屋上は危険なので立ち入らないのが基本
「ルーフバルコニーの手すり外側(屋根)」や「 屋上 」は、住民の立ち入りを制限しているマンションが多く見られます。
屋根・屋上は、不審者の立ち入り以上に、小学生~高校生くらいのお子さんがイタズラで入って転落してしまう事故が最も怖い。
そのため、立ち入りを制限しているマンションでは、格子柵などで共用廊下と区切り、点検や修繕のときだけ管理会社が出入りできるよう、一部分に鍵付きの「管理用扉」を設けています。
柵は、容易に乗り越えられないようになっているのでしょうか?
この写真は、ルーフバルコニー周りの屋根に出る、管理用扉の例です。
柵の一番上は床面からは180センチ程度の高さで、一見すると大人でも容易には出られないように見えます。
しかし、よく見てみると、中高生くらいなら容易に出られてしまう状態です。
これは、扉の下を撮った写真です。格子柵と扉の下に、コンクリートの立ち上がりがあります。
このコンクリートの高さ・形状に注目しましょう。床面から50センチ程度で、つま先を乗せられる形状になっています。
全体を見ると、このようになっています。
コンクリートに足をかけ、次にロックされたドアのレバーに足をかければ、脚立も何もなく、簡単に乗り越えられてしまいます。
一見、180センチ程度の高さの柵によって対策できているように見えますが、イタズラで乗り越えようとする人には、簡単に見破られてしまいます。
安全管理は、原則として管理組合の責任
こういった柵外の管理用スペースに入ろうと試みる人の中に、居住者の中高生のお子さんがしばしば見られます。人が来ない、景色がいい、という理由から、お友達と盛り上がって入ってみた・・・というケースです。
不審者も立ち入らせたくないですが、お子さまが転落してしまう事故と考えると、やはり容易に立入れないよう工夫するべきです。
多くのマンションは、分譲時に売主がこういった立ち入り防止対策を施しているはずです。売主の対策が甘く、容易に人が乗り越えてしまうケースもありますから、築後1年、2年の間に何度も何度も人が立ち入った形跡があるときは、管理組合から改善を求めます。
引き渡し後何年も経ってから気付いた場合などは、それまで何も起きていなかった以上、「十分に対策できている」と売主に改善要求を断られることが考えられます。その場合は、管理組合の費用で対策工事を行うかどうか検討しましょう。
誰が費用を負担するかにかかわらず、管理組合は自分たちのマンションで事故が起きないように、対処する責任があります。しかし、専門的な目を持たない住民が危険に気付くのは難しいかもしれません。
気になるときは、一度、管理会社や第三者の調査機関などに、危険な場所がないか点検・アドバイスをお願いしてみましょう!