新築戸建ての内覧会でトラブルを防ぐための準備とは?チェックリストと不具合が見つかった際の対策

  • Update: 2023-12-04
新築戸建ての内覧会でトラブルを防ぐための準備とは?チェックリストと不具合が見つかった際の対策

この記事はプロのホームインスペクターが監修しています

引渡し前に建物の仕上がり確認を行う内覧会。内覧会のタイミングでトラブルが発覚・発生するケースは多く見られます。実は新築住宅だからといって施工の不具合はないとは言い切れず、戸建てでも施工不具合や、設計との相違がみつかります。そして、そうした不具合は入居後に発覚しても修繕対応をもらえなかったり、費用を請求されるケースもゼロではありません。他にも体調不良などで内覧会を中止するか延期するか、スケジュールの調整について判断に迷うなど様々なトラブルが潜んでいます。

そこで今回はホームインスペクション実績63,000組(2023年11月時点)を越えるさくら事務所が、内覧会前後でトラブルを防ぐために準備すべきポイントと、内覧会当日に見るべきチェックリストについてまとめました。

この記事を読めば入居後に不具合が発覚するリスクを軽減でき、安心してマイホームに住めることでしょう。

目次
  1. 新築の内覧会とは引渡し前の最終確認会
  2. 内覧会を実施するメリット
  3. 新築内覧会で発生したトラブル事例
  4. 入居後にトラブルを起こさない為の準備
  5. 新築住宅の内覧会チェックリスト【トラブル防止】
  6. 内覧会で役立つ持ち物リスト
  7. 新築の内覧会で万が一不具合が見つかった際の対策
  8. 内覧会直前のトラブル!体調不良になった場合の対処法
  9. 新築でも8割に欠陥!ホームインスペクションで漏れのない調査を
  10. 業界実績No.1!経験年数20年以上のプロ集団が提供

新築の内覧会とは引渡し前の最終確認会

内覧会とは建物を引き渡す前に行う確認会のことで、住宅会社のスタッフが立ち会いのもと、物件を見学します。住宅会社によっては「竣工検査」「引渡し前確認会」などと呼ばれることもあります。 

内覧会の主な目的は以下の2点です。

  • 建物が図面通りに建てられているか
  • 施工不良や不具合がないか

上記に加え住宅会社によっては建物に付属する設備機器の使用方法や、仕上げ材のお手入れなどの説明(取扱い上の注意点の説明も)を行います。

具体例を挙げると、以下について説明を受けます。

  • キッチン、お風呂、トイレなど水回り設備
  • サッシ、玄関ドア、シャッターなど建具関係
  • フローリング、壁紙などの仕上げ材

内覧会の所要時間はおおむね1〜2時間で終わることがほとんどです。

内覧会を実施するメリット

内覧会のメリットは主に以下の2点が挙げられます。

  • 施工不良や不具合を入居前に解消できる
  • 早めの段階で入居後のイメージをつかめる

それぞれについて詳しく見てみましょう。

施工不良や不具合を入居前に解消できる

内覧会を実施するメリットのひとつ目は、施工不良や不具合を入居前に解消できる点です。一見すると、そこまでメリットと感じない人もいるかもしれません。しかし実は入居前に不具合を解消するのは後々のトラブル発生リスクを防止できる効果があります。

基本的に内覧会で見つけた不具合や傷などは住宅会社が無償で直してくれます。しかし引渡し後は誰が、いつ、どんな状況で発生したかを判別できない不具合は、無償対応を断られる可能性もゼロではありません。無償で直せるはずの不具合の補修を、わざわざ負担したくは無いはずです。このようなトラブルを防ぐためには、内覧会での丁寧なチェックが重要になります。

早めの段階で入居後のイメージをつかめる

内覧会を実施するメリットのふたつ目は、入居後のイメージをつかめる点です。 内覧時に部屋の採寸などをしっかり行っておけば、家具や家電の配置がより一層イメージしやすくなります。

図面による平面的な情報だけでは高さ関係がイメージできず、サッシと家具が干渉するなどの不具合が発生する可能性も十分考えられます。 このようなトラブルを未然に防げる点も内覧会のメリットです。

新築内覧会で発生したトラブル事例

内覧会でチェックを行った結果、施工状況の不具合などのトラブルを発見する場合があります。ここからはさくら事務所のホームインスペクター(住宅診断士)がお客様の内覧会へ同行した際に発見したトラブル事例についてご紹介します。

実際に発生したトラブルを把握して、内覧会でどのような点をチェックすべきかを理解しましょう。

床下断熱材の垂れ下がり・脱落

床下は入居後に見る機会があまりない箇所ですが、床下の代表的な不具合のひとつが断熱材の脱落です。

下の写真は、実際に内覧会へ同行した際に発見した床下断熱材の不具合事例です。
写真)さくら事務所コラム新築一戸建て内覧会(竣工検査)の指摘事項より
右側の断熱材と比べて左側は垂れ下がっています。この写真のように断熱材が垂れ下がっていたり、完全に外れて脱落してしまっている場合は断熱材本来の性能を発揮できません。
このような状況を発見した場合は断熱材をしっかり固定し直してもらう必要があります。

床下に水溜り

同じく床下のトラブルですが、下の写真のように床下に水が溜まっているケースが見られます。

写真)さくら事務所コラム新築なのにカビ臭い?戸建内覧会(竣工検査・完成検査)で実際に遭遇した不具合事例
原因はいくつも考えられますが、主な原因は以下の点が挙げられます。
  • 建方工事中の雨で床下に水が溜まった
  • 設備配管からの水漏れ

いずれにしても床下の水溜りは乾燥に時間がかかり、気が付かないまま放置していればカビが発生し、建物や住人に悪影響を及ぼす非常に危険な不具合です。

内覧会時に水溜りを見つけたら、必ず原因調査と適切な対処を施工会社や不動産会社へお願いしましょう。

天井断熱材の抜け、ズレ

床下と同じく天井裏の断熱材の施工も不具合が発生しやすいポイントです。

下の写真のように断熱材が乱雑に敷かれていると、断熱材の隙間から室内への冷気の侵入や結露の発生を引き起こす恐れがあります。

写真)さくら事務所コラム新築一戸建て内覧会(竣工検査)の指摘事項

結露が発生するとカビ繁殖の原因につながり、住人の健康に悪影響を与えます。

内覧会の際は天井裏の確認も行い、断熱材の施工状況を確認しましょう。

ダクト配管の外れ、隙間

ユニットバスやトイレのダクト配管は各階の天井裏を通っています。時にはダクト配管施工についても内覧会で不具合が発見されるケースがあります。

下の写真は内覧会時に撮影したユニットバスのダクト配管の状況です。見ての通り、ダクトが外れてしまっています。

写真)さくら事務所コラム新築マンション内覧会同行で見つかった、こんな不具合

ダクトが外れていると換気扇が正常に動作しないのはもちろんですが、ユニットバスなどの湿気を排出する目的の換気扇で同様の不具合が起こると、湿気が天井裏に溜まってしまいます。

最悪の場合カビ繁殖の原因になるので、ダクト配管のチェックは内覧会時に行うべきポイントのひとつです。

入居後にトラブルを起こさない為の準備

先に述べたように、入居後に施工不良や設計との相違をトラブルへ発展させないためには、内覧会でのチェックが重要になります。漏れなくチェックするためには入念な事前準備や、時にはプロの力を借りる必要もあります。以降で解説する準備ポイントをしっかりと理解していきましょう!

ホームインスペクション(住宅診断)を入れる

内覧会で漏れなくチェックを行うためにベストなことは、プロのホームインスペクター(住宅診断士)に調査を依頼することです。

ホームインスペクションとは、雨漏りやシロアリ被害、建物の傾きなどの劣化状況や、施工不良などについて、建物に精通した専門家のホームインスペクターが診断するサービスです。

実は、2019年から2020年にかけて大手ハウスメーカーや地元の工務店までの過去の診断結果を幅広く集計・分析した結果、新築工事の段階でおおよそ8割近くで不具合が発生していることがわかっております。
※【参考コラム】新築工事の時点で8割に欠陥が!?工程・タイミング別チェックポイント

給水管水漏れによる床下の水溜まりや、換気扇ダクトの接続忘れ、断熱材の外れなど、新築でも施工不良は多く見られ、おそらく多くの人が新築に抱くイメージとはかけ離れた施工状況が発覚するケースもあります。

例えば、上の写真は床を支える根太材を部分的に切り取り、配管を設置してしまった事例です。根太は床を支えている材料のため、このような状態では床のたわみや床鳴りなどの原因になる可能性があります。

このような施工不良を購入者様がみつけるのは非常に難しく、改修の必要性についても判断することは難しいでしょう。

また、こちらの写真は浴室の換気扇がダクトに繋がれていなかった事例になります。

こちらも同様に内覧会同行サービスで発見したもので、不具合に気付いたためすぐにダクトに繋いでもらいました。このまま使用し続けると、浴室の湿気を含んだ空気が天井裏に流れることで、カビの繁殖に繋がる可能性が高くなります。

さくら事務所のホームインスペクションをご利用いただければ、上記のような施工不良の発見だけでなく、ご入居後に行うと良いメンテナンスへのアドバイスなども行っており、また、サービスご利用後にもあらゆる住まいのご相談に対応するための「永年アフターフォローサービス」もご用意しております。これから暮らす住まいの安心に加え、建築士の他、不動産・防災・マンション管理のプロが、契約前後も住まいのお悩みを幅広くサポートいたします。

事前にチェックリストを準備する

内覧会ではチェックすべき項目が非常にたくさんあり、内覧会は時間も限られています。チェックリストが無いと確認漏れをして、入居後に気付くことになってしまうので注意したいところです。

入居後の発見では不具合が入居以前に発生したものか判断することが難しいため、修繕費用の請求でトラブルとなることがあります。

トラブルを防ぐためのチェックリストを紹介していきます。

新築住宅の内覧会チェックリスト【トラブル防止】

No.

チェックポイント

詳細

1

図面との整合チェック

ドアの開閉方向

壁や窓、収納の位置

照明器具の位置と数

コンセント・スイッチ等の位置と数

2

屋外(外周り)のチェック

外壁、基礎表面の状況

土地境界杭の有無

外構工事の完成状況

3

室内のチェック

建具の建付け

水回りの動作確認

床鳴りの有無

4

床下のチェック

断熱材の状況

水漏れや水溜まりの有無

清掃状況

5

天井裏(屋根裏)のチェック

雨漏りの有無

断熱材の状況

ダクト配管の状況

①図面との整合チェック

契約時にもらった図面と建物を見比べ、間違って施工されていないか、取付忘れているものはないかを確認をしていきましょう。

ドアの開閉方向

  • 引き戸と開き戸が間違っていないか
  • 開く方向が内側・外側、右側・左側で間違っていないか

壁や窓、収納の位置

  • 図面より窓が小さくなって壁が大きい(又はその逆)場所はないか
  • 窓は引き違い窓なのか、上げ下げ窓なのか、縦すべり窓なのか
  • 足元までの掃き出し窓が腰高窓に変更されていないか(またはその逆)
  • 収納が図面より小さいなどの変更がないか

照明器具の位置と数

  • ダウンライトの数に間違いがないか
  • 後付けの照明器具の取り付け位置が図面と大きく異なっていないか

コンセント・スイッチ等の位置と数

  • コンセントや照明などのスイッチの数と位置に間違いがないか
  • インターネット回線や電話回線の位置と数に間違いはないか

②屋外(外周り)のチェック

続いては外周りの仕上がり状況をチェックしましょう。仕上がり状況に加えて未完成の箇所が無いか、境界関係の確認も行います。

具体的には以下の点について確認します。

    • 外壁や基礎表面にひび割れや欠けがないか
    • 外構工事が終わっていないところがないか(あったら完成時期を確認)
    • 土地の境界が明示されているか
    • 隣地所有者と共有物になっているものがあるか

③室内のチェック

室内のチェックは傷の有無と合わせて以下の点についてチェックしましょう。

  • ドア・窓・収納扉の開け閉めはスムーズにできるか、干渉しないか
  • キッチン・洗面所・浴室・トイレの水がきちんと出せて流れていくか、水漏れしていないか、おかしな音はしないか
  • 床下点検口から見える範囲で配管から水漏れが起きていないか
  • 床下に多数のごみがないか
  • 歩くと床や階段から変な音がしないか

室内の不具合は入居後の生活に大きな影響を及ぼす可能性があるので一つひとつ丁寧に確認していきましょう。

④天井裏(屋根裏)のチェック

天井裏は普段の生活でのぞく機会はありません。内覧会の時点で不具合を残して引渡しを終えると、気づかないうちに劣化が進行したり、カビなどの発生で健康に被害を及ぼす危険性があります。天井裏は内覧会時に確認しておくのが賢明です。

天井裏の主なチェックポイントは以下の通りです。

  • 点検口からライトで照らして見える範囲に雨染みのようなものはないか
  • 断熱材が隙間なく敷き詰められているか
  • 換気扇などにダクト(配管)はつながっているか

ただし、転落する恐れがある場合は無理をしないようにしましょう。また、進入すると天井が抜けてしまう恐れがあるため、天井裏のチェックは点検口からのぞくだけにしましょう。

内覧会で役立つ持ち物リスト

内覧会は基本的に手ぶらでも検査は行えます。ただし、不具合の見落としや担当者への伝達もれをなくすためには準備をしっかりした上で望むのがおすすめです。内覧会で役立つ持ち物をおすすめ度別にご紹介します。

【おすすめ度☆☆☆】

  • 図面
  • クリップボード
  • 懐中電灯

【おすすめ度☆☆

  • メジャー
  • マスキングテープ
  • シャープペンシル

【おすすめ度☆】

  • 水平器
  • デジタルカメラ

    それぞれの持ち物について、利用シーンなどを簡単に解説します。

    図面

    内覧会では建築会社からもらった図面を用意しておくと便利です。内覧会で気になった部分を図面へ直接書き込んでいくと、文字だけでメモする場合と比べて視覚的に記録できるため漏れなく担当者へ伝えられます。

    クリップボード

    内覧会では立ちながらメモなどを書き込むことになります。家具も未搬入なので机がわりになる場所があまりありません。そのためクリップボードを用意しておくと素早くメモを書き込めるので、とても役に立ちます。

    可能であればA3サイズのクリップボードを用意するとより書き込みやすくなるので、おすすめです。

    懐中電灯

    床下や天井裏、クローゼットの中などを確認する際にあると便利です。大きなサイズは必要なく持ち運びがしやすく、操作が簡単なものを使用すると良いでしょう。

    また、内覧会の際はまだ照明器具が設置されていないことが多いので、天気が悪く暗い日の内覧会や、暗くて見通しの悪い部位を確認するのに役立ちます。

    こちらもスマートフォンのライトで代用可能ですが、細部までチェックを行うためには一定以上の明るさは必要です。

    実際に調査を行っている、さくら事務所のホームインスペクターの中には、1000lm(lm:ルーメン 光源の明るさを示す単位)の懐中電灯を使用しているスタッフもいます。内覧会でチェックを行うためには最低でも350lmの懐中電灯を用意すると良いでしょう。

    メジャー

    施工されているものが図面通りの大きさ、箇所に設置されているか測定できます。
    入居後の家具の設置のための測定もできます。

    マスキングテープ

    マスキングテープは不具合箇所を施工会社や不動産会社に伝えるための目印として使用します。

    傷や不具合箇所付近に貼っておくことで確認漏れの発生リスクを抑えられます。使用するマスキングテープの色は淡い色だと見落とす可能性があるため、蛍光色や青、赤など目立ちやすい色を使用すると良いでしょう。

    ただし建築会社によっては準備してくれる場合もあるので、あらかじめ確認しておくと良いでしょう。

    シャープペンシル

    不具合箇所をメモするためや家具の配置の測定結果のメモなどに使用します。
    一般的な筆記具としての利用以外にも、壁や基礎のクラックに0.5㎜のシャープペンシルの芯が入ると補修が必要との確認にも使えます。

    水平器

    水平器は階段の踏板の傾きや棚板などの傾きをチェックするのに利用できます。ただし床や壁など広い面での利用には向いていないため、活躍の場は限定されます。

    簡易的にチェックを行う場合はスマートフォンのアプリでも代用可能です。あれば持っていくと良い道具という感覚で問題ないでしょう

    デジタルカメラ

    デジタルカメラは施工不良や不具合箇所の記録を撮影するために使用します。またメジャーを利用して各部の寸法を写真で記録しておくと、入居後の家具配置を決めるためにも使えます。

    現在ではスマートフォンのカメラで十分かもしれません。

    新築の内覧会で万が一不具合が見つかった際の対策

    内覧会で万が一不具合が見つかった際は売主に指摘して修正してもらう必要があります。

    指摘から修正完了までの具体的な手順をまとめましたので、参考にしてみてください。

    指摘箇所をリスト化して修正期限も記載する

    内覧会で不具合が見つかった際は、その箇所をリスト化して書面などに残し、修正漏れや見落としが無いよう、施工会社が確認できるようにしておくと良いでしょう。

    各指摘箇所の修正期限も合わせて記載することで、修正の遅れが無いかも確認します。

    指摘箇所によっては修正されなければ住むことができず、入居が遅れてしまう場合があります。

    先に述べたように引渡し後の修正では、入居後に発生した可能性があるなどと理由付けされて直してもらえないケースもゼロではありません。このようなトラブルを避けるためにも、修正期限は引渡し前に設定しましょう。

    修正後は再内覧会を行う

    修正期限になったら再度仕上がり確認を行う「再内覧会」を行うことをおすすめします。あってはならないですが、修正が終わっていない箇所が残っている可能性があるためです。

    不具合の指摘記録が残っていれば、不具合を直してくれないなどのトラブルの発生を防ぐことができます。対応してくれるとしても、入居後の修正作業は施工会社にとって非常に気を使う作業ですし、住人にとっても家に工事関係者が出入りするとなかなか落ち着かないでしょう。

    引渡し前に発覚した不具合箇所が漏れなく修正されているかどうかを確認するには再内覧会の実施が非常に有効です。しかし再内覧会は希望しないと行われないケースが多いため、事前に打診をする必要があります。

    再内覧会を確実に実施するためには、なるべく早めに担当者に内覧会から引渡しまでのスケジュールを確認・相談しておくと良いでしょう。

    引渡し後に残工事と経過観察

    もちろん不具合の内容によっては、材料の手配が間に合わないなどの理由で引渡し後に修正工事が残ってしまう可能性も考えられます。

    引渡しまでに工事が残ってしまう場合は「残工事リスト」を作成し、「いつまでにどこを直すか」を明確にしましょう。

    また、指摘箇所の中には「しばらく様子を見ましょう」と経過観察を勧められる場合があります。経過観察自体は悪いことではありませんが、うやむやになって被害が進行しているにも関わらずいつまで経っても直してくれないケースも考えられます。

    経過観察をする際は「いつまでにどのような状態であれば直す」といった具体的な条件を書類に記載しましょう。あわせて指摘箇所がアフターフォローや保証の対象となるのかを確認しておくのが賢明です。

    内覧会直前のトラブル!体調不良になった場合の対処法

    内覧会におけるトラブルは建物の不具合だけではありません。例えば自身の体調がすぐれず、内覧会に参加できない状態に陥る場合も考えられるでしょう。特にインフルエンザやコロナウイルスなど、他の人にも影響を与えるような場合は、内覧会を実施すべきか悩むはずです。結論からいうと体調不良になった場合の内覧会は延期をおすすめします。

    ここからは体調不良の場合、なぜ内覧会を延期すべきかについて解説します。

    無理せず延期を申し出る

    内覧会直前に体調不良になった場合は無理せず延期を申し出ましょう。理由は無理に参加をしたとしても内覧会の本来の目的を果たせない可能性が考えられるためです。

    内覧会の本来の目的は引渡し前に不具合の確認、手直しを行い、気持ちよく引渡しを終えることです。内覧会でのチェックは建物内を歩き回って確認するだけでなく、しゃがんだり、潜り込んだりなど、想像以上に体を動かす場面が多くあります。さらには新築住宅の場合、空調が使えない可能性が高く、暑さ・寒さの厳しい夏・冬などは体への負担が大きくなります。

    無理をして内覧会を実施したことで、体調の悪化や不具合の見落としが発生することは十分考えられるでしょう。

    なかには「家族だけが体調不良になったので、自分1人で行こう」と考えている人もいるかもしれません。しかし家族など、その建物で暮らすメンバーが欠けた状態で内覧会に挑むのは後々のトラブル原因に繋がりかねません。

    理由はそれぞれ視点が異なるためです。たとえばキッチン周りや壁紙などにこだわりを持っている人は、その部分を重点的に見る傾向があります。対して建物の機能や性能を気にしている人はサッシの仕様や換気設備が気になるはずです。加えて内覧会当日は体調が良くても、すでにウイルスに感染している可能性もゼロではありません。

    以上のことから、体調不良の場合は無理せず延期の申し出をしましょう。

    内覧会を無しにするのはNG

    体調不良で内覧会に参加できない状況に陥った際、「アフターサービスがあるし、不具合があれば引渡し後に直して貰えばいい」「面倒だから内覧会を無しにしよう」と考えてしまう人もいるでしょう。しかし内覧会を無しにして引渡しを受けるのは、あまりおすすめしません。

    理由は不具合を確実に直してもらえるとは限らないためです。例えば引渡しを終え、引越しを行っている際、引越し業者から「傷がついていたが、引越し作業によるものではない」と説明を受けたとします。その旨を住宅会社の担当者へ伝えた際、良心的な会社は直してくれるかもしれませんが、「その傷がいつ付いたか断定できない以上、直せません」と手直しを断られるケースも考えられるでしょう。またアフターサービスがあったとしても引渡し前後では期限の有無に違いがあるため、対応スピードに違いが出てきます。

    上記のようなトラブルで入居後に慌てないためにも内覧会は必ず実施しましょう。

    引渡しのスケジュール調整も必要

    体調不良で内覧会を延期する場合は、可能な限り引渡しのスケジュール調整も行いましょう。理由は内覧会で万が一不具合が見つかった場合、手直しを行う期間が確保できなくなる場合が考えられるためです。先ほどもお伝えしましたが、気持ちよく引渡しを受けるためには不具合を引渡し前に解消するのが原則です。そのためにも内覧会後に1週間程度の期間を確保しましょう。内覧会を延期して上記期間が確保できない場合は住宅会社の担当者に相談して引渡し日も遅らせるのが望ましいでしょう。

    とはいえ現在住んでいる自宅の退去日や引越し作業を予定しているなどの理由で、引渡し日を変更できず引渡し日と同日に内覧会を行わなければならないケースも考えられます。その際は午前に内覧会、午後に引渡しを予定し、チェックする時間をかくほしましょう。そのうえで当日直せる部分はしっかり直してもらい、後日対応になる箇所は、その箇所をまとめた書面を担当者と取り交わし、手直し時期を明確にした上で引渡しを受けましょう。

    ホームインスペクションを入れる予定だった場合

    内覧会当日にホームインスペクションを入れる予定だった場合「インスペクションの予定も変更すべき?」といった疑問が浮かんでくるでしょう。結論としてはホームインスペクションの予定日は変更しても、しなくても、問題ありません。

    ホームインスペクション会社は、ほとんどの場合、会社独自のチェックポイントをもとに調査を実施しています。そのため施主や買主の立会いがない単独での調査も問題なく実施可能です。

    ただし原則は同席での調査をおすすめします。理由は施主や買主が求めている内容に合わせたアドバイスを行えるためです。ホームインスペクションを依頼する人は「傷や汚れもしっかり直したい」や「どちらかといえば普段確認できない、隠れた部分をしっかりチェックしてほしい」など、依頼する理由はさまざま見られます。

    ホームインスペクションの目的は安心して不動産取引を行えるようにすることです。ホームインスペクションを最大限活用するためにも、内覧会のスケジュールがずれてしまった際は、インスペクターのチェックも変更後の内覧会予定日に合わせて再設定したほうが良いでしょう。

    新築でも8割に欠陥!ホームインスペクションで漏れのない調査を

    新築でも8割に欠陥!ホームインスペクションで漏れのない調査を

    ここまで、内覧会でトラブルを防ぐための準備・チェックリストについてと不具合が見つかった際の対策について解説してきましたが、皆さんに改めてご理解いただきたいことは、「新築だから施工ミスはゼロ」といった事実はないことです。

    新築建売住宅の場合、インスペクションを入れるベストなタイミングは、建物に大きな瑕疵が見つかったときに購入を中止することができる「申し込み後」「契約前」の段階で入れるのがベストです。

    ただし、契約後にホームインスペクションの存在を知る方も多いかと思いますので、そのような場合、契約完了後、引渡し前までにインスペクションを入れることで、補修する箇所を明確にし、建築会社に補修してもらってから引き渡しを受ける事が出来ます。

    住宅の引渡し後でもインスペクションを入れることは可能ですが、契約関係の注意点も多いため、お急ぎの方はまずは一度お問合せください。

    ※さくら事務所では、完成前の工事検査(新築工事中ホームインスペクション(第三者検査))も承っております。こちらは、本来施工不良を防ぐ最も良いタイミングである工事中に、完成後には発見できない基礎・構造など建物の重要箇所について、建物に精通したホームインスペクター(住宅診断士)が複数回の検査を行います。

    ※ご希望の回数で工事途中から検査に入ることが可能ですので、先ずはお気軽にご相談ください。

    業界実績No.1!経験年数20年以上のプロ集団が提供

    さくら事務所は、国内におけるホームインスペクション普及のパイオニア的存在であり、これまでご依頼実績は業界No.1(累計69,000件超)、満足度98%(Google口コミ☆4.8)と非常に有り難い評価をいただいております。

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    弊社理念の核でもある「第三者性・中立性」を保持しながら、建築・不動産・防災・マンション管理など、あらゆる難関資格を持つメンバーが連携、サービスご利用後にもあらゆる住まいのご相談に対応するための「永年アフターフォローサービス」もご用意これから暮らす住まいの安心に加え、心強い建築士と末永いお付き合いをいただける内容となっております。

    ご依頼から概ね3日~1週間以内での調査実施が可能です。お急ぎの方は、まずはお問合せください!

    ホームインスペクター 豊泉 元
    監修者

    さくら事務所 プロホームインスペクター
    一級建築士

    豊泉 元

    大学工学部卒業後、建設会社に入社。ものづくりを現場で経験するため、住宅の基礎やマンション躯体の施工業務に職人(多能工)として従事。その後、大手リフォーム会社の現場管理者として、既存住宅及びマンションの改修工事に携わる