梅雨の中古マンション見学は「上を向いて歩こう!?」

  • Update: 2019-06-25
梅雨の中古マンション見学は「上を向いて歩こう!?」

梅雨シーズンは外に出るのがおっくうになりがちですが、中古マンションの見学時、天気が悪い時期だからこそチェックできることもあるのです。

今回は「目線より上」をテーマに、雨が降りやすい梅雨時期だからこそ見られるかもしれない、共用部分のプチ・チェックポイントをご紹介します。

「●●●●」を見つけたら、その後の対応をチェック

中古マンションの見学時、共用廊下に自転車が放置されていないか、ゴミが落ちていないかといった「目線より下」を注意して見る方はとても多いでしょう。

でも、いざマンションで生活を始めると、目線より上の方にあるこんなものも気になるものです。

クモの巣

梅雨時期に特に多くなる【蜘蛛(くも)の巣】です。

蜘蛛の巣は透明ですから、外も明るい晴れた昼間より、夜間や曇った日に照明で照らされキラキラ光っているときのほうが目立ちやすいことが多いです。

ここで注意していただきたいのは、蜘蛛はたった数時間で大きな巣を張れてしまうようなので、「蜘蛛の巣がある=清掃の不備」と決めつけてしまわないこと。

できてしまった蜘蛛の巣がその後きちんと撤去されていれば、住民の管理会社への通知機能が働いているか、または管理会社の巡回チェックが機能したと考えられます。次の見学が比較的近い日程であれば、ぜひ同じ場所を見て、巣が撤去されているかどうかに注目してみましょう。

もちろん、再見学時に蜘蛛の巣の撤去ができていなかったからといって、このひと項目だけで管理組合運営や管理会社の真の実力をはかることはできません。ですが、中古マンション購入検討時にあまり目を向けられることがない「管理組合運営状況」や「管理会社の業務品質」の理解を深めるきっかけになるかもしれませんので、小さなことですがチェックしてみましょう。

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「●●切れ」の対応状況

次に「目線から上」でチェックしておきたいもの・・・それは「電球切れ(球切れ)」です。

マンション共用廊下の電球切れ

共用廊下や共用施設の照明は、自然光が少しでも差し込む場所ならば日中は消灯されています。ですから、仮に「維持管理はどうなっているんだろう?」と疑問を持つほど照明器具が何個も何個も球切れしていたとしても、晴れの日はそもそも消灯されてしまっているので気づくことができないのです。

対して、夜や悪天候で外がかなり薄暗いと自動的に点灯する設定のマンションも多く、雨天ならば昼間の時間帯であっても、廊下の照明が点灯しているかもしれません。

そんなときはぜひ、共用廊下、駐車場やゴミ置き場に向かう通路など、特に頻繁に人が通るわけではない共用部分で上を見上げ、照明の球切れがいくつも放置されていないかチェックしてみましょう。

あまりにいくつも切れているようなら、管理会社による定期チェックがあまり行われていない可能性もあります。不動産会社経由で管理会社に把握や対応の状況を質問しておきます。

なお、照明器具がもともと多めのエントランスホールや廊下では、節電目的で電球が間引きされていることもありますし、管理会社が球切れを把握していて、電球(管球)を取り寄せ中の場合も。

状況を質問することで、いずれの回答であったとしても、わずかながら管理に関する情報を増やせます。

どちらも小さな(プチ)トラブルで、これだけで管理組合の運営状況や管理会社の業務品質を評価できるものではありません。より専門的・重要なところがしっかり管理されている可能性は十分あります。

ただ、もし、ちょっと見上げただけなのにいくつも気になる点が出てきたら・・・管理組合や管理会社の活動状況をしっかりチェックしようと思うきっかけになるでしょう。

足元が悪く、外も薄暗くて外出・見学が億劫になりがちなこの時期ですが、梅雨時期ならではのチェックポイントを少しでも活用すべく、積極的に見学に出かけてみてください。

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