一度塞いだらもう見えない、天井裏のこんな施工ミス

  • Update: 2017-01-06
一度塞いだらもう見えない、天井裏のこんな施工ミス

2016年の暮れに発生した糸魚川の大規模火災。
多くの建物が被害にあい、大きなニュースとなりました。

木造密集地で怖い「延焼」とその対策

その時の火災で注目を集めたのが「延焼」。「火元以外の建物に燃え広がること」を言います。今回の火災でも被害の拡大に繋がってしまいました。

江戸時代には「火事と喧嘩は江戸の花」と言われ、木造密集地であった江戸では、火事の度に焼け野原と化したと言われています。

阪神淡路大震災では地震に耐えた建物も、地震後の火災にあって被害が拡大しました。

これら「延焼」への対策は全国各地で議論されており、町レベルで早急に解決を目指すべき問題とされています。
個々の建物レベルでは、建築基準法が”建物外部の延焼対策”を定めており、延焼の被害が拡大しないように求めています。

建築基準法では準防火地域内に「延焼のおそれのある部分」を定めています。

「延焼のおそれのある部分」とは、建物のまわりで火災があったときに延焼する可能性の高い部分のことで、原則、隣地境界線又は前面道路中心線から、1階は3m以下、2階以上の場合は5m以下の距離にある部分のことをいい、外壁・開口部・軒裏・屋根などに防火などの性能が求められています。

この部分は、最低でも20分間は延焼による被害を抑えるようにする必要があります。

消防車は5分以内に現場に到着することが目標とされていますので、この基準を満たした部分は満たしていないものよりはるかに安心できると言えるでしょう。

しかし、建物は人の手によってつくられていくもの。意図せずとも、ミスやチェック漏れから不具合は起こり得ます。

インスペクションでよくある不具合 ●●が貼られていない!

建築基準法で定められていることも、徹底されていないと意味がありません。

設計段階で基準を満たす設計がされていても、実際にその通りに施工されていないと意味がないのです。

インスペクション(住宅診断)の現場では、防火に対する不具合事例がときどき見られます。
例えば下の写真。屋根裏の写真ですが、なにが不具合かわかりますか?
屋根裏の不具合

正しく施工された写真はコチラです。
石膏ボードがしっかり貼られている屋根裏

答えは、「石膏ボードが貼られていない」です。

三角形に切られたベージュの板が「石膏ボード」といい、燃えにくい素材でできています。

これが貼られていないと、まわりで火事があったときに温度が上昇し、屋根裏で着火する恐れがあります。

こんな重要なことを忘れるなんてありえるの!?と思われる方もいらっしゃると思いますが、インスペクションの現場では時折見られる事例です。

天井が一度貼られると人目に付かなくなるため、一度忘れるとチェックが甘くなってしまうのでしょう。

このような事例は、建築の知識がないと、内覧会などで見てもなかなか気づかない部分です。

もし心配であれば、お引き渡し前にホームインスペクターなどの専門家にホームインスペクション(住宅診断)を依頼するのもいいでしょう。

天井裏や床下などの見えないところだけをプロに依頼する、というのもおすすめです。

 

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