新築一戸建てやマンションを購入したあと、いざ住み始めたら収納スペースでトラブル発覚!ということがありえます。
ここでは、設計や施工が原因のトラブル事例をもとに、契約や引き渡し、引っ越し前にチェックしておきたいポイントをご紹介します。
置くスペースはあるのに搬入できず
造り付けの家具以外に置き型のタンスを置こうと、内覧会や引き渡し前の現地確認で設置予定場所の壁や床、天井の寸法を測る方は多いはず。
ところが、いざ引っ越し!となったとき、「まさか!階段幅や居室入口の扉のほうが家具より小さく、どう傾けてもうまく搬入できなかった・・・」という事例があります。
窓から吊り上げてもらい搬入する方法もありますが、お金も手間もかかります。せっかく寸法を測るなら、玄関入口から設置場所までの動線についても幅や高さを測っておきましょう。
クローゼットの設計・施工不備でハンガーが掛けられない!
ハンガーパイプが予め取り付けられているクローゼット※。見た目には普通にできあがっているのに、いざ衣類を掛けようと思ったらうまくしまえない!というトラブルは意外と多いのです。
よくあるケースはこの2つ。
- ハンガーパイプと真上の棚板の距離が近すぎて(隙間が小さすぎて)、ハンガーが掛けられない
パイプの取り付け場所を間違えていると思われ取り付け直せばいいのですが、壁に不要な穴が残り、壁紙の張り替えが必要なことも。 - クローゼットの奥行きが小さすぎて、ハンガーを斜めに傾けないと肩の部分が扉に当たって閉まらない
壁や扉の位置を変えることは容易ではないため、扉を開けたまま使う、肩幅が狭いお子さん用衣類の収納場所にする、仕方なく斜めに掛かった状態で扉を閉めて使う・・・のいずれかになることが多いです。
引っ越しの段ボールが全て家に運び込まれ、荷ほどきの途中で発覚すると収納計画が狂い、困ってしまいます。契約前の方は見学時に、契約後の方は引き渡し前に一度奥行を測っておきましょう。
※一部の建売一戸建て住宅では、間取り図にクローゼットと書いてあるものの、ハンガーパイプの取り付けが有料オプションとなっていることがあるので、必ずハンガーパイプの有無を確認しましょう。
床が傾いてるのに直してもらえない
引っ越し荷物の片付けも落ち着いて、ホッと一息部屋を眺めていたら、なんとなく床が傾いて見える・・・。実際、スリッパを脱いで部屋を歩き回ると、一部凹んでいるように感じる!
工事が悪かったのでは?と心配になり売主の不動産会社に連絡したら「収納家具の重みで床がたわんで(凹んで)いるだけなので施工不良ではなく、修理も不要」との返事が。
でも、他の部屋の重い家具の周辺にはそんなことは起きていなくて、本当に家具のせいなのかわからず、ほっといていいものか不安になってしまうケースがあります。
本棚や食器棚、大型のタンスは重量物なので確かに重みで床が少したわんでいることもありますが、中には、実は家具を置く前から床が少し凹んでいたり傾いていたということもあるのです。
残念ながら、家具を設置してしまうと当初からあった傾きなのかどうか、アフターサービスの無償補修の対象なのかが判別できなくなってしまいます。
引き渡し前の家具も何もない状態で、床の水平施工精度を確認しておくことがお勧めです。
他にもチェックしておきたい箇所
一戸建ての方はここもチェック!【床下収納庫の断熱対策】
工法にもよりますが、多くの一戸建ての床下は外と同じ気温になる場所。ですから、床材の裏側に「断熱材」を取り付けておかないと、冬にいくら暖房を入れても床から冷え込みます。
ところが、1階キッチンや洗面所に取り付けられている「床下収納庫」の蓋が断熱対策品になっておらず、ここから冷気が入り込んでしまう住宅があります。
床下収納庫があるお宅では、蓋を開けて断熱材が貼りつけてあるかどうか、または断熱対策済みの製品であるかを確認しましょう。
マンションの方はここもチェック!【エアコン配管と収納扉】
エアコン取り付け位置の近くに開き扉の収納がある場合は注意が必要です。エアコンの配管が邪魔になり、扉が大きく開けられない場合があります。
マンションは各室の特定の位置にエアコンを設置できるよう、壁にあらかじめ取付用の下地が入れられ、エアコン配管用の穴(スリーブ)も設けられています。つまり、配管ルートはほぼ決まっています。
(例)エアコン本体から出る配管はこんな取り付けになる予定
ところが、収納の扉があまりに近いと・・・
配管にぶつかってしまいます。
ぶつからないように気をつけて開けれるという解決策はありますが、しまう物によっては扉をしっかり開けないと入れづらいこともあります。あらかじめ、配管ルートと扉の位置を確認しておきましょう。