この時期になると、「2・3月に工事が一時ストップしていたけど、工事を再開してみたら急いでいるようで心配」といったお問い合わせを多くいただきます。原因は、年度末の物件引き渡しラッシュに向けた職人不足。そのしわ寄せとして工事が遅れて急いでいる、というものです。
「適切な工期を設定したのに、結局は突貫工事になって不具合が生じてしまうのでは……」そんな不安を抱く建主さんもいらっしゃるのではないでしょうか。
水濡れに要注意
特に気をつけたいのは、建物が長期に渡って濡れた場合。
木造建築の場合、通常は木材が濡れても乾燥すれば問題ありません。最近使用される木材は、内部の奥まで乾燥している乾燥材と呼ばれるものを使用しています。表面が濡れても、水分が奥に染みこむのには時間がかかります。雨が上がれば乾燥し始め、ほぼ元の状態に戻ります。
とはいえ、上棟はしたものの、防水工事をしないまま雨水が溜まってしまっていたり、湿った状態が続いたりすると、カビや腐食の原因になることもあります。
よ くあるトラブルとして挙げられるのが、木部を乾燥させる前に断熱材や壁・床を取り付けてしまうケース。断熱材が雨水を吸い込んでしまい、断熱材本来の性能 を発揮できなくなることもあります。また、木部が乾燥する前に壁や床で塞ぐと、湿気がこもりカビや腐食の原因にもなります。
工事中の場合はここをチェック!
まだ室内の壁や天井のボードを張っていない場合は、木部や断熱材など変色しているところがないか確認しましょう。変色をしていればカビや腐食をしていることがあります。また、濡れて乾いてを繰り返していると、木材が歪んでくることがあり、構造に問題がなくても仕上げに影響が生じることもあります。
完成間近の場合はここをチェック!
天井や壁などにシミがないかよく見てみます。写真だとわかりにくいのですが、ぼんやりとシミが浮かび上がっています。シミがある場合は、塞がっている壁や天井の中を見る必要があります。床下や天井に点検口がある場合は、必ず開けて見ましょう。工事中の場合と同じように、変色している箇所がないかを確認します。
「ちょっと思い当たるけど、自分たちからは言いにくい・・・」「自分たちで全部チェックできるか不安」という方は、プロのチェックサービスをご利用されてはいかがでしょう。