多くの新築物件では、引渡し後に定期点検のアフターサービスがついてきます。
売主や施工会社が購入者に、修理やメンテナンスを一定期間行うサービスで、構造耐力上主要な部分(柱、梁、壁、屋根など)と雨水の浸入に関わる部分(防水など)については10年、水回り給排水管設備などについては5年、その他は2年というのが一般的ですが、原則無償で対応してもらえます。
ぜひ活用して大切なマイホームの維持に役立てたいものですが、普段の生活で当たり前になっていたり、私の使い方が悪いのかな?なんて思ったり、せっかくのメンテナンスの機会を逃してしまう方が多いようです。
そこでアフターサービスの際にみておきたいポイントを、ホームインスペクター(住宅診断士)の視点からまとめてみました。
これからご自宅の定期点検を迎える方、ぜひチェックなさってみてください!
内装材(壁紙など)
内装材は四季を通して伸縮を起こす材料が使われています。それによる影響がどのくらい出ているかを確認します。
・壁紙の乾燥収縮によって、はがれや割れが生じていませんか?
<事例>
クロスとクロスに隙間が! 放っておいて隙間が広がるのが心配ですね。
早めにメンテナンスしてあげましょう。
動かせるもの(サッシ・建具・引き出しなど)
頻繁に動かすサッシや引き出しは、使用を重ねることで動きが悪くなったり、異音が生じ始めることがあります。実際にひとつひとつ動かして、おかしいところがないか確認が必要です。
・扉の開閉時に枠に擦れていたり、扉同士がぶつかって損傷していませんか?
・木製扉のがたつき、そり、異音などはありませんか?
・手すり、タオル掛け、コンセントや照明用スイッチなどにぐらつきはありませんか?
<事例>
洋服かけのパイプ受け金物にぐらつきが確認できました。
こちらは、建具の左側に隙間が生じていました。
マグネット戸当たりが作動していません!
普段、扉を開けっ放しだったため気がつかなかったそうです。
換気扇の状態
キッチン、浴室、洗面室、トイレなどにある換気扇がきちんと動いているか、また空気が漏れ出していないかを確認します。
・動作時に異音は起きていませんか? よ~く耳で確認してみましょう。
・浴室の点検口から天井裏を見ることができるようであれば、機械本体とダクトの接続部から排気漏れが起きていないか手で確認してみましょう。
最近、浴室の上の方から変な音が…。浴室天井の点検口を覗いてみると、矢印の部分から気流漏れが!! こちらは定期点検前に実施したホームインスペクション(住宅診断)で確認され、点検の際に直してもらうことができました。
いかがでしたでしょうか?
定期点検は不具合を直してもらえるだけでなく、住まいの状態や住まい方も見直すいい機会かもしれません。長く快適に住むために、早期発見、早期修繕を心掛けましょう。