戸建て住宅は床下のコンディションが重要!チェックしておきたいポイントをご紹介!

  • Update: 2020-02-10
戸建て住宅は床下のコンディションが重要!チェックしておきたいポイントをご紹介!

戸建て住宅のコンディションは、床下をチェックするとよくわかることはご存知でしょうか?
普段はほとんど目にする機会はありませんが、建物にとって悪い影響を与える欠陥や劣化、不具合などが潜んでいる可能性が高い場所でもあります。 ところが、なにか問題があっても気づきにくいため、二次被害につながるなど、さらに大きな問題へと発展することもあるのです。 今回は戸建て住宅の床下チェックでなにがわかるのか、そして重要なチェックポイントについて解説いたします。

床下には欠陥やトラブルが隠れている可能性も

床下には、気づいていない欠陥やトラブルなどさまざまな問題が潜んでいる可能性があります。
例えば次のような内容です。

  • 水道配管からの漏水
  • 床断熱材の脱落、欠損
  • 金物の取り付け不良
  • 木材のカビ、腐朽
  • シロアリの発生
  • 基礎のひび割れ、欠損
  • 工事のときのゴミ、廃材の残存

これらの問題が床下で起こると、内容によっては構造を傷め建物の耐久性を低下させてしまうことがあります。耐久性が著しく低下した建物は、地震発生時には本来の耐震性能を発揮できず安全を脅かす可能性もあるでしょう。
また、床下の湿度が高い状態が続くとシロアリやカビ、ダニなどの発生原因にもなり、住む人の健康にも影響を与えることがあります。床下のコンディション不良は床下だけの問題ではなく、建物が持つあらゆる性能低下につながる可能性があるのです。
床下は欠陥やトラブルが隠れていても日常生活で気づくことは難しく、建物の機能を適正に維持するためにも、目視でチェックする機会を設けることが必要といえます。

目視による床下チェックはホームインスペクション(住宅診断)が有効です。
ホームインスペクション(住宅診断)は、専門家の見地から住宅の劣化状況や欠陥の有無、改修すべき箇所などを見きわめ、第三者的な立場から現況をお知らせし、助言を行うものです。

床下のおもなチェックポイントについて

床下は建物のコンディションを確認するうえで、必ずチェックしておきたい場所のひとつです。
ホームインスペクション(住宅診断)で、床下のどのようなことをチェックするのか、そのポイントについて解説いたします。

基礎

基礎の劣化状況を確認します。おもにひび割れや欠損、鉄筋の露出などの不具合が無いかをチェックします。
コンクリートのひび割れには、構造や耐久性に影響があるものとそれほどではないものがあり、それらを見きわめ必要に応じて対処することが重要です。構造や耐久性に影響のある可能性が高いものには、「幅0.5mm以上のひび割れ又は深さ20mm以上の欠損」などがあります。
これは国土交通省が策定した「既存住宅インスペクション・ガイドライン」に定められている基礎部位において検査対象とする劣化事象等、に記載されている基準です。
また、鉄筋の露出があると錆びて膨張し、コンクリートを内側から破壊しながらその範囲を拡大させるため、適切に措置しなくてはいけません。
その他にも、換気口の状況やシロアリの害(蟻道の有無)などについてもチェックします。

断熱

床下に断熱材を施工している場合、その設置状況などを確認します。
断熱材の固定があまいと、たるみや脱落によって隙間や欠損が生じることがあります。断熱層に隙間や欠損が生じるとそこから熱が逃げるため、足元が寒くなったり暖房の効率を低下させたりするなどエネルギーのロスにつながるため、修繕されることをお勧めします。

水道配管

床下に配置している水道の給排水管の状況を確認します。
水道配管は、損傷や劣化が原因で水漏れを起こすことがあります。重要な構造にまで水分が及ぶと、カビの発生やあるいは腐朽までいたると建物の耐久性に影響を与える可能性があるため早急に修繕しなければいけません。 また排水管の適正な勾配確保や、固定状況などもチェックします。

湿気

床下は、換気不足や漏水、雨漏り、あるいは周辺環境などが原因で湿度が異常に高い状態が続くことがあります。湿度が異常に高まっている環境は、構造材の腐朽やシロアリの繁殖など、さまざまな悪影響を与えることがあります。構造の劣化は建物にとって深刻な問題で、症状が進行すると徐々に耐久性を低下させるため注意が必要です。
床下の湿気をチェックする効果的な方法として「含水率」の測定があります。 木材を腐らす「腐朽菌」は20%以下の環境にあると生息が困難といわれていますが、それ以上にある場合は状況に応じた対策が必要となるでしょう。木造住宅の健康状態を知る方法として、「含水率」は非常に有効な指標となります。

メンテナンスはしやすい環境か?

床下のメンテナンスは実際に侵入して詳細にチェックすることが効果的です。そのためには点検口が備わっている必要があります。
点検だけでなく、漏水などトラブルが発生した場合でも点検口から侵入して必要な修繕をすることができます。 築年数の古い住宅などは点検口がない場合もありますが、問題が発生した場合は床の一部を解体する必要があるなどたいへんです。点検口がないことはリスクを抱えているともいえ、メンテナンスをしながら性能を維持することを考えると設置を検討するのもよいかもしれません。
とくに問題が発生しやすい水回り設備の周辺にあると、定期的な点検や修繕にも便利です。
また、床下が一箇所からすべての場所に進入していければよいのですが、数区画に分かれていた場合は網羅できるように点検口が複数箇所にあるとメンテナンス効果も高まります。

中古住宅の購入時も床下チェックが効果的!

中古住宅を購入する際にも、床下をチェックすることが重要なポイントになります。目に見える部分はきれいにしていても、隠れた部分の劣化が進行していることなどは珍しくありません。床下は重要な構造や水道配管など建物のコンディションを知る多くの要素があります。場合によってはシロアリの被害や基礎の欠損などが生じている可能性もあります。
契約前にチェックすることで、トラブルを抱える物件を購入するリスクを回避することが可能です。
また、床下だけでなく建物全体のコンディションをチェックすることで、リスク回避の効果をいっそう高めます。


床下は日常生活でなかなかチェックする場所ではありません。 ただし知らない欠陥やトラブルが潜んでいる可能性もあり、なにか問題が起こってしまうと気づくのが遅れ症状が悪化してしまうことも考えられます。 したがって、問題は起こっていないか、あるいは起こっているなら事態が悪化しないよう、確認作業を主体的に行う必要があるのです。 長く住むためには床下の環境を良好に維持することも重要なポイントのひとつです。 大事なマイホームの健康管理にホームインスペクション(住宅診断)をご検討ください。