間違いのない土地選びのチェックポイント 【治安・地盤編】

  • Update: 2016-10-02
間違いのない土地選びのチェックポイント 【治安・地盤編】
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さくら事務所 編集部

一ロに「間違いのない土地選びといっても、チェック項目は数多くあります。
もちろん、重要事項説明書や不動産売買契約書には土地にまつわる重要な事項が多数記載されていますが、それが自分の要望に合っているかは人それぞれです。不動産仲介会社任せにせず、地盤や道路、上下水道、ガス、電気などひとつずつチェックしましょう。

今回は自分でできる、その土地の治安と地盤チェックについて解説します。

治安チェックは自分の足で

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目ぼしい土地を見つけたら、まずは土地周辺を歩き、街の雰囲気や生活施設がどこにあるかを調べてみましょう。注目すべきは、町内の掲示板や電柱の看板。ひったくりや痴漢への注意などがあれば、そうした犯罪が多い地域かもしれません。都道府県警察によっては、エリアごとに犯罪発生状況をホームページで公表しているケースもあります。単に犯罪が多そうなエリアを避ければよいというわけではなく、建物を建てる際にはセキュリティ対策も意識することが重要です。

次に注目すべきは、ごみ置き場、工場、高圧電線などの一般に「嫌悪施設」と呼ばれるもの。
住んだ後で気がつくと嫌な感じがしてしまいますが、始めから納得して買えば問題は少なくなるでしょう。

地盤のチェックは水たまりから

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最終的には地盤調査を行わないと正確な判断はできませんが、「水たまりができやすい場所は地盤が弱い」と知っておけば、周辺の道路をみるだけで推測できます。

雨の翌日でも側溝に水が溜まっていたり、地盤沈下で路肩の側溝が窪んでいたりするところは要注意です。周辺の建物の基礎もチェックし、コンクリートにひび割れが多いようなら間違いなく地盤が弱いエリアでしょう。地盤が弱いエリアは低地が多く、低地は大雨で冠水しやすいので、自治体のハザードマップを確認してみましょう。比較的標高の高い地域でも、215メートルの浸水が予測されているケースもあるのです。

例えば、東京都杉並区は平均標高が30メートル程度ですが、多くの地域で浸水が予測されてます。(図表1)。
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引用:杉並区 洪水ハザードマップ(浸水予想図)
http://www.city.suginami.tokyo.jp/guide/kyukyu/kouzui/index.html

こうした地域では「都市型水害」が起きる可能性があります。
都市型水害とは、大雨などの場合に雨水の排水処理能力が追い付かなくなることで、周辺において相対的に低いところに、一時的に雨水が集中することで発生します。一般的な都市の雨水処理能力50~60ミリ/時間を想定していますが、ゲリラ豪雨などは100ミリを超えることも。

見ると面白い、古地図の活用

地盤を知るには、明治時代以降の古地図が参考になります。
昔はどんな土地だったのかを知っておけば適切な対策がとれるのです。住みはじめてから、昔は墓場だった!などと知ってショックを受けることもないです。古地図は、地域の図骨館や役所の情報公開コーナーなどにあります。地域を知る意味でも、ぜひ足を運んでみてください。


もちろん最終的には地盤調査を行い、それに見合った地盤改良が必要ですが、それ以前にも、このようにご自分で調べられることはあります。ご自分で足を運べば、より納得がいく選択ができることもあるでしょう。ぜひ参考にしてみてください。

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■記事執筆者(災害リスクカルテ監修)

横山 芳春 博士(理学)
だいち災害リスク研究所所長・地盤災害ドクター

地形と地質、地盤災害の専門家。災害が起きた際には速やかに現地入りして被害を調査。広島土砂災害、熊本地震、北海道胆振東部地震、山形県沖地震、逗子市土砂災害等では発生当日又は翌朝に現地入り。
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