エコな暑さ対策!打ち水の意味や歴史、効果的な時間まで詳しく解説

  • Update: 2021-08-15
エコな暑さ対策!打ち水の意味や歴史、効果的な時間まで詳しく解説

全国的に暑い日が続いています。近年では室内にいても熱中症にかかるケースが増えていますので、心配ですよね。暑さ対策といえばエアコンや扇風機などが一番に思い浮かびますが、より経済的負担が少なく、より地球環境に優しい、そして、より日本人に馴染みのある暑さ対策があるのをご存じでしょうか。

それは、「打ち水」です。ここ数年で改めて脚光を浴びている打ち水について、その歴史や効果をご紹介します。さまざまな暑さ対策をうまく組み合わせて、この激しい暑さを乗り切りましょう!

打ち水の起源、原理は?

打ち水の起源、原理は?

「茶の湯」に端を発した、「おもてなし」の作法

打ち水とは、庭先や道路に水を撒いて涼を得る日本古来の方法です。そもそもは、戦国時代、安土桃山時代を経て成立した「茶の湯」における礼儀作法のひとつとして打ち水は生まれました。その後、江戸時代には打ち水が俳句に詠まれたり浮世絵に描かれたりしており、少なくともこの時代には一般的なものになっていたと考えられます。

お客様を招く前に玄関先や道路を水で清めておくというおもてなしの意味に加え、水を撒くことで暑さを和らげることができるという効果もあり、打ち水は日常的な風景、文化として生活に根付きました。

打ち水で気温が下がるのはどうして?

しかしなぜ、打ち水をすると涼しくなるのでしょう。キーワードは「気化熱」です。水が気体になる時に周囲から吸収する熱のことを気化熱と呼びますが、打ち水をすると、太陽に照らされて温まった地面に水が触れて蒸発し、この時の気化熱によって地面の熱が大気中に逃げていくのです。

江戸時代に「気化熱」という概念があったかどうかは定かではありませんが、きっと人々が暮らしの中で体験、発見して生活に取り入れたのでしょう。

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打ち水は「ヒートアイランド現象」の対策にも役立つ!

熱をため込むコンクリートやアスファルトを水で冷やす

この打ち水、涼を得るためだけでなく、近年では「ヒートアイランド現象」を抑えるための対策としても活用されています。

ヒートアイランド現象とは、郊外に比べて都市部の気温が高くなる現象のこと。地球温暖化による影響ももちろんありますが、都市部では地面のほとんどがアスファルトで覆われ、コンクリートの建物に囲まれていることが大きな原因です。土や芝生と比べ、アスファルトやコンクリートは熱をため込み、冷めにくいからです。

全国さまざまな都市部で打ち水が奨励されている

そこで東京都など全国の市町村は、打ち水を奨励しています。都市部のアスファルト、コンクリートなどの表面に直接水を撒くことで表面温度を下げる取り組みです。

打ち水によって涼しさを持続させることができれば、エアコンなど空調設備の使用が控えられる上、排熱を抑制することができます。結果的に地球温暖化の原因であるエネルギー消費を減らすこともできるとあり、注目を集めています。

打ち水に効果的な時間帯は?

打ち水に効果的な時間帯は?

気温が低い「朝」と「夕方」がおすすめ

「今日からさっそく打ち水をやってみよう!」と思ったあなた、今は何時ですか? 打ち水には効果的な時間帯があるので、その点を押さえておきましょう。

打ち水におすすめの時間帯は、気温がまだ上がりきっていない「朝」と、気温が下がりつつある「夕方」。昼間の暑い時間帯に打ち水をしても、水がすぐに蒸発し、それによってかえって蒸し暑く感じられてしまい、逆効果になるので避けておくのが無難です。

朝や夕方だけでなく、あまりに寝苦しい時には、夜間の打ち水も有効。戸建ての方は庭に、マンションの方はベランダに打ち水をしてみてください。窓から入る風の温度が下がるのを実感できるはずです。

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住宅の緑化で気温上昇を防ぐ!

住宅の緑化で気温上昇を防ぐ!

土や芝生の特性を活かした庭づくり

打ち水の効果についてここまで述べてきましたが、逆に言えば、「アスファルトやコンクリートを減らすことで涼を得る」という考え方もありますね。これから戸建ての購入をお考えの方や、ある程度自由に庭をつくれる方は、庭をコンクリートで覆うのではなく、芝生などで緑化してみてはいかがでしょう。

土や芝生が雨水などの水分を蓄え、その水が蒸発する際に気化熱で地表の温度を下げる効果が得られます。これはつまり、打ち水と同じ原理ですね。庭だけでなく、ゴーヤなどを活用したグリーンカーテン、屋上緑化も有効な方法です。

緑化には都市型水害を防ぐ効果も

ここ数年、都市部ではゲリラ豪雨による床下浸水をはじめとする「都市型水害」が増えています。住宅を緑化することで雨水の排水を抑制することができますので、都市型水害を防ぐという意味でも緑化はおすすめです。

そもそもの気温上昇を防ぐ目的で、庭に落葉樹を植えるのも効果的。大きめの落葉樹は、葉が木陰をつくることで直射日光を遮ってくれます。

毎日の暑さには打ち水を。そして、構造的に暑さを和らげるには住宅の緑化を。もちろん、エアコンなどの空調設備も有効に使いつつ、心地よく過ごしましょう。

さくら事務所の「専門家相談」、住まいのお悩み何でもご相談ください

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今年の夏は、雨も期間も多く涼しい日も多いですが、暑いには打ち水を利用し、ぜひ涼しさを感じながら快適にすごせるようにしたいですね。

今回の打ち水の話は、少し快適な住まい作りとは視点が違う話になりましたが、さくら事務所では、住まいに関わるご相談はすべてご相談対応をしております。

住まい選びのお悩みから、断熱材・リフォーム検討など、専門的な知識が必要になり、分かりづらい箇所のご相談については、ぜひさくら事務所の専門家サービスまで、お気軽にお問合せください。

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