家の新築や購入を考えるとき、どんなことから考えますか?
間取りはどうしよう?どんな雰囲気の内装にしよう?設備はどんなものがいいだろうか?
目に見える部分はイメージもしやすく、希望も描きやすいものです。
ですが、実際に生活する上では耐震性、省エネ性、メンテナンスのしやすさ、など
目に見えないところも大きなポイントになります。
今回は「住宅の性能」についてさくら事務所のホームインスペクター(住宅診断士)が解説します。
住宅金融支援機構による技術的判断「フラット35」
住宅の性能にいわゆる「普通」はありません。
もちろん全ての性能が高いに越したことはありませんが、予算にも限界があります。
どんなところを重視して家づくり、家探しをするのか、いろいろな基準を参考に考えてみましょう。
1つの基準として考えられるのが、「フラット35」の技術基準です。
「フラット35」は、住宅金融支援機構による長期固定金利住宅ローンを借りるための仕組みで、
その融資を行う際の判断基準です。
建物の断熱性や耐久性などの技術的基準が設けられています。
各項目で数値化された「住宅性能評価制度」
「住宅性能評価制度」はマンションや新築戸建のチラシなどで目にすることも多いのではないでしょうか?
この制度では、審査機関によって設計時・施工時の審査を経た物件に
「住宅性能評価書」が発行されます。
以下の10項目を数値化して評価しています。
- 地震などに対する強さ(構造の安定)
- 火災に対する安全性(火災時の安全)
- 柱や土台などの耐久性(劣化の軽減)
- 配管の清掃や補修のしやすさ、更新対策(メンテナンスへの配慮)
- 省エネルギー対策(温熱環境・エネルギー消費量)
- シックハウス対策・換気(空気環境)
- 窓の面積(光・視環境)
- 遮音対策(音環境)
- 高齢者や障碍者への配慮
- 防犯対策
例えばこのうち、耐震性については「耐震等級」によるこのような3段階評価になっています。
等級1は数百年に一度程度発生する地震に耐えられるもの
等級2は等級1で耐えられる地震力の1.25倍の力に対して倒壊や崩壊等しない程度
等級3は等級1で耐えられる地震力の1.5倍の力に対して倒壊や崩壊等しない程度
これらの制度を理解し、うまく活用することで「耐震性を重視した物件なのか」
「省エネ性能はどれくらいなのか」「バリアフリー対策はできているのか」など建物の性格がわかり、
依頼先や物件を絞り込む判断材料にもなります。
ご自分にあった家探し、家づくりの参考にしてみてはいかがでしょうか。