注文住宅購入者のための電気代節約ガイド!省エネ設計のポイントや家電の使用方法まで

  • Update: 2024-01-04
注文住宅購入者のための電気代節約ガイド!省エネ設計のポイントや家電の使用方法まで

「注文住宅に住んだら、どれくらいの電気代がかかるのだろうか」と疑問に思う方もいるでしょう。特に集合住宅に住んでいる方は、戸建て住宅の電気代事情がわからないため不安に感じるかもしれません。

そこで本記事では、注文住宅における電気代の目安を紹介します。電気代を削減できるポイントや家電の使用方法についても解説しているので、あわせて参考にしてください。

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注文住宅の電気代ってどれくらい?

注文住宅の省エネ設計のポイントを解説する前に、まずは注文住宅における電気代の目安を確認しましょう。ランニングコストの一つである電気代について、平均的な価格を把握しておけば入居後の生活についてもよりイメージが深まるはずです。集合住宅との違いも紹介しているので、あわせてチェックしてみてください。

注文(戸建て)住宅平均的な電気代は約1万6千円

東京都が発行している「2023 家庭の省エネハンドブック」によると、注文住宅の平均的な電気代は4人以上の世帯で16,731円です(中間期・冷房期・暖房期の合計より算出)。なお電気代は世帯人数により、以下のような違いがみられます。

5月(中間期)

8月(冷房期)

1月(暖房期)

1人世帯

6,739円

8,424円

10,425円

2人世帯

9,442円

12,355円

16,181円

3人世帯

11,021円

15,093円

18,603円

4人世帯以上

12,039円

16,813円

21,341円

参考:2023 家庭の省エネハンドブック|東京都

集合住宅よりも注文(戸建て)住宅の方が電気代が高い

東京都が発行している「2023 家庭の省エネハンドブック」によると、集合住宅の平均的な電気代は4人以上の世帯で12,074円です(中間期・冷房期・暖房期の合計より算出)。先ほど紹介した注文住宅の平均値と比較すると、約4,600円安いことがわかります。

このような結果となる要因は、主に以下のとおりです。

  • 家の広さやフロア数が異なる
  • 契約アンペア数が異なる
  • 建物が持つ気密性や断熱性が異なる

注文住宅と集合住宅を比較すると専有面積に違いがみられるため、電気の使用量に差が生じます。たとえば集合住宅に住んでいる方と同じような生活をしていても、照明やエアコンの数などの違いによって電気代が高くなります。また建物の構造によって異なるものの、鉄筋コンクリート造で建てられた集合住宅は気密性や断熱性が高いため、電気使用量の削減が可能です。

参考:2023 家庭の省エネハンドブック|東京都

注文住宅の電気代を削減!省エネ設計のポイント

注文住宅時に省エネ設計を取り入れると、入居後の電気使用量を抑えられ、余分な電気代を支払わずに済みます。

具体的な省エネ設計は、主に以下のとおりです。

  • 高気密・高断熱化を目指す
  • 庇(ひさし)や軒を活用する
  • 適切な窓の配置を心がける
  • 太陽光発電を採用する
  • LED照明を使用する
  • 省エネ家電を積極的に取り入れる

それぞれのポイントについて解説します。

高気密・高断熱化を目指す

注文住宅を建てる際は、高気密・高断熱化を目指しましょう。室内の温度を一定に保ちやすくなり、夏は涼しく冬は暖かい空間を作れます。さらに高気密・高断熱の住宅を建てられると室内で温度差が生まれにくくなり、心筋梗塞などの要因となるヒートショックを予防できます。その結果、快適で過ごしやすい空間が生まれ、安心して暮らせるでしょう。

ただし高気密・高断熱の住宅は壁の内側で結露が発生しやすくなります。そのため注文住宅を建てる際は下記ポイントについて品質の管理をしっかり行い、水分が壁の中を移動しにくい仕組みにすることが大切です。

  • 隙間なく断熱材を充填する
  • 室内側に防湿シートを隙間なく張る
  • 外壁面の防水処理をしっかり行う

庇や軒を活用する

注文住宅を建てる際は、庇や軒を活用しましょう。南面や西面などの直射日光が多く入ってくる窓に庇や軒をつけると日差しを遮れるため、エアコンをはじめとする冷房代を削減できます。「庇があると冬場は日陰になるのでは?」と思った方もご安心ください。冬場は夏場と比べて太陽の高さが低いため斜めに日光が降り注ぎます。そのため庇や軒があっても、程よく日光を取り込めるため問題ありません。

庇や軒は外観の邪魔になると考える方もいるかもしれません。しかし外壁と同系色のものを選んだり、おしゃれな庇を設置したりすることでデザインを損なうことなく電気代を抑えられます。

適切な窓の配置を心がける

注文住宅を省エネ構造にするためには、窓の配置を考慮しましょう。窓は光を多く取り入れられるものの、外壁よりも熱を通しやすい場所です。そのため窓を必要以上に設置してしまうと、断熱性能が低下する恐れがあります。また直射日光による日遮熱を多く取り入れてしまうため、夏場は室内が暑くなるでしょう。

以上のことから大きな窓を設置したい場合は、樹脂サッシやトリプルガラスなど断熱性能の高い窓を採用するのがポイントです。さらに窓を適切な位置に配置すれば風通しが良くなるため、室内にこもった熱を効率よく逃がせます。なお、風通しを意識した窓の配置は以下のポイントに沿って決めてみてください。

  • 一部屋に2箇所設置する
  • 天井の近くに設置する

太陽光発電の採用

太陽光発電を採用すると自宅で使う電力を太陽光で賄えるため、電気代を節約できます。さらに災害時は非常電源としても活用できるため、万が一のときも安心です。

なお太陽光発電によって生まれた電力があまった場合、売電することも可能です。節電だけではなく収益化も目指せるため、お得に生活できるでしょう。

注文住宅を建てる際に、太陽光発電システムをあわせて設置すれば足場設置費が不要になるなど、工事費が抑えられるだけでなく、屋根材の設置前に太陽光パネル設置箇所の防水処理を考慮して施工できます。さらに住宅ローンに太陽光発電の工事費を組み込めるため資金計画が立てやすくなります。

LED照明を使用する

注文住宅を建てる際、LED照明を取り入れると節電効果が期待できます。環境省が発表している情報によると、一般電球を電球形LEDランプに変更すると約86%の省エネ効果が得られます。

年間消費電力量

電気代

一般電球

108kWh

3,348円

電球形LEDランプ

15kWh

465円

参考:LED照明への買い替え効果|環境省

さらにLED照明は一般的な電球よりも長く使用できることから、電球を変える手間や購入費用も抑えられます。注文住宅の場合、照明器具の数や種類が自由に選べます。ダウンライトやスポットライト、外構の照明器具などにLED照明を積極的に採用すれば、電気代の削減効果を得られるでしょう。

省エネ家電を積極的に取り入れる

新居に引っ越すタイミングにあわせて省エネ家電に買い替えるのも効果的です。冷蔵庫やテレビをはじめとする家電は、近年省エネ効果が高まっています。経済産業省が発表した情報によると、以下のような効果が期待できます。

省エネ効果

冷蔵庫

約40~47%(10年前の製品と比較)

テレビ

約42%(9年前の製品と比較)

エアコン

約17%(10年前の製品と比較)

参考:省エネポータルサイト|経済産業省 資源エネルギー庁

冷蔵庫や、テレビ、エアコンは家庭内で最も消費電力が高い家電の3つです。注文住宅購入にあわせて、上記3つの省エネ家電を取り入れることで、電気代を効率よく削減できるでしょう。

なお、電気代が高くなる注文住宅の特徴は以下の動画で詳しく解説しています。これから注文住宅を建てる方は、ぜひチェックしておいてください。

【注文住宅】電気代が高くなるのはどんな家?

電気代節約につながる家電の使用方法

電気代を節約するためには、それぞれの家電の使用方法に注意しましょう。ここからは、以下の家電の取り扱い方法について解説します。

  • エアコン
  • 冷蔵庫
  • トイレ
  • 洗濯機

エアコン

電気代を節約しながらエアコンを活用するためには、以下のポイントを抑えましょう。

  • カーテンを閉めて日差しを遮る
  • エアコンのフィルターを2週間に1度のペースで掃除する
  • 空気の循環を良くするために、室外機の周辺には物を置かない
  • 扇風機やサーキュレーターを併用して空気の循環を促す

室内が快適な温度になると、エアコンを切ってしまう方も多いかもしれません。しかしエアコンは電源を入れたときに多くの電力を消費するため、小まめにオンオフを繰り返すと電気代が上がりやすくなります。そのため短い時間の外出であれば、エアコンをつけたままにしておくといいでしょう。

冷蔵庫

節電につながる冷蔵庫の使い方は、以下のとおりです。

  • 冷気が逃げないようにドアの開け閉めを最小限にする
  • 庫内の冷気を維持するために、食材はしっかりと冷ましてから入れる
  • 冷気の循環を良くするために、食材を詰め込み過ぎない
  • 放熱しやすいように壁などから離して設置する

冷蔵庫は庫内の冷気を保ったり、本体の熱をうまく逃がしたりすると節電につながります。これらのポイントを意識すると、庫内の温度設定をそれほど低くしなくても快適に利用できるでしょう。

トイレ

トイレを利用するときは、以下のポイントに気を付けることで節電効果を高められます。

  • 暑い時期は温水機能をオフにする
  • タイマー機能や節電モードなどを活用し、温水機能や暖房便座をコントロールする

使用頻度の高いトイレは、暖房機能を切っておくと節電効果を得られます。夏は暖房機能が不要な場合も多いため、使用状況を見直してみるといいでしょう。タイマー機能が搭載されている場合は、人のいない時間帯に電源をオフするのもおすすめです。中には人が利用しない時間帯記憶し、自動的に暖房機能をオフにする節電モードが搭載された製品もあります。節電に効果的なので積極的に活用しましょう。

洗濯機

洗濯機の節電ポイントは以下のとおりです。

  • すすぎの回数を1回にして稼働時間を減らす
  • 洗濯機の容量80%を目安にまとめ洗いをする
  • 乾燥時間を短縮する

洗濯機は家族の人数が多いと使用回数が増えるため、いかに稼働時間を減らせるかがポイントです。また電気代が安い夜間を有効活用すると、効率よく節電できます。

注文住宅の電気代節約は省エネ設計が重要!

電気代を節約するためには、LED照明や省エネ家電を活用しましょう。すると日常生活に負担をかけることなく、効率的に電気代を抑えられます。さらに注文住宅は集合住宅よりも電気代がかかるため、設計の段階から注意しなければいけません。特に断熱・気密に関しては建物が完成すると様子を確認できないため、工事中の品質チェックが重要です。

なお注文住宅の品質チェックに不安を感じた方は、ホームインスペクションを活用してみてください。ホームインスペクションとは、住宅に精通したホームインスペクター(住宅診断士)が、第三者の立場から住宅に関するアドバイスをするサービスのことです。

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