新築戸建てのインスペクション、いつ実施するのがベスト?

  • Update: 2021-12-23
新築戸建てのインスペクション、いつ実施するのがベスト?

夢にまで見た新築一戸建て!しかし、万が一、夢にまで見たマイホームに何らかの不具合があったら?そうした不具合を見つけるために、ホームインスペクションを利用するという選択肢があります。

ただ、ここでひとつ気を付けなくてはならないのが、インスペクションを入れる時期によっては、修繕が正しく行われないケースや、修繕が行われても費用が発生してしまうケースがあることです。

今回は、一戸建て購入時に最も効果的かつ現実的なインスペクションを入れるタイミングについて解説していきます。

インスペクションを入れるべきベストなタイミングとは

インスペクションを入れるべきベストタイミングとは

「契約申し込みをする前」のインスペクションは現実的ではない

買主の立場から不動産取引の流れに従って説明していきますと、まずは「契約申し込みをする前」というタイミングがあり、この時期にインスペクションを入れることは可能です。

ただし、売主によっては、インスペクションを入れることに難色を示すところも多いです。例えば人気のある物件では他にも購入希望者が多く、売主としてはスムーズな取引を求めるため、「他にも希望者がいますので」という態度に出ることが多いということです。

「購入申し込み後から売買契約を締結する前」が理想的なタイミング。ただし…

次のタイミングは「購入申し込み後から売買契約を締結する前」です。実質、インペクションを入れるタイミングとしてはこの時期が第一段階になると言っていいでしょう。

メリットとしては、やはり、購入する前に不具合が発見できる可能性があるため、引き返すことができる、つまり契約を取りやめることができるということです。

また、不具合が見つかり「その不具合が気になるけど買いたい」という思いがあった時に、不具合を直してもらうことを売買契約の条件に盛り込むことができますし、直すのが難しい不具合である場合はそのぶん料金のディスカウントを交渉することも可能。インスペクションを実施するタイミングとしては一番いい時期だと言えます。

デメリットとしては、新築戸建ての場合には特に、この「購入申し込み後から売買契約を締結する前」のタイミングであってもインスペクションを入れることに反対する売主が一定の割合でいるということです。売主の反応によっては、強引にインスペクションを実施することで心象を悪くしてしまうことは避けたいもの。最もおすすめの時期ではありますが、実施すること自体が一概に難しいわけではありません。

現実的にベストなタイミングは「売買契約締結から引き渡しまでの間」

そのタイミングでのインスペクションができなかった場合、次に来るのは「売買契約締結から引き渡しまでの間」です。

この時期のメリットは、契約が締結されているわけなので売主に法律上の補修責任が伴うため、修繕対応に応じてくれることが多いということ。

逆にデメリットとしては、何か不具合が見つかったとしても、基本的には契約解除ができないということ。もちろん、修繕が物理的に難しくそのままでは生活ができないほどの不具合があるなど「契約した目的が達成できない場合」は解除が可能ですが、そこまでのケースはほぼ見られません。

「引き渡し後」のインスペクションも有効だが、アフターサービスの期間に要注意

では、引き渡しが済んだタイミングでのインスペクションはどうでしょうか。

引き渡し後のインペクションも有効ですが、これは「条件付き」だと考えておいてください。新築戸建ての不動産取引においてはアフターサービスが定められていることが多く、その期間内であれば、という条件です。

アフターサービスは売主が定めるものなので、分譲会社、建築業者など売主によって異なるものの、一般的には2年以内、5年以内、10年以内などと保証する箇所や内容によって期間が区切られています。構造耐力上主要な部分で発生する不具合や雨漏りが起きてしまうなどの不具合は10年目まで保証されているものの、その他の細かい部分に関しては2年目まで、といったように不具合の内容によって期間が異なることが一般的です。まずはアフターサービスの内容とその期間を確認しておくべきです。

引き渡し後のインペクションは「条件付き」で有効であると書きましたが、これは上記の通り、アフターサービス基準の内容によって売主に修繕してもらえるかどうかが異なってくる場合があるということです。ただし、引渡し直後であれば明らかな施工ミスと見られる不具合については売主の責任で直してもらうといったことも可能です。引き渡し後であっても、出来るだけ早めに確認をすれば有意義なものになるでしょう。

インスペクションで見つかったあり得ない不具合

傾いた物件、床下に水が溜まった物件…早めのインスペクションで不具合を洗い出す

ここからは、インスペクションで実際に見つかった不具合について紹介していきましょう。

まずは、建物の傾きです。実は住宅には「住宅の品質確保の促進等に関する法律」、通称「品確法」という法律があり、その品確法において、建物の傾斜は「1000分の3未満の勾配の傾斜」に収まる施工精度にしなくてはならないと定められています。

ところが、法律の基準を上回る1000分の4、1000分の5の勾配が実際にあったとしても、体感ではなかなか気づくことができません。中には、入居後に本棚を並べた際に下部はぴったり合っているのに上部に隙間ができてしまい、それで傾きが発覚したというケースもあります。

また、床下に水が溜まっていてプール状態になっていた、なんてこともありました。排水管から漏水していた、工事中に降った雨水をきちんと処理せずに工事を進めていた、といったことが原因です。こうした場合は、ポンプや布・スポンジを使って水を排水し、送風機を入れて床下を乾燥させます。場合によっては、木材の消毒・除菌も必要になります。濡れてしまった範囲や状況によっては木材を交換するという場合もあり、床をすべて剥がして工事をしなくてはならなくなることもあります。

こういった不具合が見つかった場合、構造的に大きな問題のないところであれば軽微な修繕で済むかもしれませんが、建物の全体に関わる部分だと大がかりな工事が必要になります。引っ越しを済ませてしまっていたら、どこかに仮住まいをしなくてはならず、膨大な時間とお金が必要になります。

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新築一戸建てホームインスペクション・内覧会

インスペクションで不具合が見つかった場合、契約前であれば契約を取りやめることができますし、契約が済んでしまったあとでも引渡し前であれば、売主側に修繕や費用負担を交渉しやすくなります。いずれにしても、インスペクションはできるだけ早く入れることが必要です。

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また、「インスペクションをいつ入れるべきか」という段階からでもご相談いただけます。タイミングに迷われている場合は、ぜひお気軽にお声がけください。