「終の棲家」に適したマンション選び、3つのポイント

  • Update: 2016-05-13
「終の棲家」に適したマンション選び、3つのポイント
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さくら事務所 編集部

マンションを「終の棲家」として選ぶ人が急増しています。

平成25年度「マンション総合調査」によれば、住んでいるマンションに永住するつもりの居住者は、20年前は3割にすぎませんでしたが、現在は全体の半分を超えています。

エレベーターで移動すれば階段の上り下りもいらない。管理費を払いさえすれば、管理会社が管理維持してくれてる……。こうしたメリットから、子どもの独立や夫の退職をきっかけにマンションに住み替えるケースも増えています。

では、「終の棲家」としてマンションを選ぶにあたって、どのようなことに気をつければようのでしょうか。ここでは、ポイントを3つ挙げます。

ポイント1.耐久性は充分か?

日本のマンションの平均耐用年数はわずか47年とされています。

30年や35年の長期住宅ローンを組んでも47年で建て替え周期を迎えてしまうのでは、永住できるマンションとは言えません。60年、70年、あるいはそれ以上も永く持つ物理的な耐用年数が、当然のように求められることになります。

ただし、平均寿命とは、取り壊されたマンションの平均寿命ですので、実際にはもっと長く住めるマンションもあります。

適切な長期修繕計画が立てられ、それに沿って修繕が行われていれば、建物の寿命も延びます。購入の前には、管理会社にお願いして長期修繕計画を閲覧させてもらうことをおすすめします。

ポイント2.可変性が備わっているか?

ライフスタイルは生涯を通じて変わっていきます。永住するにあたっては、ライフスタイルの変化に合わせて、間取りや内装を変更できるかどうかも重要です。
歳を取ってから「室内の段差をなくしたい」「浴室を広くしたい」と思っても構造上の成約から、思い通りにリフォームできなくなってしまう場合があります。

1つ確認しておきたいのが「段差スラブの範囲」。「段差スラブ」とは、床とユニットバスの高さをフラットにするための工法です。

ユニットバスの下は排管スペースを取らなくてはいけません。しかし、ユニットバスの側の床を上げると、段差ができてしまいます。築古の物件には、洗面所・浴室などの水回りを中心に段差がよく見受けられるのはこのためです。
洗面所や浴室に見られる段差

これを避けるためには、ユニットバスの側のスラブ(コンクリート)を一段低くして配管スペースを確保します。
ユニットバスの側のスラブの構造
ユニットバスを大きくする、位置を変更する、といった場合には、この「段差スラブ」の範囲内でしか行えません。段差スラブの範囲が狭いと、水回りのリ フォームは大きく制限されます。無理にユニットバスを移動させようとしたら、ユニットバスの部分に段差が生まれてしまい、バリアフリーを実現できなくなっ てしまいます。
この段差スラブの範囲を確認しておくことが重要です。

ポイント3.共用部分はバリアフリーになっているか?

室内のみならず、共用部分がバリアフリー化されているかどうかも確認しておきましょう。
例えば、次のような項目は見落としがちです。

  • 道路とエントランスの高低差
  • エントランスから住戸までの段差
  • 住戸からゴミ置き場までの段差
  • 共用廊下の手すりの範囲
  • 共用廊下の扉の幅

永住するつもりだったマンションを手放さなくてはいけない……となると、精神的にも金銭的に大きな負担になってしまいます。購入の段階でしっかり確認しておきましょう。