新築一戸建て工事における要注意な現場監督の5つの特徴

  • Update: 2023-05-25
新築一戸建て工事における要注意な現場監督の5つの特徴

新築一戸建てを建てた直後でも、新築とはいえ一切の不具合が起こらないわけではありません。実際に新築一戸建てにおいても、さまざまな不具合が起こっています。さくら事務所では新築一戸建てを購入した方や施主様からの依頼を受けて、新築一戸建ての検査を行います。

今回は新築一戸建てにおける不具合について、以下の3つのポイントを詳しく解説していきます。

  • なぜ新築一戸建てで不具合が起こるのか
  • 新築一戸建てにおいてどのような不具合が起こるのか
  • どうやって新築一戸建ての不具合を防ぐのか

不具合が起きやすい住宅は現場監督でわかる

新築一戸建てでなぜ不具合が起こるのか。結論からいうと、新築一戸建ての完成検査で不具合が見つかる理由の多くは、建築現場の監理が行き届いていないことです。現場の監理は、施工会社の現場監督の役割になります。現場監督の仕事はスケジュールや予算、人員の管理、資材の発注など多岐に渡ります。この現場監督の手腕次第で、建物の出来が大きく変わるのです。新築一戸建てにおける不具合の発生を避けるには、現場監督の手腕や人柄、能力を見極める必要があります。

注意すべき現場監督の主な特徴は、以下の5つです。

  1. 現場にいない(完成検査にも立ち会わない)
  2. レスポンス(メールや電話の返信)が遅い、必要なものの送付が遅い、電話に出ない
  3. 是正(できてない所を対応した)報告がなされない(あるいは遅い)
  4. 養生や清掃などの現場配慮が行き届いていない
  5. 現場の進捗状況を把握していない

業界全体の問題として、現場監督の人材が不足している現状があります。しかしだからといって不具合を起こしていい理由にはなりません。最近では、担当してくれる現場監督自体がいない工事現場もあり、営業担当者が現場監督の役割を兼任していることもあるようです。そういった場合は、特に注意を払う必要があります。

このように、完成検査時に不具合が出やすい一戸建てには、工事段階で予兆や傾向のようなものが見られます。

「完成検査」で起こった不具合の実例3選

では、実際に不具合とはどのようなことを指すのでしょうか。さくら事務所が実施した完成検査において、下記が実際に起こった不具合の例となります。

床下に施工時の残材(木材の破片など)や資材が残されていた

上記はトイレ下部の床下部分にゴミが残っている様子です。当たり前ですが、こういった場合は施工会社に言ってしっかりと清掃してもらい、その後清掃後の報告を受けるようにしましょう。

こちらは床下部分に水道関連の資材が散乱している様子です。

床下で水漏れが発生していた

こちらは引き渡し直前にも関わらず、排水管から水が漏れてしまっている状態です。

床下にカビが発生していた

こちらは完成検査時に、基礎立上り部分においてカビの発生が確認されました。

上記はいずれも前述したような特徴をもつ工事現場の完成検査時に発覚した不具合です。「新築だから検査しなくても大丈夫だろう」と考えてはいけない理由が、ここにあります。

このような不具合は、見つけることができれば、引き渡し前に是正をお願いすることができますが、本当に怖いのは、建ってからではわからない不具合も存在するということです。だからこそ、工事中からのチェックが重要となってきます。

工事中に施主が対策できること3つ

新築一戸建ての不具合発生を避けるために、施主が工事中の段階でできることは主に以下の3つです。

  1. 自分で現場に足を運び、許可を取ったうえで写真や動画を撮影する
  2. 工程表をもらえないか、担当者に確認する
  3. 現場監督に「同時期に何ヶ所の現場を担当しているのか」を確認する

現場を見に行くことで、養生の状態や、現場の整頓具合を把握できます。また、大工さんなどの職人さんと顔を合わせることで、清掃や整理整頓、施工を丁寧にしてもらえることが多い傾向にあります。

工程表とは、家を建てる際のスケジュール表のことです。工程表のスケジュールを踏まえて現場に行ったとき、もし工程表とのズレがあれば、何らかの問題が発生している、と判断ができます。

また、現場監督がどのくらいの数の現場を担当しているかを把握しておくことで、丁寧な仕事をしてくれるかどうかの判断材料のひとつになるでしょう。さくら事務所が考える「きちんと仕事ができる現場監督」とは、自分が並行して監理する現場がひと桁であることです。

以上3つのポイントを踏まえて、現場監督の状況を把握しておくようにしましょう。

注意すべき現場監督の特徴をおさえて不具合発生を避けよう

新築一戸建ての不具合発生を避けるには、この記事で紹介した注意すべき現場監督の特徴を押さえておくことが、まず必要になります。もしたった1つでも、注意すべき現場監督の特徴に当てはまったら、現場の管理が行き届いていない可能性があります。

建物の表面からは見えない床下や屋根裏には特に注意しましょう。現場監督が気になった場合は、この記事で紹介した、施主が自分でできる対策をとることが肝心です。ご自身で対策をとってもなお不安が残る場合は、さくら事務所のような建物の専門家にご依頼ください。

さくら事務所では、「新築工事中ホームインスペクション(第三者検査)サービス」として、実際に建物の専門家が現場を見に行くことはもちろん、現場の写真や動画、工程表・図面をお送りいただくだけでもアドバイスすることが可能です。また、現場監督とのコミュニケーションの取り方もアドバイス致します。

新築一戸建てを購入する際には、慎重に検討し、不具合の発生を最小限に抑えるために、工事中の段階から適切な対策を講じることが重要です。ご自身のマイホームに安心して快適に住むために、建物の検査と適切な監理を徹底してもらうようにしましょう。