門家がいれば積極的に頼りましょう。

契約不適合責任(瑕疵担保責任)による責任追及

場合によっては売主から修繕を断られたり、倒産して連絡がつかないなどのケースも考えられるでしょう。その際も心配は無用です。

修繕を拒否または、修繕を行えない理由がある場合は、先に紹介したように品確法の「瑕疵担保責任」に基づき、責任の追及が行えます。責任追及の方法は以下の4つ存在します。

責任追及方法

概要

履行の追完請求

欠陥箇所の修繕を請求できる

代金減額請求

欠陥の修繕を拒否された・修繕不可能な場合、欠陥内容相当の代金減額の請求ができる

損害賠償請求

欠陥によって与えられた損害に対して賠償請求ができる

契約の解除

欠陥の修繕を拒否された・修繕不可能な場合、かつ重度な欠陥の場合は請負契約や売買契約の解除・代金返還の請求ができる

欠陥だらけの新築住宅だった…そんな時はさくら事務所へ住宅診断のご相談を!

中古住宅の購入の際は、ホームインスペクションのご検討を!

私達さくら事務所が提供している新築工事中ホームインスペクション(第三者検査)サービスでは、建物に精通したホームインスペクター(住宅診断士)が工事段階から複数回の検査を行いますが、20192020年にかけて、大手ハウスメーカーや地元の工務店まで幅広く集計・分析した結果、おおよそ8割近くで不具合が発生していることがわかっております。

また、住宅完成後の内覧会同行(引渡し前チェック)サービスでも、給水管水漏れによる床下の水たまりや、換気扇ダクトの付け忘れ、断熱材の外れなど、新築でも施工不良は多く見られるなど、おそらく多くの人が新築に抱くイメージとは大きくかけ離れた施工状況だと予想されます。

ホームインスペクションとは、雨漏りやシロアリ被害、建物の傾きなどの劣化状況や、新築時の施工不良などについて、建物に精通した専門家のホームインスペクターが診断するサービスです。改修すべき箇所やその時期、おおよその費用などの改修アドバイスまでサービスに含まれ、物件価格の約0.2%の費用追加でリスクヘッジができるため、ご利用の検討を強くおすすめしております。

業界No.1!経験年数20年以上のプロ集団が提供

さくら事務所は、国内におけるホームインスペクション普及のパイオニア的存在であり、これまでご依頼実績は業界No.1(累計65,000件超)、満足度98%(Google口コミ☆4.8)と非常に有り難い評価をいただいております。

弊社理念の核でもある「第三者性・中立性」を保持しながら、建築・不動産・防災・マンション管理など、あらゆる難関資格を持つメンバーが連携、サービスご利用後にもあらゆる住まいのご相談に対応するための「永年アフターフォローサービス」もご用意これから暮らす住まいの安心に加え、心強い建築士と末永いお付き合いをいただける内容となっております。

ご依頼から概ね3日~1週間以内での調査実施が可能です。お急ぎの方は、まずはお問合せください!


ホームインスペクター 豊泉 元
監修者

さくら事務所 プロホームインスペクター
さくら事務所 住宅診断プランナー

豊泉 元

大学工学部卒業後、建設会社に入社。ものづくりを現場で経験するため、住宅の基礎やマンション躯体の施工業務に職人(多能工)として従事。その後、大手リフォーム会社の現場管理者として、既存住宅及びマンションの改修工事に携わる