そもそもホームインスペクションってなに?
最近では、中古住宅を購入する前に建物の劣化状態や、リフォーム・リノベーションの途中段階や完成時の状態を、利害関係のない第三者に専門家に診断してもらう「ホームインスペクション(住宅診断)」を利用する人が増えています。
これは、中古住宅は新築に比べ建物の劣化・リフォーム履歴などの情報が少ないことと、欠陥住宅などのニュースなどを目にして、マイホーム購入者の意識がどんどん変化しているからだと思われます。
かつてのマイホーム選びでは、立地や土壌など土地が重視されました。
しかし、ここにきて建物へ意識を向ける人も増えてきています。それも外観やデザイン性だけではなく、耐震性、耐久性やメンテナンス性などといった本質的な部分へ関心の目が向けられているのです。
多くの購入者が気にしているのは、「建物に欠陥はないのか」「その建物はあと何年くらいもつのか」「いつ頃、どれくらいのお金(修繕費)がかかるのか」「その住宅は資産となりえるのか」といったところです。
「無料」「格安」「お手盛り」などの罠も・・・
ホームインスペクションの実施はマイホーム購入の判断材料を得るために有用ですが、「無料」「格安」「お手盛り」には注意をしなくてはいけません。
例えば、無料で行うホームインスペクションの場合、同時に耐震補強工事を強くすすめられるケースも。大切なのは「取引に利害関係のないホームインスペクターを自分自身で、選ぶ」といったことです。
格安のホームインスペクションにも注意が必要です。あまりに安すぎるホームインスペクションは、リフォームなどの仕事が目的か、技能に自信がないといったことも想定されます。
相場としては目視による診断で5~7万円、床下や天井裏にまで侵入する場合は11~12万円程度になるでしょう。
また、依頼するときはまず「ホームインスペクションの実績」を確認しましょう!
中古住宅といっても、構造や時間の経過によって建物の状態は異なります。それらを判断するためにはたくさんの知識や経験、実績が必要です。
そして、「瑕疵(かし)保険」の調査と「ホームインスペクション」は別物ということも覚えておく必要があります。
入居後の万が一を防ぐための「瑕疵(かし)保険」の調査は、ホームインスペクションではありません。瑕疵保険の場合は、あくまで保険をかけるためのものです。また、購入するマイホームについて長く住むためのアドバイスがあることもなく、保険をかけた建物が長持ちするわけでもありません。
家族が楽しく安心して暮らすために購入するマイホーム。暮らし始めてから「想定外の修繕費用が…」「雨漏りがひどい」などとがっかりすることのないように、購入前にはしっかりと建物をチェックしましょう。
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