8月に発表された「2017年度戸建注文住宅の顧客実態調査」(一般社団法人住宅生産団体連合会)によれば、昨年度に建てられた注文住宅のうち、8割以上が長期優良住宅の認定を受けていました。
長期優良住宅といえば、長期にわたり良好な状態で使用を可能にする措置が講じられたものとして所管行政庁からの認定を受けた住宅。
性能アップが必要なため通常より建築に多少のコストはかかりますが、その認定を受ければ、住宅ローン金利の引き下げや税の軽減、一定の条件を満たせば補助金が下りるなどのメリットがあることから、多くのハウスメーカーが対応しています。
性能アップどころか・・・、施工不良で性能ダウン?
とはいえ、ここにも気をつけるべき点が。
住宅は設計通りの正確な施工が行われて初めてその本来の性能を満たします。
特に長期優良住宅は、設計時の計画の申請のみで工事中のチェックはありません。
せっかく高水準のハウスメーカーや商品を選んでも、工事中の思わぬ見落としや施工不良により本来の性水準を満たせていない可能性があるのです。
そこで、ここではホームインスペクター(住宅診断士)が実際の新築一戸建て工事中の第三者チェックで遭遇した、長期優良住宅の項目でありがちな不具合事例をご紹介します。
公共事業やビルなどの大きな工事と比べて個人住宅は施工業者の確保がより難しく、昨今の人手不足による影響を受けやすく、それはそのまま工事品質の低下に繋がります。
これから住宅の建築を検討される方にはぜひ注意頂きたいポイントです。
新築一戸建て工事中の現場で発覚した不具合事例
おそらくここに、足場のようなものが掛けられていたのでしょう。断熱材の施工忘れです。
断熱材の欠損は省エネルギー性の低下に繋がります。
基礎のコンクリートのかぶり厚さが本来の設計通りに施工されているかもチェックしておきたいものです。
取り付けるべき箇所にビスの打ち忘れ。これも耐震性に影響する可能性があります。
いかがでしたでしょうか?
いずれも工事が進んでしまえば、見えなくなってしまう部分です。また、これらの不具合・施工不良はさほど難しいものではありません。
家づくりで大事なのは、家づくりを施工会社や売主任せにして進めないこと、あくまで自分たちが当事者であるという意識を忘れないことです。 とはいえ、家づくりなんてもちろん初めて、何もかも知らないことばかり・・・という方がほとんどでしょう。
ホームインスペクター(住宅診断)に工事中のチェックをしてもらうことで、安心に繋がるかもしれません。お気軽にお問い合わせください。