「竣工検査」って何?プロが解説するチェックポイントや流れについて

  • Update: 2021-09-27
「竣工検査」って何?プロが解説するチェックポイントや流れについて

新築の住宅を購入し、いよいよ完成間近。

その頃に行われるのが「竣工検査(しゅんこうけんさ)」です。

取引が最終的な局面、引き渡し前に行われる重要な検査として、おおよその意味をご存じの方も多いかもしれませんね。

一方で、竣工検査に立ち会うにあたって「具体的に何に注目すべきかわからない」との声も聞かれます。今後、長い時間を過ごす「我が家」の施工状況などをチェックする大事なイベントですから、事前に知識を入れた上で検査に臨みたいもの。

当日の一連の流れと立会いにおいてチェックすべきポイントについて、初歩的なことから細かな内容まで記事にまとめました。

  • 類似する言葉「施主検査」との違いや基礎知識
  • 検査スケジュールの決め方や、施工会社への事前準備
  • 当日に確認必須の事柄
  • 引き渡し前に指摘事項を直してもらえないケースの対処法

以上、引渡しで失敗しないための必須チェックポイントと共に、多数の竣工(施主)検査・内覧会に立ち会ってきたプロのホームインスペクター(住宅診断士)が網羅して解説いたします!ぜひ、参考にしてみてください。

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まずは、「竣工検査・内覧会・施主検査」などの用語を正確に理解しよう!

新築住宅の工事が終わる頃の検査を調べると「竣工検査」と同じように「内覧会」や「施主(せしゅ)検査」という言葉も出てきます。ホームページによって同じ文脈で別の言葉が使われていたりと、意味の違いがわかりづらいですよね。

「施主検査」とは?

「施主」とはそもそも、葬式や法事などを営む当主を意味する言葉です。不動産においては、建物の建設工事を発注する立場の人を「施主」といいます。つまり、注文住宅や建売住宅において、実際の工事を施工会社・工務店・ハウスメーカーなどに依頼した注文(発注)主を「施主」と呼ぶわけです。

施主が行う検査が「施主検査」にあたります。文字通り「施主」が、施工会社・工務店に依頼した建設工事の最終的な確認作業になります。多くの場合は完成後の引き渡し前に行われ、その他工事中に行われる場合もあり、この2種類を含めたもののことを「施主検査」と言います。

では、竣工検査とは?

施主検査は建設途中と完成後の2種類に分かれると説明しました。竣工検査とはその中でも完成後の検査についてを言います(そのため「完了検査」とも呼ばれます)。また、ここも少しややこしいのですが、契約者様から見るとこの竣工検査時に建物の内覧を行うため「内覧会」とも呼ばれます。要するに、業者用語としての「竣工検査」と、購入者側の用語としての完成後の「内覧会」があるということですね。

竣工検査(内覧会)の流れは一般的に次のような手順で行われます。

  1. 工事を請け負った施工会社や工務店などが社内検査として行う
  2. 1の後、発注主である施主が立ち会って行う

住宅建築は、複数の工程に分かれているうえ、現場の職人が多数かかわっています。ミスが起きても気づかれず、そのまま建物が完成を迎える可能性も考えられます。耐久性や耐震性に影響が出るようなミスや、建物の形状や壁の位置が図面と異なるなどのミスがそのまま気づかれず、購入者様に引き渡されるのはあってはならないこと。施主の目でしっかり検査しておかなくてはならないのですね。

ちなみに、最終的に住宅を引き渡されるお客様は「施主」にあたらず、一般的に「購入者」「契約者」と呼ばれます。一般的な意味での「商品の注文者」と「商品の購入者(手元に商品が届くお客様)」が同じではない点に注意しましょう。

竣工検査の事前確認ポイントは?

竣工検査の事前確認ポイント

施工不良などのチェックを行うなど引き渡し前の重要なイベントである竣工検査。事前に確認しておくべきポイントを順にお伝えします。

検査日程はいつがいいの?

最適な日程は引き渡し(代金決済)の2週間以上前の設定です。施主検査の結果、不具合が発覚した場合、直してもらう日数を確保する必要があります。遅くとも1週間前の開催が望ましいとされていますが、万が一の悪天候時などの予備日も含めて2週間以上前であると安心できるでしょう。

開始時間はいつがいいの?

人が住む前の状況ですから、照明器具がない部屋もあります。また外構(庭やカーポート等)も丁寧にチェックするためにはできるだけ明るい時間帯の9時~10時の開始を目安にスタートしましょう。建物の内外をしっかりチェックすると、検査には建築士でも2時間程度は必要です。季節にもよりますが、遅くとも13時までには開始することをおすすめします。

しっかり時間をかけて調査を行うホームインスペクター(住宅診断士)による調査では、午前中スタートがマストとなっています。

当日立ち会い 者の確認をしよう

内覧会での不具合の情報を、売主(不動産会社)または施工会社の担当者が正確に把握していないと、手直し工事を担当する職人さんにもその情報は伝わりません。結果、修繕し忘れてしまうことも。当日、売主(不動産会社)または施工会社の担当者が立ち会うかをしっかり確認しておきます。通常はどちらかの担当者1名は立ち会うものです。

なお、内覧会・施主(竣工)検査利用時は、建築士も一緒に訪問する旨を先方にも伝えておきます。

検査をスムーズに進めるための事前準備

床下や屋根裏・天井裏の水漏れ有無などを点検できる<点検口>

壁や天井、床材などで隠れ、目につきにくいところをチェックするのが点検口の役割です。引き渡し前に必ずしっかり見ておきたい部分といえます。しかしドライバーなどの器具がないと開けられなかったり、高所で外しにくかったりする場合も。破損を回避するためにも作業に慣れた施工会社に開けてもらうのが望ましいでしょう。

また高所である屋根裏・天井裏は高めの脚立がないとチェックしづらい箇所です。事前に売主や施工会社に脚立準備を依頼しておくといいでしょう。ホームインスペクター(住宅診断士)はほとんどのケースで、立ち会う時は脚立も持参していきます。

ライフラインとして生活上不可欠な<水道・ガス・電気>

暮らしで必ず使用する水道・ガス・電気ですが、実際に使ってみないとわからない部分も多いのが実情です。検査内容は限定されますが、照明器具を点灯したり、キッチンやトイレ、洗面、浴室などで水を流したりの確認は行いましょう。しかし、事前に依頼をしておかないと当日断られる可能性もありますから、あらかじめ依頼しておきましょう(工事が完了していればほとんどの場合は使えます)。

給湯設備からお湯がちゃんとでるのかどうかも確認したいポイントの1つ。ただ、ガスは入居タイミングでしか開栓できないことも多いのです。ダメ元で「可能であれば使いたい」というリクエストをしておくとよいでしょう。

薄暗くて見落としがちな部分を確認するための<仮設照明>

部屋が薄暗いと、仕上げ表面のキズや汚れ、その他の部材の状態も見えづらいため、各室に仮設(簡易取り付け可能な)照明器具を取り付けてもらえるかを前もって確認しておくようにしましょう。廊下やトイレの天井に埋め込まれたダウンライト以外は、引き渡し後に照明器具を取り付けないと、部屋に灯りがつけられないことがほとんどだからです。

内覧会当日の天気が、「晴れ」であっても注意が必要です。日あたりがいい部屋以外は薄暗かったり、天気や時間帯次第では全室が見づらかったりする可能性もあるためです。仮設照明を設置できなければ、施工会社に持ってきてもらえるよう事前にお願いするのも一案です。難しい場合、電池式の明るいランタン・懐中電灯などを持参すると、見やすくて便利です。

竣工検査のチェックポイント

竣工検査のチェックポイント

図面との整合チェック

契約時にもらった図面と建物をよく見比べましょう。間違って施工されていないか、取り付け忘れているものはないかの確認からスタートです。

<ドアの開閉方向>

  • 引き戸と開き戸が間違いはないか
  • 開く方向が内側・外側、右側・左側で間違っていないか
  • 鍵つきの場合、施錠・開錠はスムーズか

<壁や窓、収納の位置>

  • 図面より窓が小さくなって壁が大きい(又はその逆)場所はないか
  • 収納が図面より小さいなどの変更がないか
  • 窓は引き違い窓なのか、上げ下げ窓なのか、縦すべり窓なのか
  • 足元までの掃き出し窓が腰高窓に変更されていないか(またはその逆)
  • 窓の鍵はきちんと施錠・開錠できるか
  • 窓を閉めた時にすき間ができないか

<照明器具の位置と数>

  • ダウンライトの数に間違いがないか
  • 後付けの照明器具の取り付け位置が図面と大きく異なっていないか

<コンセント・スイッチ等の位置と数>

  • コンセントや照明などのスイッチの数や位置、形や色などの仕様に間違いがないか
    (コンセントはテレビの端子と一体型、LAN端子と一体型、差込口が複数あるものなど種類が多数存在)
  • アースが必要な家電の設置場所にアース端子付コンセントはあるか
  • インターネット回線や電話回線の設置場所と位置、数に間違いはないか

屋外(外周り)のチェック

  • 外壁や基礎表面のひび割れやキズ、欠けがないか
  • 外構工事に終わっていないところがないか(完成時期を確認)
  • 土地の境界が明示されているか
  • 隣地所有者と共有物になっているものの有無
  • 入り口の門扉の開閉確認、門灯・庭灯の点灯確認
  • エアコンの室外機の場所などもチェック
  • 見える範囲で樋の様子も確認しておきたい
  • テラス・ベランダの防水排水処理、手すりの強度確認

室内のチェック

  • 床のキズ、へこみ、汚れのチェック(和室の場合、畳縁の合わせ部分に段差なども確認)
  • ドア・窓・収納扉の開け閉めはスムーズにできるか
  • キッチン・洗面所・浴室・トイレの水がきちんと出せて流れていくか、おかしな音はしないか
  • 床下点検口から見える範囲で水漏れが起きていないか
  • 床下内部に多数のごみがないか
  • 歩くと床や階段から変な音がしないか

気になる場所に、目立つ色のマスキングテープなどを貼っておくと、後々確認しやすいのでおすすめです。幅広のマスキングテープなら、書き込みもできます。また、採寸のためメジャーもあると便利です。

不具合のある箇所を記録するため、カメラがあってもいいでしょう。もちろんスマートフォンなどでも代用できます。

また手鏡があると、見づらい箇所が見やすくなります。

天井裏(屋根裏/小屋裏)のチェック

  • 点検口からライトで照らして見える範囲に雨染みのようなものはないか
  • 断熱材が剥がれ落ちている場所はないか
  • 換気扇などにダクト(配管)はつながっているか
  • 脚立にのぼっての確認は、転落するおそれもあります。無理をしないように気をつけましょう。
  • 内部に入ると天井が抜けてしまうことも考えられますので、点検口からのぞくだけにしておきます。

指摘箇所の修繕完了時期の確認と確認会の日程設定

引き渡し前には全項目の修繕は完了しているのが基本です。内覧会の指摘項目が直る時期を確認後、万が一、引き渡し前には完了しないと回答された際には、売主・施工会社に「残工事リスト」の提出を依頼しましょう。に「残工事リスト」には、工事内容、完了予定時期を記載します。

その他、よくある質問・疑問について

天気予報はチェックするべき?

晴れるのがベストですが、どんな天候でもチェックは可能です。極端に風雨にさらされるような状況では、窓が開けられないですし、積雪すると外構が見えないなどのトラブルも考えられます。やはり事前に確認しておくのが無難でしょう。

台風など警報が発令され、交通トラブルが予測されるようなケースでは開催できない場合もあります。予報によっては代替日も確認しておきましょう。

気になることは、小さなことでも施主に確認!

契約内容と異なるものがあれば直してもらうのは、施主の権利でもあります。しかし、建築の専門的な知識がなければ、指摘自体が難しくなります。例えば施工が間違っているように感じても、どの点がどうおかしいのかを比較する知識・経験がなければそのままになってしまうことも考えられます。もう少し丁寧に工事をしてほしいと感じても、上手く伝えられずに終わってしまうケースもあるのです。

しかし引き渡し(代金決済)後では、「工事完了を認めた」ことになり、アフターサービス保証項目以外は、施工会社に修理を拒否されることもあります。後々伝えるよりも、気になることは内覧会・施主(竣工)検査時に遠慮なく質問しておくのが一番です。

発見されるよくあるトラブルケース

施工会社に具体的な指摘箇所を伝えるのが難しいため、「もう少し丁寧に工事できるのではないか」と修繕を依頼してもやんわりと断れてしまう場合もあります。職人の手作業ですから、もちろん限界もあります。ただ、抽象的な修繕内容では、お互いに意思疎通が難しいものです。

実はもっと丁寧に仕上げられるのに、施工会社担当者の個人の感覚で「この程度、いいじゃないか」と考え、あたかもどの工事でも普通であるように「こんなものです」と答えていることもあります。何をどう修繕してほしいか、希望を具体的かつ専門的に伝えることができないため、双方が上手くコミュニケーションを図れず、トラブルにつながる可能性があります。

場合によってはやり直しも可能?

雑な工事だと明確な時や注文と異なる仕上がりが見られるという場合に限り、修繕依頼は可能となります。場合によっては、一部解体を伴うような大がかりなものでも依頼できるでしょう。

一方で、住宅づくりの基本は職人の手作業です。工場などで作る機械的な製品とは異なり、ほんのわずかなすき間などが生じることも念頭においておかなくてはなりません。あまり細かいものまで「不具合」として指摘しても、よりベストな状態になるとは限らないからです。修繕前より目立つ結果となることも。

発注内容に間違いがなく、機能面で問題がないようなものはあえて修繕しない方がいい場合もあります。ケースバイケースで柔軟に対応していくような心がけも大切です。

ホームインスペクターに依頼すれば、漏れなくチェック可能

内覧会・施主(竣工)検査 当日のチェックポイント

施主検査のチェック内容は多くの項目にわたります。「自分が細部まで確認できるだろうか…」「見落としてしまいそう…」と思われるのは当然です。特に、床下や屋根裏内部の問題や構造材の施工不良などは、建築知識があってこそ気づくものです。「チェックしたものの、見落としていた」というケースも少なくありません。

そのような方におすすめなのが、住宅診断のプロであるホームインスペクター(住宅診断士)の内覧会同行です。オートレーザーなどのチェックに必要な機材を持参し、お客様と確認しながら調査を行っていきます。ホームインスペクター(住宅診断士)は建物に精通したプロフェッショナルですので、施主検査・内覧会立会いの同行を依頼することで、売主や施工会社の説明の誤りやごまかしもしっかり判別します。

専門的知識を持ったホームインスペクター(住宅診断士)の同行で、安心して内覧会に臨めます。サービスについてまずは一度ご相談くださいね。