視界を遮るものが少ないというマンションの大きな魅力。実は・・・
マンションの中層・高層階は、一戸建てに比べると周りの建物に日差しを遮られることがあまり多くありません。
そのため、「日当たりが良い」ことをメリットに感じて住んでいるマンションが、初夏から初秋にかけては「暑すぎる!」というケースも。
断熱対策として二重サッシにしてみようかな?
そう思っても、共用部分にあたる窓ガラスを修理・交換するには、管理組合の承認が必要となるのがほとんど。
簡易的にできる西日対策としてカーテンで防ぐ方法がありますが、明るさや眺めの良さも遮ってしまうのはなんだか残念ですよね。
そんなときのお役立ちアイテム、「ガラスフィルム」という製品があります。
このガラスフィルム、マンションの中層・高層階だとしても明るさはそのままで、暑さを少し軽減することができるのです。
日焼けの原因は「紫外線」、一方暑さの原因は?
女性の方は特に、日差しを浴びると気になってしまうのは「紫外線」ですよね。
紫外線は人の肌や目に影響を及ぼすだけではなく、家具や内装が色あせる原因にもなります。
では、日差しの”暑さ”の元はなんでしょう。
それはズバリ「赤外線」です。
いまのガラスフィルム製造の技術では、赤外線は100%カットすることは難しいのです。
しかしそれでも、夏の紫外線を50~90%遮断することができる製品があります。
赤外線を遮ることができるフィルムを「遮熱フィルム」などと呼びます。
(注意1)赤外線をカットできても、外気に触れている以上ガラスそのものが暑くなりやすいため、暑さがまったくなくなるわけではありません。
真夏などはフィルムを貼っていても窓周辺は高温になることがあります。
(注意2)1枚のガラス面積がとても大きい窓や、火災時の飛散防止用網入りガラスの窓などは、遮熱フィルムを貼ると「熱割れ」が起きるため施工できないことがあります。
依頼する施工店に施工可否を確認しましょう。
管理組合の承諾なしで施工できる
遮熱フィルムの利点、それは室内のガラス表面(=専有部分)に貼るため、マンションにお住まいの方でも管理組合の承諾なしに施工できることです。
ガラスに水を拭きかけてくっつけるという作業なので、工事音は一切出ず、近所の方にも迷惑をかけることはありません。
(注意1)透過性が高い製品は、適切に施工してもらえれば景色の色が変わったり濁って見えることはほとんどありません。
しかし、外から室内を見られない「ミラー効果」があるフィルムを貼る場合は、外観が変わる可能性があります。
念のために管理組合に事前に相談したほうがいいでしょう。
(注意2)ガラスの色や見え方の変化が心配な方は、発注する店に事前にサンプルなどを送ってもらうなどしてみましょう。
適切な施工が必要!
遮熱フィルムは防犯フィルムとは異なりますが、災害時などに万が一ガラスが割れたとき飛び散りにくくなります。
遮熱や防犯、飛散防止などの性能は、適切に施工されたときに発揮されます。※防犯目的のフィルムも別途販売されています。
一見貼りやすそうに見えるフィルムですが、気泡や隙間ができないよう貼るのはなかなか難しいもの。
そのため、大手フィルムメーカーでは、施工技術を持った指定の施工店にしか卸さず、製品が一人歩きしないようにしています。
住まいは長く快適に住みこなしたいもの。季節の移り変わりを念頭に置いて、自分なりに住まいを点検したり、住み心地がよりよくなるような工夫を考えてみましょう。