「やったつもり」の地震対策に要注意

  • Update: 2022-03-17
「やったつもり」の地震対策に要注意

3月16日水曜日の深夜、東北を中心として、久しぶりに首都圏も大きく揺れる地震が発生しました。
命を落とされた方もおられるとのことで、心よりご冥福をお祈りいたします。また、ケガや家屋、家財の被害に遭われた方々が元の生活を取り戻せることを願うばかりです。

現在(17日13時時点)報道されている情報では、家屋や家財の被害で直接命を失われた方はいないようですが、過去の阪神大震災や東日本大震災では、家具による圧死や、受傷が多く見られました。首都圏直下型地震や南海トラフ地震もいつ発生してもおかしくない現状、身近な住まいの中にある「凶器」=家具や家電の固定方法を、今一度見直してみませんか?

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背の低い家具も転倒防止対策を

背が高い家具は天井に突っ張り棒を取り付けるなどされている方も多いでしょう。家具で頭や体を挟まれたり打ったりして命を落とすのを防ぐには、不可欠な対策。

一方で、「低い家具はいいよね」と固定していない方、いませんか?

特に本や食器など、重いものを入れている家具は、腰の高さであっても転倒・移動の対策を行っておいたほうがいいです。震度5強や6を超えた過去の大地震では、家具や家電製品が「軽々と動きまわっていた」という話をよく聞きました。背が低くても本棚などが倒れて足にぶつかれば、骨折する可能性が十分に考えられます。平常時にできれば固定しておきたいものです。

なお、背が低い家具だと天井との間に突っ張り棒が入れられません。そうすると、壁や床に固定することになるのですが、この固定の注意点を次でご紹介します。

石膏ボードの壁には、釘・ネジで固定できない

本棚などの家具を買うと、転倒防止用のL字の金具&ねじが同梱されていることがありますが、こちら、壁に取り付けても、地震の揺れの影響ですぐ外れる可能性があります。L字金具での固定を考えるときは、必ず留めたい壁の壁紙の下に「木製などの下地材」が入っているかどうかの確認をする必要があります。なぜかといえば、通常、壁紙の下にある「石膏ボード」は、点の力に弱く、石膏が崩れて固定できないからです。

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石膏は「面」で使う分には非常に固くて壁として良い役割を果たすのですが、半面、「点」で傷がつくと、ボロボロと石膏が崩れてくるもの。壁に画びょうを刺しておいたらだんだん抜けてきた・・・という経験がある方もいると思いますが、これは、石膏が徐々に崩れて穴が大きくなってしまってるのです。(画びょうが抜けてしまうだけで、そこから壁が割れたり壊れたりということはないのでご心配なく)

我が家はマンションですが、下地に木材が入っている場所は「エアコン設置位置」だけなので、ネジを使った転倒防止金具は使っておらず、壁や床に取り付けられる「耐震ジェルシート」の製品を利用しています。こちら、白いL字金具の裏側に耐震ジェルがついている商品でした。壁と家具に「むにゅーーー」っとくっつけて、固定していました。

取り付けるものは「家具」だけじゃない!

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耐震ジェルマットはいろんなところに取り付けられるので、金具よりも気軽に設置できます。

その気軽さを利用してぜひ転倒・落下防止してほしいのが「家電製品」です。家電製品=テレビかな?と思いがちですが、重い家電の代表といえば「洗濯機」「電子レンジ」「冷蔵庫」「テレビ」です。このうち、洗濯機はバランス的に「転倒」はしづらいと思われますが(無いとは言えません)、「電子レンジ」と「冷蔵庫」「テレビ」は要注意です。

電子レンジやテレビなどは、震度6くらいになると「飛びます」。

実際、阪神大震災、東日本大震災で、揺れが収まったあと、電子レンジやテレビなどが驚くほど遠い位置に落ちていたという話をいくつも聞きました。製品にもよりますが、電子レンジは10kg前後の重さがあり、床に置いている方は少ないというのが特徴です。腰より上の高さに設置している方が多いでしょうから、いざ調理中に激震にさらされると電子レンジがぶつかって受傷する可能性が高まります。

耐震ジェルなどで壁に固定する製品や、家具に固定する製品などいくつかパターンがあります。家具に固定する場合は、その家具の転倒防止もお忘れなく!

次に、冷蔵庫も固定しておきたいものです。大きさにもよりますが、小さいものでも20kg以上、ファミリー用サイズだと30kgを超えます。中身を入れておくとさらに重量が増しますので、これが揺れとともに傾いてきたら・・・恐怖ですからね。

そのほかにも、家庭用のプリンターなんかも重量物ですね。
ただ、家の中でたまに場所を移動することがあると、固定しづらいでしょう。そういう場合は、日常の置き場所をできるだけ「足元」にしておくのがベストです。

テレビは製品に合った転倒防止グッズを

この20年くらいでテレビの形状は大きく変わっています。昔は「重い台(脚)」がついた製品が多く、テレビ台と脚の間に耐震ジェルマットなど敷いていました。

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対して、最近の製品は脚を重くするのではなく、細い脚を2つつけてバランスで倒れないようにしているモノが多い印象です。

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こうなると、耐震ジェルマットが敷けない・・・

対策としては2つ。
ひとつは「壁」に固定する方法。

もうひとつは「テレビ台」に固定する方法。
今はこちらの方が主流かもしれません。

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テレビが壊れる被害も防ぎたいですが、これもまた脚や体、頭に当たれば大けがする可能性があるので、「テレビのブランド名+転倒防止グッズ」などで商品を検索し、必ず対処しておきたいですね。

突っ張り棒使用中の方、今一度チェックしてください!

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「家具の地震対策といえば突っ張り棒」と言っても違和感ないほど、たくさんの方が使っていると思いますが、あらためて、チェックしてほしいことがあります。

突っ張り棒、ちゃんと、天井に突っ張ってますか?

経年するごとに、家具や中に入っているものの重量の影響で床材がたわみ(へこみ)、家具が下がることで天井との空間が大きくなることがあります。設置したときはしっかり天井に突っ張ってくれていたのが、久しぶりに触ると「あれ、突っ張り棒、動いちゃう!」ということがあるのです。

見た目には天井にくっついて見えても、触って少しでも動いてしまうなら、大きな揺れの時、おそらく突っ張ってくれません。
もし手で触って動いてしまうようなら、今一度調整し、天井に突っ張らせましょう。

建物自体が安全であることを前提にした記事ですので、家具・家電の対策を行うとともに、住まいの耐震性や安全性も確認しておきましょう。さくら事務所で提供している災害リスクカルテでは、住宅の専門家により建物の建築年数や耐震等級からみた家屋の耐震性を評価します。これらの評価を総合して、建物倒壊・損傷の被害予想を示し、その他の災害リスクを合わせて、個々の住宅ごとの評価と必要な対策や備えについて災害と建物のプロがアドバイス致します。屋内での対策と共に建物自体の対策もしたいという方はぜひご検討ください。