壁紙のひどいカビや剥がれ、原因は?

  • Update: 2017-04-06
壁紙のひどいカビや剥がれ、原因は?
部屋の壁紙にひどいカビが発生したり、壁紙が剥がれる原因をご存知ですか?
張り方が悪かったなどの施工不良もたまにありますが、多くは湿気や雨漏り、結露によるものです。 ただ剥がれるだけであれば見た目の問題となりますが、ひどい場合は健康被害までもたらすこともあるのです。

ここでは、壁紙にひどいカビと剥がれが発生した住宅をもとに、原因と対策を詳しくご紹介していきたいと思います。

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自宅一戸建てホームインスペクション

壁紙が剥がれる原理

湿気が多くなれば壁紙が伸び、少なくなれば壁紙が縮みます。人の目にはわからない程度であっても、日々これを繰り返しているうちに、継ぎ目が大きくなったり、剥がれてくるというわけです。
四季がある日本では、どの住宅でもある程度の湿度変化はあるため、多少の壁紙の隙間や剥がれは致し方ないところがあります。 けれどもカビに関しては健康に悪影響を及ぼす可能性があるので、発生させたくないものです。

・カビの発生、表からは分からないことも

以前、さくら事務所のホームインスペクター(住宅診断士)がホームインスペクション(住宅診断)で伺った住宅の事例です。

室内の壁紙が剥がれている様子

いくら壁紙が湿気の影響を受けやすいとはいえ、ここまで派手に剥がれることは多くありませんので、壁紙の裏側を見てみました。

すると、

壁紙の下に発生している黒いカビ

カビが発生し、かなり黒くなっているのが分かるかと思います。
最近の壁紙は塩化ビニールなど化学製品で、裏側にこれだけカビが生えていても表側には変化が見られず、表面だけ見ていては気付かないことがあります。この部屋だけでなく、階数・方角に関わらず何カ所かにわたり壁紙の大きな剥がれが見られました。

・カビの発生なしでもひどい剥がれが起こることが

こちらはまだカビは発生していませんでしたが、やはり派手に剥がれていた例です。傾斜地に立つ住宅で、「半地下(一部が地面に接している)」の部屋です。
所有者の方が、押しピンで剥がれた壁紙を固定していました。

室内の壁紙が大きく剥がれている様子

 

壁紙のひどいカビ・剥がれの原因は

壁紙のひどいカビ・剥がれの原因として最も多いのは湿気なのですが、上記の住宅くらいの状態ですと、雨漏りや建物の断熱施工が足りないことによる結露が大きな原因となっていると考えられます。
雨漏りは局部的な症状が出ることが多いのに対し、結露は比較的広範囲(複数の部屋など)に症状が見られることが多いです。
では、なぜ断熱施工が足りないと結露が起こるのでしょう?
住宅はエアコン類を使わなかったとしても、人の熱などにより外気と室温に差が発生します。エアコン類を使えば、その差は更に大きくなります。すると、外壁に断熱材が適切に施工されていない住宅では、コップの水に氷を入れたときのように壁表面に水滴が付き(結露)、カビが繁殖しやすい環境となるわけです。
また、過剰な加湿も原因のひとつとして考えられます。閉め切った状態で調整機能のない加湿をしていると、結露し易くなるので、湿度調整や換気が必要となります。

 

ひどいカビ・剥がれが起きた壁紙、どう対処する?

短期的には、張り替えれば見た目が綺麗になりますが、時間が経てばまたひどい結露が発生します。
ですから、原因を断つ=結露をさせないために、調湿作用のある加湿器にしたり、仕上げ材にしたり、調湿では改善が難しい場合には断熱性能を向上させることが適切です。
ただし、地下・半地下住戸などは、地上部分より湿気が溜まりがちです。たとえ断熱材が適切に施工されたとしても、湿気そのものも大幅に減らさなくてはいけませんから、除湿機の設置も必要でしょう。

二度手間にならないよう注意しましょう!

壁紙が剥がれてきたとき、原因が断熱性不足だと特定しないまま壁紙を張り替えると、また剥がれてきてしまいます。剥がれが気になるときは、張り替えればまた綺麗になるのか、原因を改善しなくてはいけないのかを調査してからリフォームされることをおすすめします。
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断熱材の施工不良があると、エネルギーの無駄使いにもなってしまいます。