好奇心旺盛なお子さんをお持ちの親御さんは、お子さんが道路に突然飛び出すなど、ヒヤヒヤした経験をお持ちの方も多いことでしょう。
平成25年に厚生労働省から発表されている人口動態調査をみても、1~9歳児の死亡原因の上位は不慮の事故によるものです。内訳をみてみると、自宅で事故が発生しているケースも多く、特に小さな子供は家にどんな危険が潜んでいるのかわかりません。
ご家族が「ダメよ」「危ない」と声をかけていても、目を離した隙に起こるバルコニーや窓などからの転落事故は後を絶ちません。家の中は安全と思っていても、実際は思わぬ事故が多発しているのが実態です。
そこで今回は、家庭内で起こる、お子さんの事故防止のための建物チェックポイントをご紹介します!
子供だけでなく家族のみんなにとって大切な、住まいの防災対策。
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チェックポイント① 窓
■床から近いところにある腰高窓の場合
床から80センチ以内の高さにある腰高窓の場合は、子供の身長や運動能力にもよりますが、子供は頭が重いため、つま先立ちをするだけで転落する恐れがあります。写真の腰高窓は、60センチと少し。この高さだと、身体能力が高くない1~2歳児でも転落する可能性があります。
対策として
- 換気は他の窓でして、ここは常にロックする
- 転落防止バー(手すり)を取り付ける
- 転落防止バー(手すり)を取り付ける場合には、その手すりと窓の下枠に、子供の頭が挟まったりしないよう、10センチ未満の間隔にしておく
などがあります。
■出窓になっている腰高窓の場合
出窓は子供にとっては、とっておきの遊び場です。出窓に上がり、足まである窓の解放感を楽しんだり、窓を開けたりと、この危険地帯をすぐに遊び場にしてしまいます。写真のように室内側に2本の手すりがついていますが、これは、床に立っている時を想定して作られた転落防止策。まずは出窓前に椅子や棚を置かないように徹底させ、上がれないようにしましょう。
基本的に出窓の窓は市販の窓用防犯用補助錠などを使い、全部閉めておくのがベストです。空気の入れ替えが必要であれば、子供の頭が挟まりにくい10センチ未満にしておくのもひとつの方法です。
補助錠をサッシの下部に取り付けると、子供がロックをはずしてしまう可能性があるので、上部に取り付けるのがおすすめです。
■個室の窓に近づいてほしくない場合
チェックポイント② ベランダ
■バルコニーに室外機がある場合
建築基準法施行令第126条により、バルコニーの手すりの高さは、1.1メートル以上にすることが規定となっていますが、1.1メートルいうと5~6歳の子供の平均身長です。例えば、60センチ前後の高さが標準の室外機に乗って、子供が外を見ようと手すりに身を乗り出せば、転落してしまいます。
配管や排気の都合で、室外機を限定された位置にしか設置できない場合には、背が高い(80センチ以上)格子状のカバーなどで覆い、室外機自体に上れないようにしましょう。
チェックポイント③ ドア
■ドアのレバーハンドルが危険な場合

床から1メートル前後の高さにある、ドアのレバーハンドル。子供が勢いよく走ったり、ハンドルの端部に頭や目がぶつかる危険性があります。その場合は、市販されているレバーを覆うクッション材を取り付けたり、オリジナルでクッションを取り付けておくとよいでしょう。
■ドア吊元の隙間が危険な場合
ドアを開くと、枠に固定する蝶番付近に隙間ができます。子供の手がそのあたりにあることに気が付かず、ドアを閉めてしまう事故は少なくありません。最近では、この隙間を覆う、専用の既製品が売られています。
また、自作でカバーを取り付ける方法もありますが、カバーを貼る時に使用するテープの粘着力が強いと、取り外す時に、建具の表面が剥げてしまうので、心配な場合は予め目立ちにくい場所でテストしてから利用を決めましょう。
チェックポイント④ 浴室
■水遊びによる危険を避ける場合

浴室での事故として、子供が目を離した隙に浴室に入り、水遊びをしている最中に浴槽内に転落ということが考えられます。浴槽のフタにロックを付けるのは困難なので、浴室そのものへの入室を制限しましょう。
方法としては、ユニットバスなどのドアに鍵があれば、その鍵を外側からロックします。ドアノブの下部分(写真)をコインで回してロックするか、ハンドルのネジ部分をドライバーで回してロックします。手間ではありますが、子供が浴室で転落する危険はなくなります。なお、コインやドライバーで頻繁に開閉している と、ロックが早く痛む恐れもあるますので、注意して操作しましょう。
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