マンションの施工不良であらわれる症状はココをチェック!

  • Update: 2015-11-05
マンションの施工不良であらわれる症状はココをチェック!
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さくら事務所 編集部

マンションは購入前・後に関わらず、地中にある杭や構造部分の施工状態をチェックすることは難しいのが現状です。

しかし、隠れている構造部分の施工不良は建物が建ってからしばらくすると、目に見える症状として表れてくるケースも。マンションに長く快適に住まうために、そういった症状の確認と合わせて定期的にチェックしておきたいポイントがあります。

そこで、ホームインスペクター(住宅診断士)が「自宅マンションのチェックポイント」を下記の通りまとめました。管理組合が管理する共用部分で見つかる症状と、個人の資産である専有部分で見つかる症状について、それぞれ事例を交えてチェックポイントを解説します。

施工不良で起こる共用部分の不具合

l 住民が見られない地下に構造躯体の大きな欠陥が残されたまま ⇒ 耐震性に影響

マンション地下ピット水溜り

l 柱や梁といった重要部材に亀裂が多数発生する ⇒ 耐震性や耐久性に影響

マンション駐車場天井のひび割れ

l 複数個所で雨漏りが何度も発生する ⇒ カビによる健康被害

マンションバルコニードレインの漏水

l 外壁タイルが剥落する ⇒ 怪我や人命のリスク、物の破損

マンションの外壁タイルが剥落

l 床とコンクリートがたわむ ⇒ 耐震性に影響

上記は、建物が建ち、ある程度時間が経つと表れる症状事例。そのため内覧会時に住戸内にしか入れない新築マンション購入検討者が新築マンションの引渡し前に気付くことはできないでしょう。

【入居後、早く症状に気づくためのポイント】

  • 毎日通る共用廊下やバルコニーなどの床や壁・天井などのコンクリート部分を観察。ひび割れや欠損などの気になる症状が見つかったら管理組合に調査の必要性を相談
  • ア フターサービス保証のある2年目までに、管理組合が自主的に第三者性を持つ外部機関に調査を委託する。費用は目視中心の一次診断であれば、1住戸あたり1 万円~数万円程度。まずは健康診断的に表面上でおかしなものがないかを調べ、出てきた不具合に応じて追加の詳細調査を行うかどうかを決めていく
  • 専 門家に調査を依頼した場合には、普段住民の目に触れることのない、地下を確認してもらうとよいでしょう。外壁は普段タイルなどで覆われており、ひび割れに 気づきづらいことも。地点検が行き届いていないことも多く、コア抜き(鉄筋が切られている)やコンクリートのかぶり厚さ不足(コンクリートの厚さが足りな い)など、大きな施工不良が眠っていることも。

専有部分で発生する不具合

l 給排水管からの水漏れ ⇒ カビによる健康被害

マンション 給排水管からの水漏れ

l 換気扇配管(ダクト)の接続不備 ⇒ カビによる健康被害

中古マンション ダクトの接続不備

点検口を開け、デジカメや脚立などを使い自分でチェックしてみるとよいでしょう。漏水の場合はそのまま気づかずに不具合を放置してしまうと健康被害のほか、下の階に漏水してしまう可能性もあります。

室 内での床や壁の傾きは、建物全体の傾きとは関係なく施工精度の問題で内装部分のみに起きている可能性も。何か症状も発見しても慌てずに、一住戸のみで起 こっている不具合なのか、それとも複数住戸で発生している不具合なのか、情報を共有し、まずは販売主に問い合せてみましょう。

回答や対応に疑問が残る場合は、第三者の専門家チェックを依頼するといったことを検討するようにしましょう。