床下のカビの除去費用の相場は?失敗しない業者の選び方や費用の落とし穴を徹底解説!

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床下のカビの除去費用の相場は?失敗しない業者の選び方や費用の落とし穴を徹底解説!

この記事はプロのホームインスペクターが監修しています

床下のカビ、見過ごしていませんか?

床下のカビは放置すると家族の健康被害や住宅の資産価値低下を招く深刻な問題です。でも、「費用が高そう」「どの業者に頼めばいいの?」と不安になりますよね。

本記事では、床下カビ除去の費用から信頼できる業者の見分け方まで、徹底的に解説します。追加で費用がかかってしまう意外な落とし穴も紹介いたします。後悔しない業者選びのために、ぜひ最後までご覧ください。

床下のカビ除去費用の相場は18万~30万円

床下のカビ除去にかかる費用は、作業規模や建物の状態によって大きな幅があります。一般的な費用の目安は以下の通りです。

事前調査

2~5万円

除去作業

3,000~5,000円/㎡

2023年度の統計データによれば、戸建て住宅の延床面積は約112㎡なので、一般的な2階建ての1階床下全面(約60㎡の場合)に除カビ作業を行うと、費用が18万~30万円程度になると予想できます。

ただし、これはあくまで試算であり、実際の費用は建物の構造や被害の程度によって変動します。特に都市部では費用が高めになる傾向にあります。

また、業者選びの際は基本料金以外にも、出張費や諸経費などの追加費用が発生する可能性があるため、事前の確認が重要です。遠方からの出張となる場合は、交通費や宿泊費などの追加費用も考慮に入れる必要があるでしょう。

参考:2023年度フラット35利用者調査

 

床下の除カビ作業で追加費用が掛かるケース

床下の除カビ作業では、基本的な費用以外にも状況に応じて追加費用が発生することがあります。主に以下の3つのケースが代表的です。

  • 防カビ対策を実施するケース
  • 床下への進入が困難なケース
  • 断熱材の交換や補強工事を行うケース

このように追加工事が必要な場合は、建物の状態や作業の難易度によって費用が大きく変動するため、事前に十分な調査と見積もりを取ることが重要です。以下では、それぞれのケースについて具体的な費用と注意点を詳しく解説していきます。

防カビ対策を実施するケース

防カビ対策は、将来的にカビが再発して、追加で費用がかかってしまうことを防ぐためにも重要です。防カビ対策の一般的な費用相場は以下の通りです。

  •  2,000~3,000円/㎡

使用する防カビ剤の種類や施工方法によって費用は変動しますが、防カビも行う場合は、除カビ作業費用の約2倍の予算を見込んでおくことをおすすめします。

場合によっては高額になりますが、長期的に見ればメンテナンスコストの削減につながるため住宅の維持管理のために必要な投資と言えるでしょう。

特に湿気の多い地域や梅雨時期が長い地域では、防カビ対策は必須と考えておいて良いでしょう。防カビ対策を依頼する際は、専門的な技術と適切な薬剤の選択が必要なため、経験豊富な業者に依頼することが重要です。

床下への進入が困難なケース

床下点検口が設置されていない、または既存の点検口が狭小な場合、新たに点検口を設置する必要があります。点検口の設置費用は通常3万~5万円程度ですが、建物の構造や設置場所によってはさらに高額になることもあります。

作業員が安全にスムーズに作業するためにも必要不可欠な設備となります。点検口の設置には、床材の切断や補強工事が必要となる場合もあり、追加工事費用が発生する可能性があります。

また、建物の構造上、点検口の設置が困難な場所では、別の進入経路を確保するための工事が必要となるため事前に専門業者に確認しておきましょう。

断熱材の交換や補強工事を行うケース

床下のカビ被害が深刻な場合、木材の腐食や断熱材の劣化が見つかることがあります。このような状況では、建物の構造安全性を確保するための補強工事や断熱材の交換が必要となり、数十万円単位での追加工事費用が発生する可能性があります。

これらの工事は建物の構造に直接関わるため、建築基準法に準拠した適切な施工が必要であり、場合によっては設計士や建築士の確認も必要となります。

断熱材の交換も大規模な工事となるため、材料費と工事費を合わせると相当な費用が必要になります。早期発見・早期対応が費用を抑える重要なポイントとなるでしょう。

信頼できるカビ除去業者の選定基準3つ

カビ除去業者の選定は、作業の質と費用対効果に大きく影響します。信頼できる業者を見つけるためには、主に3つの重要な基準があります。

  • 豊富な専門知識や施工実績がある
  • 明朗会計であるかどうか
  • 保証やアフターサービスが充実している

以下では、信頼できるカビ除去業者の選定基準をそれぞれ詳しく解説していきます。

豊富な専門知識や施工実績がある

専門知識と施工実績は、信頼できる業者を見分ける重要な指標となります。豊富な知識を持つ業者は、黒カビや緑カビなど、カビの種類によって異なる適切な除去方法や薬剤を選択することができます。

また、施工実績が豊富な業者は、予期せぬ問題が発生した場合でも適切に対処できる経験を持っています。特に、病院や大企業などの施設での施工実績がある業者は、高度な衛生管理や品質基準を満たす技術を持っていると考えられます。 業者選びの際は、十分な実績や知識があるかどうかをホームページや口コミなどでチェックすることをおすすめします。

明朗会計であるかどうか

料金体系の透明性が高いことは、信頼できる業者の大きな特徴です。見積書には基本料金、作業費用、材料費、出張費など、すべての費用の内訳が具体的な金額で明記されているべきです。

また、作業範囲や使用する薬剤の種類、作業工程なども明確に示されている必要があります。これらの情報が不明確な場合は、後から追加料金を請求される可能性があるため、慎重に検討しましょう。

また、見積もりを依頼する際は、複数の業者から見積もりを取得し、内容を比較検討することで、適正価格かどうかを判断することをおすすめします。

保証やアフターサービスが充実している

アフターサービスや保証の充実度は、業者選びの重要な判断材料です。信頼できる業者は、施工後の保証期間を明確に設定し、その期間内に問題が発生した場合の対応を明示しています。

特に重要なのは、カビが再発した場合の対応です。良質な業者は、再発防止のための対策実施や定期的な点検サービスを提供してくれることがあります。保証期間内にカビが再発した場合は、無料で対応してくれる業者も少なくありません。少なくとも施工後数ヶ月間の保証があることが望ましく、定期的な点検サービスが付随していれば、早期発見・早期対応が可能となり、大規模な被害を防ぐことができます。

床下のカビ取りはプロに依頼するべき

床下のカビ取りは、一見すると自分でもできそうに思えますが、実際には専門的な知識と技術が必要な作業です。プロに依頼すべき理由は以下の3つです。

  • カビの発生原因の特定が困難
  • 健康被害のリスクがある
  • 膨大な労力と時間を要する

まず、カビの発生原因の特定が非常に困難です。建物の構造、換気状況、漏水など、複数の要因が絡み合っているため、素人では適切な判断が難しいのです。

次に、健康被害のリスクです。カビの胞子を吸入することで様々な健康問題を引き起こす可能性があるため、適切な防護具と専門的な知識を持つプロに任せることが安全です。

さらに、作業には膨大な労力と時間がかかります。特に床下全面にカビが発生している場合は、専門的な道具や技術がなければ、効率的な作業は困難であり、専門家に任せた方が確実です。

床下のカビ除去費用を抑える方法3選

床下のカビ除去は高額な費用がかかる工事ですが、以下のような工夫で費用を抑えることが可能です。

  • 複数の業者から相見積もりをとる
  • 閑散期を狙って工事を依頼する
  • 作業範囲を最適化する

ただし、過度な費用削減は工事の品質低下やカビの再発リスクにつながる可能性があるため、バランスの取れた判断が重要です。 ここでは、工事の品質を維持しながら賢く費用を抑えるための3つの方法をご紹介します。

複数の業者から相見積もりをとる

相見積もりを取ることで、適正価格を把握でき、高額な費用を請求される可能性を減らせます。一般的に3社以上の業者から見積もりを取得して、価格や作業内容を比較検討するとが良いでしょう。

見積もり取得の際は、単純な価格だけでなく、使用する薬剤の種類や品質、作業工程の詳細、保証内容なども含めて総合的に判断することが大切です。見積書には必ず出張費、機材使用料、廃棄物処理費などの諸経費も明記されているか確認しましょう。業者によっては、これらの費用を後から追加請求するケースもあるためです。

作業範囲や使用する薬剤、工期なども具体的に確認し、書面で残しておくことをおすすめします。

閑散期を狙って工事を依頼する

カビ取り業者の閑散期である12月~2月の冬季に工事を依頼することで、費用を抑えることができます。この時期は湿気が少なく、カビの発生も比較的少ないため、多くの業者がキャンペーンや割引を実施しています。

通常価格からの割引が期待でき、工事の予約も取りやすいため、希望の日程で作業を実施できる可能性が高くなります。

ただし、寒冷地では凍結などのリスクもあるため、気象条件を考慮して工事時期を選ぶ必要があります。

また、年末年始などの長期休暇期間は逆に割増料金が発生する可能性もあるため、事前に料金体系を確認することが重要です。

作業範囲を最適化する

カビの被害状況を正確に把握し、必要最小限の作業範囲を設定することで、費用を調整できます。床下全面ではなく、カビの発生が確認された箇所とその周辺に作業範囲を限定することで、大幅な費用削減が可能です。ただし、必ず専門家の調査結果に基づいて行いましょう。

また、予防措置についても、湿気がこもりやすい場所や漏水リスクの高い箇所など、重点的に対策が必要な場所に限定し、効率的な施工を行うことも費用削減につながります。このように、作業範囲の最適化により、総工事費用を数割削減できるケースもありますが、再発リスクとのバランスを考え、慎重に検討しましょう。

ホームインスペクションで安心な住まいを維持しよう

床下のカビ除去は、建物の維持管理と居住者の健康を守るために重要な作業です。カビ除去の専門業者に依頼する場合、費用は平均して18万~30万円程度が必要となりますが、建物の状態や作業範囲によって大きく変動します。除去費用を抑えるためにも、早期発見することが重要です。

しかし、床下は日常的に目にすることが難しい場所のため、状態の把握に不安を感じる方も多いのではないでしょうか。床下にカビが発生している場合は、湿気等の原因が過去もしくは現在もある可能性が高いです。そのため、適切な対策を行わない限り、除去してもしばらくすると再発してしまいます。

とくに、床下のカビを長期間放置していた場合は、木材の腐食やシロアリ被害だけでなく、耐震性の低下なども引き起こしている可能性があります。

また、床下の排水管の水漏れや、通気や気密・断熱の施工不良なども、カビやシロアリを発生させる原因となります。このため、床下の環境を根本的に解決しなければ、再発につながりかねません。長く安心して住み続けるために、カビの除去だけでなく、建物や構造に関する専門家であるホームインスペクター(住宅診断士)に床下の総点検を依頼することも選択肢として非常におすすめです。

さくら事務所のホームインスペクション(住宅診断)では、不具合の指摘だけではなく、将来改修すべき箇所やその時期、費用などの具体的なアドバイスも提供しています。床下の不具合や状況、その対策をあらかじめ把握していれば、メンテナンスの適切な判断ができるので、住まいを良好な状態で維持することにもつながります。床下の状況が心配な方は、ぜひさくら事務所のホームインスペクションをご活用ください。

ホームインスペクター 矢野 雅稔
監修者

矢野 雅稔

住宅の購入や維持管理には建築や不動産の多くの専門知識が必要になりますので、皆様に必要な情報を分かりやすくアドバイスすることで少しでもお役に立てればと思っています。