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【今こそ考えよう!実家対策②】被害拡大の一途を辿る災害リスク 必要な『建物の防災』とは

  • Update: 2020-07-17
【今こそ考えよう!実家対策②】被害拡大の一途を辿る災害リスク 必要な『建物の防災』とは

7月が始まり、すぐに九州では断続的な大雨による被害が拡大を続けています。7月10日までに、九州各県での住宅被害は少なくとも1万棟を超えるという報道もあります。
今年は、新型コロナ感染拡大という未曾有の危機と同時に、年々被害が拡大する豪雨や台風、地震の不安も目の前に突きつけられています。新型ウイルス感染拡大状況下での自然災害では「自宅避難」を余儀なくされることもある、ということを思い知らされています。
前回、本コラム「今こそ考えよう!実家対策」では、実家の“とりあえず空き家問題”について取り上げました。
今回は、ご家族や大切な方々とぜひ話し合っていただきたい「建物の防災」について、さくら事務所で建物の災害リスクコンサルティングの経験も豊富なホームインスペクター(住宅診断士)がまとめました。
これから新しいお住まいの購入を検討されている方や、ご自宅の防災リフォームを検討されている方など、ぜひ本コラムを参考に、家族や大切な方々と話し合っていただけたら幸いです!

まずはハザードマップの確認を!


被災する可能性のある区域や避難場所・避難経路などを示した地図を「ハザードマップ」と呼びます。
「ハザードマップ」は、各市区町村にて入手・閲覧が可能。また、インターネットで公開している地域もあり、国土交通省のホームページでも確認できますので、まずは、必ず「ハザードマップ」を確認し、ご自宅の災害リスクの基本的情報を知ってください。
ただし「ハザードマップ」は災害対策の最初の一歩。そこで確認できるのは、大きなエリア区分での情報で、ご自宅ピンポイントの情報ではないことも知っておいてください。

建物で対策できることを知る!

立地や環境、エリア、地盤などによっても、どんな防災を警戒すべきなのかは異なりますが、人命を守るためにあるべき住宅の姿を考えましょう。
まずは「家自体を災害から守る」こと、そして「中にいる人をスムーズに確実に避難させる」ことがポイントと考えます。
具体的な災害ごとに考えられる、建物の防災について詳しく見ていきましょう。

●地震

地震対策では、まず建物の倒壊などを避けるために「揺れに対する建物の強度」がはずせない条件です。
耐震性については、「旧耐震」と言われる1981年以前の建物では、現在の耐震基準で建てられた建物よりも強度が大きく下回ることがほとんど。もし住宅を購入した後、「旧耐震」であることがわかっても、単に柱を増やしたりすれば耐震性が高くなるというものではなく、今の建物の耐震性を専門家に調査・診断してもらい、専用のソフトなどで正確な補強個所を割り出して工事を実施する必要があります。
そして、揺れに対する家の補強はもちろん大切ですが、どんなに家を補強したとしても「逃げる」ための対策もお忘れなく。例えばドア。地震は、時としてドア枠をゆがませ、ドアが開かなくなる事態を引き起こすこともあります。
こうしたドアの弱点も昨今では改良が加えられ、ドアと枠の間に変形を見越したゆとり(クリアランス)を設けるなどの対策が施されています。もし、これからリフォームなどをお考えの方は、災害時の避難を見越して「対震性」の高いドアに変えることを検討してみても良いのではないでしょうか。

●台風

台風などによる突風や強風は、高い場所ほど風圧力が強くなります。そのため主に屋根の補強が重点課題。具体的には屋根材の飛散防止のために、屋根材を固定するクギやネジの本数を増やしたり、接着剤を併用したりして固定します。
この補強はマイホームを守る意味だけでなく「飛散した屋根材で他の人を傷つけない」という観点でも重要です。
台風の時、そして屋根材が飛んでしまうほどの暴風雨の時、万が一周囲に通行人がいたら、飛散した屋根材でケガをさせてしまったり、隣家に損害を与えてしまうトラブルもあり得ます。
台風の前後に屋根の状態が気になっても、無闇に屋根に上っては大変危険です。そんな時は、専門家がドローンを使って屋根の状況を確認するサービス(ドローン調査)もございますので、お問い合わせください。

●ゲリラ豪雨などによる水害

最近豪雨の報道では「数十年に一度の大雨」「予想をはるかに超える雨量」「記録的な大雨」などと伝えられることが非常に多く、過去に経験したことがないような水害を度々引き起こしています。
建物が水害に遭った時、床下・床上浸水のみならず、それによる電気系統の損傷、その発火による火災…などと災害が連鎖していき、日常を取り戻す為には莫大な時間と費用、労力がかかります。
現在の記録的な豪雨による水害が一気に押し寄せた場合、建物を完全に防ぐことは不可能かもしれませんが「できる限りのことをするとしたら……」という観点から対策を挙げてみましょう。
まずは、主に窓や扉など建物の開口部から侵入する雨風を防ぐ為に、後付けもできる雨戸やシャッター、玄関などへの止水パネルの取り付けがお勧め。
これらの取り付けは、雨風をしのぐだけでなく、強風によるガラスの破損を防いだり、シャッターであれば災害時以外、採光の調整も可能。ブラインドタイプのシャッターなら、採光を保ちながら直射日光を避け、冷房時に熱効率を上げてくれて、省エネ効果も期待できます。止水パネルは玄関だけでなく、車庫などにも有効です。
可能であれば防水性のある塀で、住宅の周囲をぐるりと囲む「塀防水」も検討してはいかがでしょうか。敷地外からの浸水を防ぐことに有効です。
また、間取りや内装で水害対策を考えることもできます。
例えば2階をメインの居住部分にした間取り。日々の暮らしでは日当たりや眺望も良く快適に過ごすことができますので、室内環境を快適にするという観点からもメリットがあります。ただし、2階がメインの居住部分であったとしても、必ずしも浸水のリスクが低いとは言えません。
例えば2階にベランダ部分がある場合。排水溝の掃除が十分でないと、大雨の際に室内へ浸水する可能性もありますので注意が必要です。


日本という国に暮らす以上、上記でお伝えした自然災害は、私たちの生活と切り離して考えることは難しいでしょう。ご自宅で快適に生活できている今だからこそ、災害リスクを知り、それについて調べ、建物への対策を行ってみてはいかがでしょうか。
さくら事務所では、災害や建物の専門家の英知を結集し、皆様のお役に立てていただきたいサービス『災害リスク現地調査』もご用しています。
ぜひお気軽にご相談ください!