リノベーションは本当に魔法なのか?いま知っておきたいリノベーションの現実 Vol.3

  • Update: 2022-10-07
リノベーションは本当に魔法なのか?いま知っておきたいリノベーションの現実 Vol.3

都心を中心に新築マンションの購入価格の高騰が続くなか、中古マンションを購入後リノベーションを検討している層が増えています。

シリーズ化したコラムの第3弾(最終回)では、中古マンションのリノベーションでよくある事例について考えます。

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中古マンションのリノベーションでよくあるNG事例

まずマンションにおけるリノベーションが可能なエリアは、基本的には「部屋の中」のみになります。つまりそれはどういうことかと言えば、「部屋の中」以外の部分であるベランダや窓、玄関扉などは、マンションの専有部(部屋の中)ではなく「共用部」にあたるため、リノベーションすることは基本的にNGとなります。

つまりマンションは戸建ての場合とは違って、あとからベランダに水栓やコンセント類の設置、また物干し金物を付けることができません。ディスポーザーも後付けはNGなので事前に注意が必要です。

またガスコンロ周りも注意が必要です。例えばマンションによってはIHからガス、またはガスからIHに変更できないことがあります。

上記内容にも関わってきますが、マンションにおけるリノベーションが可能な内容は、居住する予定の「マンション管理規約」に沿って実施されることになります。つまり「マンション管理規約」に定められていない内容についてリノベーションを実施することはできません。

またリノベーションの工事内容以外でも、例えば利用できる床材などが決まっていたり、共用部分での養生方法について、実際にリノベーション工事が実施可能な時間帯、リノベーション工事着工の◯日前までに理事会の承認が必要になる(マンションもある)、といった工事内容以外でもマンション管理規約で規定されているケースも存在します。

さらに注意する必要がある中古リノベーションチェック項目

さらに中古リノベーションの注意点について深堀りすると、こんなこともあります。

  • ①利用可能な床材を使ったはずなのに、リノベーションの際の工事方法が間違っていたため違反になる。
  • ②部屋の電気容量やインターネット回線の変更も必ず管理規約、管理組合への確認が必要。
  • ③マンションの専有部である部屋の中でも、コンクリートの躯体部分にねじを打ち付けたり、排水竪管の位置(PS)を移動することはできない。
  • ④専有部分である部屋の中でも、コンクリート躯体を傷つけたり、上の階から下の階へつながっている縦方向の管の移動を行うことはできない。
  • ⑤専有部分の水回り(お風呂やトイレ、洗面、キッチンなど)の位置の移動は制限がある。
    ※排水竪管からあまり遠くにはできない場合が多い。
  • ⑥エアコンを付けることができない部屋が発生する場合がある。
  • ⑦壊してはいけない壁がある。
    ※耐震性や構造上、壊してはいけない壁が存在する場合がある。

上記①~⑦のうち、特に③⑤⑥⑦については、中古マンションを購入すれば理想の間取りを実現できると、フルリノベーションに並々ならぬ決意を持つ人たちにとって「思っていた間取りにできない」とトラブルになりやすい部分であるため注意が必要です。

中古マンションあるあるで気をつけておきたい点

小梁に気をつけろ

さらに「中古マンションあるある」なのが、部屋の意外なところに存在する「小梁」です。「小梁」の位置は中古マンションを購入してリノベーションする際にはまず確認しておく必要があります。

なぜ「小梁」に気をつけるべきなのか。「小梁」は先に挙げたチェック項目にもある④の部分のコンクリートの躯体にあたります。そのため意外なところに「小梁」があった場合、例えば当初考えていた換気ダクトの計画が予定通りに進まないケースがあります。またこれは施工事例が少ないリノベーション初心者の会社が起こしやすいトラブルです。もしも、このトラブルが起こった場合の解決策は、当初予定していた計画を変更するしかないため、当初から「小梁」をしっかり考えて計画しなければ、言わずもがな揉める原因になります。

最後に

ここまで見てきた中古リノベーションのNG事例や「小梁」の問題など、気をつけておくべき点はリノベーションの計画案をまとめる前に、発見・回避することが重要です。確実に計画しているリノベーションを行うためにも、中古マンション購入後、リノベーションを進める前にホームインスペクションを実施し、リノベーションを進めるうえでの問題点があれば、確実にその芽を摘み取っておくことが大切になってきます。

リノベーションの計画前やリノベーション工事中にホームインスペクションを実施すると、そのマンションで気を付けておくべきポイントや、施工会社が知らずに規約違反をする可能性を防ぐことができます。

魔法のリノベを実現し、皆さんが理想とする快適な住環境を手に入れるためにも、ホームインスペクションをしっかり実施することを推奨します。