築35年のマンション購入で後悔しにくい人ってどんな人?メリット・デメリットも合わせて解説

  • Update: 2023-12-07
築35年のマンション購入で後悔しにくい人ってどんな人?メリット・デメリットも合わせて解説

中古マンションを購入したいと考えたときに、築年数を気にする人は多いでしょう。数ある中古マンションの中でも築35年のマンションは購入の狙い目とも言われており、人気の高い物件です。とはいえ「いつまで住めるのだろうか」「買って後悔しないだろうか」と不安に思う人もいるでしょう。

そこで本記事では、築35年マンションの購入がおすすめな人を紹介します。中古マンションを購入するメリットやデメリットも併せて解説しているので参考にしてください。

中古マンションホームインスペクション

築35年マンションの購入に向いている人とは?

中古マンションをお得に購入するなら築35年マンションはおすすめのタイミングと言われています。なぜなら、マンションの購入費用を大幅に抑えられるため、リフォームやリノベーション・耐震対策などに費用をかけられるからです。

とはいえ、考え方には個人差があるため、中古マンションの購入を検討しているすべての人に築35年マンションをおすすめできるわけではありません。以下の条件に当てはまる人こそ、築35年マンションの購入のメリットを最大限に活かせるでしょう。

  • リフォームやリノベーションを前提に購入する人
  • 立地条件にこだわりたい人
  • 自己資金で購入を検討している人
  • じっくり物件を比較検討できる人

どのような人が築35年マンションの購入に向いているかを詳しく解説します。

リフォームやリノベーションを前提に購入する人

築35年マンションは、リフォームやリノベーションを前提として購入する人におすすめです。なぜなら、築35年マンションは経年劣化によってさまざまな箇所に不具合が生じており、専有部分のリフォームを必要とする場合が多いからです。

例えばキッチンやトイレをはじめとする水回りの設備機器の交換目安は10〜20年程度とされており、多くの場合において取り替えが必要です。他にも壁やフローリングなどの内装仕上げ材にも経年劣化が生じるため、リフォームされていない状態で住み始めるのは難しいかもしれません。

そのため「リフォームをして好きな空間にしたい」「マンションの購入費用を抑えつつ、リフォームやリノベーションにお金をかけたい」などと考える人に築35年マンションは向いています。

立地条件にこだわりたい人

立地条件にこだわりたい人は、築35年マンションの購入を視野に入れてみましょう。

駅周辺などの立地条件の良いエリアには、築古マンションが多く建設されている傾向にあります。

新築マンションであれば内装がきれいだったり、最新の設備が搭載されていたり、といったメリットがあるものの、立地条件では劣る可能性もあるでしょう。特に将来的にマンションを売却する可能性があるのであれば、立地条件の良いエリアのほうが買い手が見つかりやすくなります。

自己資金で購入を検討している人

自己資金での購入を検討している人にも、築35年マンションがおすすめです。

一般的にマンションを購入する場合は、住宅ローンを活用する人が多いでしょう。しかし、中古マンションは借入条件などに制限があるため、新築マンションのような好条件で住宅ローンが組めない/融資が受けられないことも珍しくありません。

また、築35年マンションのような築古マンションは、新築マンションよりも安価であることが多く、購入しやすい価格で販売されています。以上のことから、自己資金で中古マンションを購入したいとお考えの人は築35年マンションを視野に入れてみるといいでしょう、

じっくり物件を比較検討できる人

築35年マンションは「今すぐマンションを購入したい」と考える人よりも「さまざまな物件を比較したうえで最終的な判断をしたい」と考えている人に向いています。

なぜなら築35年マンションを購入する場合、管理状況の見極めをしたり、大規模修繕のタイミングをチェックしたりと、あらゆる点を加味したうえで購入を決断すると後悔しにくくなるからです。

例えば、大規模修繕を間近に控えている場合は、入居後に修繕積立金の臨時の徴収や値上げが発生する可能性があります。そのため、「次の大規模修繕はいつあるのか」などを確認してから購入すると、入居後のランニングコストの負担を軽減できるでしょう。物件に関する情報をしっかりと集めて比較検討できれば、さまざまなリスクを減らしながら快適なマイホームを手に入れられます。

中古マンションを購入する際のメリット・デメリット

ここまで築35年のマンションに焦点を当てて解説してきましたが、そもそも中古マンションの購入にはどのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか?

中古マンションを購入するメリットやデメリットは、主に以下のとおりです。

【メリット】

  • 新築マンションよりも購入費用を抑えられる
  • 資産価値が下がりにくい
  • リフォームやリノベーションで住みやすい空間を作れる

【デメリット】

  • 必ず売却できるとは限らない
  • 思うように間取りを変更できない可能性がある
  • ランニングコストが高くなりやすい

中古マンションには新築マンションにはない魅力がある一方で、さまざまな点を考慮したうえで購入を決断する必要があります。以下のメリット・デメリットを参考にしていただき、後悔のない中古マンションを選んでみてください。

メリット1:新築マンションよりも購入費用を抑えられる

中古マンションは、新築マンションよりも購入費用を抑えられるのがメリットです。まれに新築物件より価格が高騰するケースがあるものの、基本的には築年数に応じて販売価格も下がります。

公益財団法人東日本不動産流通機構が調査した「首都圏不動産流通市場の動向(2022年)」によると、築年数が経過するほど価格が安くなる傾向にあることがわかります。

引用:首都圏不動産流通市場の動向(2022年)|公益財団法人東日本不動産流通機構

たとえ築年数が経過していても、しっかりと管理されているマンションであれば、リフォームやリノベーションによって新築同様の空間に生まれ変わるでしょう。そのため購入費用を抑えつつ、好きな空間にリフォームやリノベーションしたい人に中古マンションは人気の物件です。

メリット2:資産価値が下がりにくい

マンションは、資産価値が下がりにくいのも特徴の一つです。国土交通省がまとめた「中古住宅流通、リフォーム市場の現状」によると住宅の資産価値は以下のように変化します。

             中古戸建住宅の価格査定の例

引用:中古住宅流通、リフォーム市場の現状|国土交通省

例えば木造戸建住宅の場合、築後20年で査定価格は著しく減少しますが、マンションの場合、一定の資産価値が維持されやすいことがわかります。立地や築年数、管理状況などの条件が整っていれば、資産価値があがる可能性もあります。そのため「将来的に住み替える予定がある」「いつか売却したい」などと考える人には、中古マンションをおすすめできます。

メリット3:リフォームやリノベーションで住みやすい空間を作れる

中古マンションは、リフォームやリノベーションをすることで新築同様もしくはそれ以上の住みやすい空間を作れます。例えば水回りを最新の設備にしたり、こだわりのある内装に仕上げたりもできるでしょう。

なお、中古マンションは購入費用を抑えられるため、その分リフォームやリノベーションにコストをかけられます。立地や日当たりなどさまざまな条件を重視しながら、お気に入りの物件を見つけてみてください。

デメリット1:必ずしも売却できるとは限らない

中古マンションは、必ずしも希望通りの価格やタイミングで売却できるとは限らない点に注意しましょう。中古マンションの売れ行きは、そのときの社会情勢や経済状況によって大きく異なります。また、売却するころには今よりも築年数が経過しているため「いつ売るか」も重要なポイントです。

なお先ほども解説したとおり、中古マンションの売却を視野に入れている場合は立地など、マンションの資産価値を重視したうえで、例えば以下のようなポイントを考慮しながら購入を検討するといいでしょう。

  • 住みやすい間取りか
  • 人気のあるエリアか
  • ブランドマンションに該当するか

将来的に売却の可能性がある場合は、築年数が経過しても資産価値を維持できる中古マンションを選ぶこともポイントです。

デメリット2:思うように間取り変更できない可能性がある

先ほど中古マンションのメリットではリフォームやリノベーションで住みやすい空間を作れると紹介しましたが、物件によっては自由にリフォームやリノベーションできない場合がある点に注意しましょう。

例えば、築年数が経過しても資産価値を維持、もしくは上昇しているヴィンテージマンションの場合、フローリングを禁止していたり、防音床材に使用制限があったりする物件が存在します。このような管理規約があると、こだわりのある空間を作れない場合もあるでしょう。

また、マンションの構造や配管の位置によっては自由に間取りを変更できない可能性があります。特に「水回りを移動させたい」「壁の位置を変えたい」といった大規模なリフォームやリノベーションを考えている場合は、事前に確認しておくと安心です。

デメリット3:ランニングコストが高くなりやすい

中古マンションは購入費用を抑えられるものの、ランニングコストが高くなりやすい傾向にあります。ランニングコストには管理費や修繕積立金、設備の修繕費などが挙げられます。特に修繕積立金は物件の築年数が経過するほど高くなる傾向にあるため、ランニングコストを視野に入れたうえで購入を決めなければいけません。

なお、中古マンションは定期的に大規模修繕を行います。修繕積立金が計画通りに積立てられていない物件に関しては、臨時で修繕費を徴収される場合があります。そのため、中古マンションを購入する際は、大規模修繕のタイミングを確認しておくと安心です。

築35年のマンションはいつまで住める?

マンションは理論上、100年以上持つと言われています。日本最古の鉄筋コンクリート(RC)造の高層アパートと言われている長崎県の軍艦島の集合住宅は、大正5(1916)年に建てられてから60年近く使用されていました。今は荒れ果てており住むことはできないものの、計画的な修繕を行っていれば使用し続けられたと考えられています。

現在のマンションの建設や修繕の技術は当時よりも向上しているため、マンションの構造部分における耐用年数は120年、外装仕上げ次第で150年程寿命を延ばせるといった知見も報告されています。

参照:期待耐用年数の導出及び内外装・設備の更新による価値向上について|国土交通省

適切に修繕管理されている築35年マンションであれば、さらに80年近く住み続けられると判断できます。

築35年マンションの購入は見極めが大切

築35年マンションは新築マンションよりも購入費用を抑えられるものの、しっかりと見極めたうえで購入する必要があります。目先の価格だけで判断してしまうと、ランニングコストがのちのち大きな負担となってしまう恐れがあります。

一方で、中古マンションには、条件によって資産価値が下がりにくかったり、自由にリフォームやリノベーションできたりといった魅力があります。加えてマンションは適切な修繕管理を行っていれば、長く住み続けられる点も魅力的です。

しかし適切な管理が行われているかなどの情報を収集しながら物件検討を進めるには、相当な労力が必要です。さくら事務所では中古マンションの不具合の状況を確認する中古マンションホームインスペクションや、中古マンション管理状況チェックなど、中古マンション購入の手助けになるサービスを取り揃えております。インスペクション実績数63,000組(2023年11月時点)といった豊富な実績を持ったさくら事務所のスタッフがチェック・アドバイスを行います。「少しでも労力を減らしたい」「プロの力を借りて中古マンションの見極めをしたい」といった人はぜひさくら事務所までお問い合わせください。