9月は「短時間強雨」に要注意!一戸建て住宅での日頃の対策

  • Update: 2017-08-21
9月は「短時間強雨」に要注意!一戸建て住宅での日頃の対策
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さくら事務所 編集部

近年、1時間に50ミリ以上の雨が降る「短時間強雨」の発生が増えています。特にこれから迎える9月、1日に100ミリ以上の大雨が増加する傾向にあります。各地での度重なる被害状況を見ても、今後は地震対策だけでなく「住まいの雨対策」も考えておく必要があるでしょう。

今回はホームインスペクター(住宅診断士)の見地から、大雨被害を抑えるために日頃から気をつけておきたい戸建てのポイントをご紹介します。

側溝、排水口のゴミは、冠水外周の水はけ注意

まずは、外回りから。

側溝や排水口、雨樋は日頃から掃除して水はけを良くしておきましょう。ゴミがたまっていると排水ができず、水が溜まってしまうことも。湿った状態が続くと防水層(雨水の浸入を防ぐために表面に施工されている層)の劣化を早めることにもなります。

また、バルコニーで排水ができないと、階下に漏ってしまったり、構造躯体に影響することもあります。

漏水

たとえばこちらの写真。バルコニー下ではありませんが、水漏れ跡が確認できます。このまま放置しておくと内部の木材が腐ってしまいます。

風で飛ばされそうな物は固定する、もしくはしまっておく

ベランダに物干しや鉢植えを置いている場合、雨風が強まる前に室内に入れるか、固定しておきましょう。万が一、風で飛んでしまった場合、自宅や近隣の窓ガラスを破損させてしまう可能性だけでなく、通行人に怪我をさせる恐れも。

台風が来てから外に出るのは危険なので、あらかじめ予報の段階で対応しておきましょう。

 

外壁でチェックすべきはシーリング部分

シーリングサイディングなどの外壁材の目地(写真矢印)や、エアコン配管などの貫通部、サッシまわりなどは、シーリングという防水材が充填されていますが、ここが劣化していると、建物への被害が大きくなる可能性があります。ひびが入っていたり、固くなっていたら要注意。埋めるなどの補修や、時期によっては打ち替えも検討しましょう。隙間から壁内部に雨水が浸入すると、こちらも構造躯体の腐食につながります。

外壁の貫通部の防水は、実際のインスペクションでも必ずチェックする重要な項目です。

 

室内での対策は、避難経路の確保から

洪水ハザードマップで床上浸水を予測されるエリアや、大きな河川沿いでは、室内の対策もチェックしましょう。

大事なのは室内避難経路の確保です。大きめの家具は避難経路におかない、家具は固定しておく、など地震対策にも共通しますが、ご入居の際にぜひ参考になさってみてください。


いかがでしたでしょうか?

9月の長雨シーズンを前に、戸建てにお住まいの方はぜひチェックしてみてください。

 

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■記事執筆者(災害リスクカルテ監修)

横山 芳春 博士(理学)
だいち災害リスク研究所所長・地盤災害ドクター

地形と地質、地盤災害の専門家。災害が起きた際には速やかに現地入りして被害を調査。広島土砂災害、熊本地震、北海道胆振東部地震、山形県沖地震、逗子市土砂災害等では発生当日又は翌朝に現地入り。
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