新型コロナの影響で新築一戸建て工事が中断、そんなときの注意点

  • Update: 2020-04-27
新型コロナの影響で新築一戸建て工事が中断、そんなときの注意点

新型コロナ感染拡大は、新築一戸建てなどの工事現場にも影響が出ています。

緊急事態宣言の全国拡大を受け、先日は大手ハウスメーカーが工事を中止するという方針を発表しました。

さくら事務所では新築一戸建ての工事中のチェックサービスを行っていますが、かねてから、さまざまな理由で工事が中断してしまった、というケースを見てきました。

そこで、今回は新築一戸建てを建設中の方に向け、工事が中断してしまった際にチェックしておきたいポイントについて、さくら事務所のホームインスペクター(住宅診断士)が解説します。

また、「工事中断の間に雨が降ったら、完成後の建物に影響はないのか?」という点についても、工事中断のタイミング別にその注意点をご紹介します。

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新築一戸建ての工事中断の際に気を付けるべき7つのポイント

新型コロナ感染拡大の影響に限らず、また中断したのが工程のどのタイミングであっても、以下のポイントは工事が中断したらできるだけ確認しておきましょう。

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工事が中断している間の、雨対策はできているか?

工程のタイミングによっては完成後の建物の品質に影響があるかもしれません。雨が降った場合、どのような対策を考えているのか、確認しておくといいでしょう。

工事中断中の防犯対策はできているか?

工事中断の間、工事現場は留守になります。資材の盗難の可能性もあります。完成後の建物に影響はなくても、気持ちのいいものではありません。

火の元になりそうなものは撤去されているか?

工事現場で火の元の不注意からの火災も起こり得ます。

ゴミや資材など片づけられているか?

乱雑にさまざまなものが放置され、夜逃げのような状態で放置されてしまう残念なケースもあります。ゴミや資材が散乱していると、火の元になるのはもちろん、ゴミが飛散して近隣住民に迷惑を掛けてしまうこともあります。自宅の周りに片付いていない現場があると、気分も良くないですよね。

地震などの自然災害が起きた際、工事現場の巡回はしてもらえるのか?

もし災害があった際、工事現場に影響はないか?確認してもらえるのか?きちんとタイミングを見て確認してもらいたいものです。例えば、大雨による水害があった場合、建物が大きなダメージを受けているかもしれません。また、足場が掛かった状態で台風などの突風にさらされた場合、足場が倒れてしまう可能性もあります。

工事再開の際、雨の影響はなかったかの状況は報告してもらえるか?

雨の影響を受けて、どうしても工事のやり直しが発生する可能性もあります。何をどのように確認し、いつ報告をもらえるのか、事前にできるだけ具体的に確認しておきましょう。想定される悪いケースの対応についても、確認しておくと安心です。

工事再開のめどをどれくらいに考えているのか?新しい工程表はもらえるのか?

工事が中断されれば、完成・引き渡しが遅れる可能性もあります。工事再開時、無理に引き渡しに間に合わせるような突貫工事を生まないためにも、工程への影響や引き渡しまでのスケジュールについても、状況に応じて確認しておくといいでしょう。

工程別にみる、工事が中断したときに注意したいポイント

基礎工事中に工事が中断した場合

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着工後、基礎の鉄筋までは組んだものの、コンクリートの打設(流し込み)がされないまま、工事が中断してしまった場合。

鉄筋がむき出しの状態に、「空気中の水分でさびてしまうのでは?」「中断している間に、雨が降ったら?」と心配される方も多いでしょう。

ですが、鉄筋は多少錆がついても過度に心配する必要はありません。

工事を再開する際に、適宜ワイヤーブラシなどで清掃する程度で基本的には問題ないでしょう。

ですが、コンクリートの打設後は、基礎と建物をつなぐ「アンカーボルト」がサビていないか要注意です。

アンカーボルトは錆防止の加工がされていますが、長時間雨にさらされた場合は、表面の加工がはがれて錆びてしまうこともあります。

表面の加工がはがれてしまうと、その後も空気中の水分で錆びてしまうこともあります。

耐久性の劣化にも繋がる可能性がありますので、状態を確認し交換が必要なケースもあります。

上棟を前に工事が中断した場合

基礎工事完了後、上棟前に、基礎の上にその土台となる木材を敷き(土台敷き)、床下地となる合板を貼っていきます。

上棟まであと少しのこのタイミングで、工事が中断してしまった場合は、どんな点を注意すればいいのでしょうか?

1階の床下地合板は濡れないよう、しっかりと養生をしてもらいましょう。

通常は木材が濡れても乾燥すれば問題ありません。

最近使用される木材は、内部の奥まで乾燥している乾燥材と呼ばれるものを使用しています。

表面が濡れても、水分が奥に染みこむのには時間がかかります。雨が上がれば乾燥し始め、ほぼ元の状態に戻ります。

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茶色に変色している程度なら問題ありませんが、乾燥した後も凸凹している、水を吸って異常にふくらんでいる、波打っている場合は要注意です。

特に、一度濡れて乾ききらないうちにまた雨が降り、濡れた状態で放置されてしまうと凹凸ができやすくなります。

合板の上にフローリングを敷くので、合板は真っ直ぐであることが大前提。

下地が凹凸のまま、フローリングが張られてしまうと、床鳴りの原因にもなります。

膨らみ過ぎたり、腐食の場合には本来の性能が得られないため、交換が必要な場合もあります。

基本的にはブルーシートなどでしっかり養生されているかと思いますが、昨今の職人不足もあり、養生まで手が回らなかった、という残念な例も過去にはありました。

上棟後に工事が中断した場合

上棟が住んでいる場合、雨ざらしになっていてもそこまで心配する必要はありませんが、木部など変色しているところがないか確認しましょう。

上棟はしたものの、防水工事をしないまま雨水が溜まってしまっていたり、湿った状態が続いたりすると、カビや腐食の原因になることもあります。

床下地合板はここでも変形などないか、確認しておきましょう。

工事再開時には、念のため木部の含水率を確認できるといいでしょう。その際、20%以下が目安になります。

よ くあるトラブルとして挙げられるのが、木部を乾燥させる前に断熱材や壁・床を取り付けてしまうケースです。

断熱材が雨水を吸い込んでしまい、断熱材本来の性能を発揮できなくなることもあります。

外壁の施工まで終わって工事が中断した場合

外壁の施工まで完了していれば、雨の影響を受けることは少なく、そこまで心配しなくてもいいでしょう。

ただし、工事再開のタイミングでは室内側に雨染みがないかは念のため確認しておきましょう。

また、雨で敷地が冠水して、床下に雨水が浸入しているケースもあります。

床下は雨水が浸入すると、蒸発しにくく、床下でカビが発生することもあります。

工事再開の際は、床下の確認もできると安心です。

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多くの方が初めてのマイホーム建築かと思います。

今のような非常事態と重なり、不安を感じる方は多いでしょう。

気になる方は、まずどんなことが不安か?今の状況でどんな点に気を付けるべきか、お気軽にお問合せください。

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また、さくら事務所の工事中インスペクションでは、新築工事中の現場をホームインスペクター(住宅診断士)が第三者の目でチェックを行っています。こちらもお気軽にご相談ください。