住宅への侵入犯罪は窓が多い!窓の防犯対策のポイントを解説

  • Update: 2020-05-09
住宅への侵入犯罪は窓が多い!窓の防犯対策のポイントを解説

空き巣などの侵入犯罪は、年々減少傾向にあるものの、未だ多くの住宅が被害にあっています。なかでも窓からの侵入が最も多く、防犯に不安のある住宅であればできる限りの対策をしておいたほうがよいでしょう。
また窓の防犯対策にもさまざまな方法がありますが、どのような方法が効果を発揮するのでしょうか?
今回は住宅の窓を防犯強化するポイントについて解説します。

侵入犯罪は窓が多い

まずは侵入犯罪に関する情報についてご紹介します。(参考:住まいる防犯110番)

侵入窃盗のデータについて

平成30年の警察庁のデータによると、侵入窃盗発生場所として最も多いのは「一戸建住宅」で、その割合は全体の42.5%です。そして住宅の侵入窃盗の手口を見てみると「空き巣」が全体の35.3%と最も多く、続いて「忍込み」が11.9%、「居空き」が3.0%となっています。
ちなみに「忍込み」とは、住人が就寝したタイミングを狙った侵入窃盗で、「居空き」とは住人が食事中などのすきをついた侵入窃盗のことです。

侵入窃盗の手口について

一戸建て住宅で侵入窃盗の手段として最も多く利用されるのは「窓」からで、その割合は全体の57.6%となっています。 そして窃盗犯が侵入する手口として最も多いのは、「無締り」が46.5%、「ガラス破り」が37.7%となっています。 「無締り」とは施錠していない窓や玄関からの侵入を指し、「ガラス破り」とは窓ガラスを物理的に破壊して解錠する手口のことです。

 

以上のように、住宅で侵入犯罪の被害は窓が起因する内容が非常に多いということがわかります。 「無締り」については、日ごろから防犯意識を高めておくことが必要になりますが、やはり窓などの防犯対策をすることが被害を防ぐうえで効果が高いといえるでしょう。

窓を防犯強化する5つのポイント

ここからは、侵入犯罪のリスクが最も高い窓を防犯強化する5つのポイントについてご紹介します。5つの強化ポイントとは以下の通りです。

  • ガラス
  • シャッター
  • 面格子
  • 内窓

●鍵

窓からの侵入犯罪で最も被害が多いのは「無締り」が原因であることは上記のデータの通りですが、これは高い意識をもって戸締りを徹底することが重要な対策となります。
次いで多いのが「ガラス破り」です。
ドライバーやアイスピック、ガスバーナーなどを使ってガラスの一部を破壊し、手を入れて解錠するという方法になります。「ガラス破り」の多くは、ガラスを破るときに大きな音が出ない器具を使用することがおもな特徴です。
また住宅に侵入する行為は犯罪者にとってもリスクがあるため、できるだけ短時間で済ませることが条件のひとつとなります。
そこで効果的なのは鍵の増設です。
1つの窓の異なる位置に複数の鍵を取り付けると「ガラス破り」に多くの時間を要することから、侵入を抑止する効果を発揮できます。
鍵には、一般的なクレセント錠や、ワンタッチでストッパーになる補助鍵などいくつかの種類がありますが、自宅の窓に合うものを選ぶとよいでしょう。

●ガラス

既存の窓ガラスを、防犯ガラスに交換することで「ガラス破り」を防止します。
防犯ガラスとは、2枚のガラスの中間に特殊膜を挟むことで耐貫通性を高めたガラスのことをいいます。
また、防犯フィルムを貼ることも、簡易的ですが一定の効果を得ることが可能です。
これらは、万が一の災害で破損することがあっても、飛散を防ぐ効果がある点もポイントになります。
なお、網入りガラスや通常の複層ガラスなどは、防犯ガラスと比較すると防犯効果としては大きな期待はできません。

●シャッター

既存の窓に、シャッターを後付けすることで窓からの侵入を防止します。
まずシャッターは、存在するだけで侵入が難しいことを訴えることができるため、抑止効果としては十分といえるでしょう。シャッターも手動タイプや電動タイプなどがあり、予算に合わせて選ぶことが可能です。
またシャッターは防犯効果だけでなく、台風時などの飛来物から破損を防ぐことや、周囲からの視線を遮ることなどの効果も得られます。
ただし、シャッターの導入は若干コストがかかる点では検討が必要です。

●面格子

浴室やトイレの窓なども侵入されやすい場所になりますが、これらの位置に面格子を取り付けると犯罪防止に効果的です。
浴室やトイレなどの窓はおもに換気のために開放する機会が多く、また比較的サイズが小さいこともあって、施錠を忘れてしまうことも少なくありません。このような窓でも面格子を取り付けると侵入は難しくなるため、大きな防犯効果が期待できます。
ただし、なかにはビス頭がむき出しになっているような容易に取り外せるものもあるため、採用にあたっては防犯性能の高いものを選ぶようにしましょう。

●内窓

既存の窓に内窓を取り付けると、侵入に時間を要することや解錠も難しくなることから侵入犯罪の抑止効果が高まります。
また内窓は、防犯効果だけでなく、同時に室内の断熱性能の向上にも期待ができる方法でもあります。
ただし、一般的なガラスであれば侵入に時間がかるとしても破ることは難しいことではないため、防犯性能を重視するなら防犯ガラスのものを設置するとよいでしょう。

防犯性の高い「CPマーク」とは

防犯性の高さを証明する「CPマーク」をご存知でしょうか?
「CPマーク」とは、警察庁や国土交通省などが中心となってつくられた「防犯性能の高い建物部品」の試験基準に合格したものに使用が許可されるマークのことです。
おもな試験基準とは「侵入攻撃に5分以上耐えること」です。
試験に合格し基準を満たすことが認められた製品にはCP認定シールを貼ることができるため、大きな抑止力となります。
防犯リフォームを実施する場合、防犯ガラスや面格子など「CPマーク」のある製品を採用することもひとつの基準として検討してみてはいかがでしょうか。

防犯リフォームのときはホームインスペクションも

大事なマイホームで長く暮らすには、建物の性能強化は重要な要素となります。そして大切な財産を奪われないためには、防犯性能の強化が効果を発揮します。
とくに築年数の古い建物の場合、防犯性能という点で大きな効果が期待できないケースも多く、住環境によってはリフォームを検討してみるのもよいでしょう。
ただし防犯リフォームは、十分な効果が得られないと意味がないため業者選びも重要になります。
業者によっては、本来は必要ではない余計な工事まで含まれたり、品質に問題があったりするなど、さまざまなことが原因でトラブルに発展することがあります
トラブルを回避するためにも、工事内容を適正に見きわめる作業が必要になるでしょう。

さくら事務所では「リフォーム・リノベーション工事チェック」のサービスを提供しています。 建物に精通したホームインスペクターが、客観的な立場から、また専門家の見地からチェックを行うことで、リフォーム工事によるトラブルを未然に防ぐことが可能です。 リフォーム前の状況確認から見積もり内容のチェック、そして施工中の不備の是正や完成検査までさまざまな内容で対応しています。 防犯リフォームをするときには「リフォーム・リノベーション工事チェック」を検討してみてはいかがでしょうか。