日本の木造住宅の平均寿命は27年とも30年とも言われますが、これは取り壊された建物の平均年数などから便宜上求めたデータであり、実際の建物の寿命ではありません。早稲田大学で行われた調査「建物の平均寿命推計」によると、木造住宅の平均寿命は64年と言われています。
大切に使えば100年、1000年と長持ちすると言われる「木材」。この寿命を縮める大きな要因のひとつが「結露」です。なぜ結露が木造住宅の劣化を招くのでしょうか。
家の結露と断熱性には深い関係がある
「家がかく汗」とも言える結露は、家の断熱性と深い相関性があります。
建物の断熱性も資産価値に影響するのでは?と示唆されている昨今、「住居とした終の棲家であれば、断熱性は気にしなくていいのでは?」という声もありますが、リフォームに精通したさくら事務所のホームインスペクターは「断熱は耐震と同じ建物の基本性能」と木造住宅の断熱性を高めることを強くおすすめしています。
断熱性が不十分な住まいは、冬は寒く、夏に暑い…と快適でないのはもちろん、屋根裏などに結露が発生しやすくなります。この結露の水分によって、木材の腐敗、白アリの発生などを招くことで、木造住宅の寿命を縮めてしまうのです。
スムーズにできる結露対策は?
結露対策でおすすめなのは、ペアガラス、インナーサッシなど。ファンヒーターや加湿器は、結露を招きやすいので要注意です。快適性も高く、結露が発生しにくいのは床暖房。フローリングをリフォームするタイミングに合わせて、床暖房を入れると工事費が経済的です。
気密性も家の快適性を上げるポイント!
住まいの快適性を高めるという意味では、気密性も意識したいもの。気密性の高い住まいは、断熱材が劣化しにくく、結果的に断熱性にもつながります。
好みによっては「風通しのいい家の方が好き」という方もいますが、気密性が高い住まいは「すきま風がなく暑さ・寒さに悩まされにくい」「音漏れしにくい」「省エネ性が高い」「断熱材が劣化しにくい」など、メリットも多いので意識しておきたいところです。
さくら事務所では建物に精通したホームインスペクターによる専門家相談もサービスとして提供。断熱性、気密性を意識したリフォームについてもご相談いただけます。