現在、建築業界は「ウッドショック」と呼ばれる世界的な木材不足に陥っています。
過去にも二度(1992~93年、2006年)同様の事態が起きていますが、今回の「第三次ウッドショック」の背景は、世界的な金融緩和策とコロナ禍によって北米や中国を中心に住宅需要が高まり、木材価格が高騰している点が挙げられます。
国内住宅市場は木材のほとんどを輸入に依存してきたため、今後、住宅価格のさらなる高騰や工期の遅延・中断などさまざまな影響が考えられます。
そこで、さくら事務所では、新築住宅を建築中・購入検討中の方や中古住宅のリノベーションを予定されている消費者に起こりうるリスクと備え知っておくべくポイントをまとめました。
消費者に起こりうるリスク
仕様の変更
予定した木材が調達できなくなり、樹種変更があり得るほか、稀にB級品の木材が使われてしまうケースもあります。
建築計画・工事の遅延・中断
プレカットの承認や納品の遅れが原因で計画や工事の遅延・中断の可能性があります。中には基礎工事が完了したまま止まってしまい、現場が雨ざらしになってしまうケースも。
遅延に伴い「グリーン住宅ポイント」(2021年10月31日申請期限)や「住宅ローン控除13年」(2021年12月31日入居期限等)の申請が間に合わない恐れもあります。
請負代金の増額
見積もり後であっても、木材の値上がりを理由に工事代金が増額する場合も。契約書に増額に関する条項がある場合は妥当な額の増額に応じる必要があります。
そのほか、施工者側が適切な約款・合意書を入れている場合、上記に応じないと施工者側から契約解除の申し出をされる可能性もあります。
備えておきたいポイント
住宅完成保証制度加入のチェックを
ウッドショックの長期化によっては、今後、中小規模の住宅会社が倒産する可能性も考えられます。建築会社の都合で工事が続けられなくなった場合に補償が受けられる「住宅完成保証制度建築会社」に発注先の建築会社が登録しているかを確認しましょう。
自分でスケジューリング
工事を住宅会社に任せきりにせず、「いつまでに完成させたい」「○月までに入居したい」など具体的なスケジュールを設定するなど、住宅会社と密なコミュニケーションを重ね、信頼関係を構築しておくことが大切です。
木造以外の検討も
工期遅れのリスクが気になる場合、木材に比べて調達しやすい鉄骨造(S造)やプレハブ工法などを検討することも一つの手です。
ウッドショックは新築住宅に限った問題ではありません。中古住宅の耐震補強や間取り変更など大規模リノベーションへの影響も考えられます。
不安なことがあれば専門家に相談を
新築・中古にかかわらず、建物にまつわるさまざまな心配ごとがあれば、まずは専門家に相談してみてはいかがでしょうか。
せっかくのマイホームを欠陥住宅にしないためにもまずはお気軽にお問い合わせください。