シロアリ、腐食・・・木造住宅のデメリットと対応策

  • Update: 2017-02-16
シロアリ、腐食・・・木造住宅のデメリットと対応策

住宅展示場に行くと住宅メーカー、工務店が軒を連ねて構えていて、木造住宅の他、鉄骨造、鉄筋コンクリート造など種類も多様です。
どの家も素敵に見えて、ひとつに絞れないことも多々あると思います。

今回はさくら事務所がよくご質問いただく木造住宅について、そのメリット・デメリットをまとめたいと思います。

木造住宅のメリットとは?

  • その名の通り木材を使用するので環境に優しく、自然素材にこだわった住宅を建てることも可能。
  • 柱や梁など建物のフレームとなる構造が単純で分かり易く、鉄骨造りなどと比べて増改築などリフォームがし易い。
  • 他の工法とくらべて建築費用を安く抑えることが可能。
  • 国内で最も多く採用されている工法なので、同じ木造でも依頼先を選べる。

デメリットとは?

  • 木材はシロアリや漏水が生じた場合、食害や腐食の進行がはやい。
  • 長持ちさせるためには、他の構造と比べるとメンテナンスはこまめにする必要あり。
  • 火災が生じた際に被害が拡大しやすい(火災そのものだけでなく消火活動によっても)。
  • 現場監督が多棟数かけもちしていることが多く、現場を管理しきれない可能性がある。そうなると職人の技量に頼らざるを得なく、施工の精度が左右されやすい。

デメリット、どう対応できる?

木造住宅にしたい、けれどもデメリットはそのまま受け入れなければならないのでしょうか?そんなことはありません。

さくら事務所が考える対応策をご紹介します。

  • シロアリや漏水などの不具合は早めに気づくことが肝心です。早めに気づけば、被害を最小限にして修繕費用を少なくすることも可能となります。季節の変わり目や暴風雨などの後には建物を点検を行い、異常が無いかどうかチェックを行いましょう。シロアリの薬剤による防蟻処理には有効期間がありますので、期日が迫っている場合には、建てた工事会社、シロアリ専門業者に相談しましょう。
  • 暴風雨などによる突発的な事故もありますが、建物は使用頻度や自然現象により、木造住宅の場合は早いと6、7年目ぐらいから経年劣化と呼ばれる不具合の症状が出てきます。
  • 経年劣化ははじめは小さなものですが、時間が経過すると進行して不具合が大きくなります。保証期間はまだ残っていると思い修繕をしないでいると、保証が切れた時に思いもよらない高額な修繕となる場合もありますので、経年劣化が生じている場合には、定期点検を受けたり、専門家に見てもらったりすると良いです。
  • 木造住宅の火災は、他の構造と比べて火がまわるのが早かったり、消火活動の際に大量の水を使用するため、被害範囲が広がることがあります。最近では火に対して被覆をしている木造建築もあるので一概には言えませんが、被害後の処理は甚大です。火災保険に加入しておくことをおすすめします。

工事の施工精度や不具合の対策として重要なのは、建物を建てる際に住宅メーカーや工務店に全てお任せにしてしまうのではなく、ご自身でも工事現場に興味を持ち、こまめに足を運ぶことです。

建て主や買主の建物に対する思い入れや、工事を気にしていることが現場監督や職人に伝われば、仕事への姿勢も変わってきます。

それでも異常を感じたり、不具合が目立つ場合には、すぐに担当者と協議をしたり、ホームインスペクターなどの専門家にアドバイスしてもらいましょう。

あまり足を運ぶことなく後から不具合に気付いたときは、改修工事に時間が掛かったり、一部不具合を受け入れなくてはならない場合もあったりします。ご注意ください。