マイホームを新築で建てる喜びは、家族にとって何物にも代えがたいものでしょう。
一刻も早く新築の家に入居したい気持ちは理解できますが、新築の引き渡しを「適当に」済ませてはいけません。
なぜなら施工ミスなどにより、新築の喜びを台無しにするトラブルが起こりうるためです。実際に多くの現場で新築引き渡しでのトラブルが発生してます。
とくに施工ミスに絡むトラブルは軽微なものを含めるとよくあることで、決して珍しいことではありません。
新築引き渡しのタイミングで見落としてしまうと、施主側が修繕費用を負担しなければいけないリスクにつながってしまいます。
この記事では、新築引き渡しにおける施工ミスなどのトラブルを起こさないために、よくあるトラブルや未然に防ぐ方法、引き渡し後に施工ミスが見つかった場合の対処法を紹介します。
【独自集計】引き渡し後のトラブルに繋がる新築の不具合指摘数と箇所別の割合
上記は、さくら事務所が2024年に実施した新築戸建てホームインスペクションによる「検査部位別の不具合指摘率」と「1件あたりの合計指摘箇所数」です。
1件あたりの合計指摘箇所数は11〜21箇所がもっとも多く、「開口部など」「基礎・床下面」「外壁仕上げ」に関する指摘が目立っています。
なかでも外壁サイディングのシーリングのすき間や穴は比較的多く見られ、これらを放置してしまうと雨漏りに繋がる恐れがあるため、とくに注意が必要です。
上記のデータからわかる通り、新築で施工ミスがあることは決して珍しいことではなく、引き渡し後のトラブルの大きな要因になります。
新築引き渡しでよくあるトラブル
ここでは、新築引き渡しでよくあるトラブルを紹介します。実際の引き渡し時にチェックすべきポイントとして参考にしてください。
内装の傷や汚れ・設備などの不具合が見つかる
新築引き渡しのトラブルとして一般的に多いのは、内装(壁紙や床)に傷や汚れがあったり、設備などに欠陥が見つかったりすることです。
新築なのでどこにも傷や汚れ、不備がない状態で引き渡しを受けたいものですが、人の手で作り上げている部分がある以上、こうした施工の不具合はゼロにはなりません。
なかでも以下のような、建物の構造に悪影響を与えたり機能性や居住快適性が落ちたりする部分はトラブルになりやすいです。
- 水漏れしている
- 基礎に幅0.3mm以上のひび割れがある
- 窓や網戸の取り付けが不十分で、開け閉めがスムーズにできない
生活する上で困ることや建物の強度や耐震性を損なう恐れがある不具合は、引き渡し時に重点的にチェックしましょう。
事前の説明と異なる仕様になっている
引き渡し時には「事前の説明と完成した物件の仕様が異なっていないこと」を確認する必要があります。
「このように作ってください」
とお願いしたにも関わらず、依頼と異なるものを作られたとしたら、
「ありがとうございます」
と受け取るわけにはいきません。
売主側のミスであっても、引き渡しを受けてしばらく生活したあとに「事前と説明と違う」と気が付いたのでは「引き渡しのときにそんな話はなかった」と言われる可能性が出てきます。
引き渡しの前には
- 事前にどのような仕様で依頼をしたか
- どのようなオプションをつけたのか
- 家電を設置した場合、どの型番のどの家電を設置するよう依頼したのか
を改めて確認しておき、引き渡し時にもれなくチェックできるように準備しましょう。
助成金がもらえない
新築引き渡しで起こりやすいトラブルには、助成金に関するものもあります。大きな単位のお金に関することであるため、トラブルにならないように確認しなくてはいけません。
助成金がもらえないトラブルが生じる原因には、以下のような例があります。
- 書類の不備
- 助成金や補助に関する説明不足による申請期限の超過
助成金申請には、期限が定められているものがほとんどであり、年度区切りで終了するものもあるため、助成金ありきで住宅購入の予算を組んでいる場合は特に「申請に必要な書類が引き渡し時にそろっているか」「助成金の申請に関して不明な点はないか(質問をしたか)」を確認しましょう。
新築引き渡しでのトラブル回避方法

新築引き渡しにおけるトラブルを未然に防ぐには、どのような対策があるのでしょうか。
ここからは新築引き渡しトラブルの回避方法と、トラブル予防に有効なホームインスペクションについて説明します。
ホームインスペクションを活用する

ホームインスペクションが新築引き渡し時に役立つ理由は、建物に精通したホームインスペクター(住宅診断士)が客観的に専門家の立場からチェックを行うことで、新築引き渡し時の施工ミスを発見しやすくなるためです。
ホームインスペクション(住宅診断)とは、建物の専門知識を持つホームインスペクターが住宅に欠陥・瑕疵がないかを診断するサービスです。
さくら事務所が新築引き渡しにおいて実施したホームインスペクション(住宅診断)では、これまで約75%以上で何らかの施工ミスを発見しています。
新築の家といえど、施工ミスがない住宅のほうが少ないといえる状況であるうえ、専門家でなければ見つけられない施工ミスも多いです。
さくら事務所のホームインスペクションを実施することで、引き渡し前の施工ミスやトラブルを防ぎ、安心して新生活をスタートさせましょう。
引き渡し前に施工ミスがないか必ず確認をする
引き渡し前に建物の隅々まで施工ミスがないか確認することが、トラブル予防のためには重要です。
不動産取引では「引渡完了確認書」のサインの有無によって、トラブルの責任を誰が負うか」が決まります。
「引渡完了確認書」にサインがなければ、引き渡しが完了していないことになるため、物件に何らかの施工ミスがあった場合、売主の責任のもとに対処することになるのです。
しかし「引渡完了確認書」に施主がサインしてしまうと、その後に施工ミスが見つかったとしても施主の責任で対処しなくてはいけない可能性がでてきます。
ただ建物に関して知識がない人にとっては「何をどのように確認すればいいのかわからない」こともあるでしょう。
建物の専門家であるホームインスペクターの立ち合いによるホームインスペクションを行ったほうがよい、理由がここにあります。
専門家であるホームインスペクターの見識を利用してくまなくチェックし、施工ミスについては売主の責任で対処してもらったあとに、引き渡しを完了しましょう。
完成するまで引き渡しを受けない
新築引き渡しにおいてトラブルを防ぐ重要なポイントは「建物が完成するまで引き渡しを受けない(書類にサインをしない)」ことです。
場合によっては売主から「建物の完成前に、書類にサインをもらいたい」旨の依頼をされることがあります。
しかしこれはトラブルのもとになるため、建物の完成前に、絶対にサインしてはいけません。
建物に何らかのトラブルがあったとしても、サインしたあとでは何もできません。
少しの傷や汚れであっても、引き渡し前に気になるところがあったら必ずもれなく売主側に伝え、善処してもらうよう依頼しましょう。
依頼する場合は、トラブルを避けるために、必ず以下のことを書面に残しておきます。
- どういったトラブル、施工ミスがあったのか
- どのような対応を依頼したのか
すべての修繕や工事が終了し改めてくまなく建物を確認してから、引き渡しの書面にサインするのが、トラブルを避ける重要なポイントです。
助成金をもらうための条件を確認しておく
助成金を受けようとするときには、助成を受けるための条件を必ず自分で確認しましょう。
助成を受けるために確認すべき条件には以下のようなものがあります。
- 建物は助成金を受けるために必要な条件を満たしているか(必要な設備があるか)
- 助成金の申請期限が過ぎていないか
- 助成金の申請に必要な書類はどれか(書類が揃っているか)
自治体が主幹している助成金に関する情報は、住んでいる自治体の役場で担当者に確認できることもあるので、不動産屋の連絡を待つのではなく、自分で早めに情報収集を行い、必要な書類を揃えておきましょう。
打ち合わせの内容はメールや文書で残す
不動産の取引においては、どんな場合においても取引の裏付けとなる「証拠」を確保しておくことが、トラブルを予防する有効な手段となります。 具体的には、どんなやり取りも「メール」や紙の書類で行いましょう。 電話でしか連絡できない場合は、スマートフォンのアプリを利用して必ず録音することをおすすめします。
- 「どんなやり取りを、いつ行ったか」
- 「どんなトラブルが、いつ起きたか」
をさかのぼりやすいように記録し、証拠となるものを保管しておくことで「誰に責任があるのか」を明確にできるのです。
下記動画では、新築戸建ての引き渡しでトラブルを防ぐためのチェック項目について、詳しく紹介しているので参考にしてください。
【新築戸建て】契約後の引き渡しでトラブルを防ぐチェック項目!
新築引き渡し後に施工ミスが判明した場合はどうする?
新築引き渡し後に施工ミスが判明した場合でも、以下2つの方法により売主の負担で修理してもらえる可能性があります。
- 施工会社独自のアフターサービスを利用する
- 契約不適合責任を追及する
以下で詳しく解説します。
施工会社独自のアフターサービスを利用する
アフターサービスは会社独自で設けているサービスです。
一般的には引き渡しから2年間の期間が設けられており、床鳴り・壁紙の剥がれ・建具のがたつきや施錠しにくさなど、比較的軽微な不具合が対象になっているケースが多く見られます。
アフターサービスの対象の不具合であれば、引き渡し後でも無償で直してもらえるため、期間が切れる前に対応してもらいましょう。ただしアフターサービスは会社独自の基準が設けられており、内容が異なるため、詳細の確認が必要です。
契約不適合責任を追及する
契約不適合責任は、引き渡しを受けた物件において、契約内容と種類・品質・数量などに相違がある際に、売主に発生する法的責任です。
たとえば「図面と窓の位置やサイズが違う」「外壁がタイル仕上げの契約なのに一部サイディングになっている」など、アフターサービスよりも重大な欠陥が対象になります。
契約内容との相違を立証できれば、以下の追及が可能です。
- 追完請求~契約に適合するように補修してもらう(基本対応)
- 代金減額請求~補修に応じない場合に相当代金を返還・減額してもらう
- 損害賠償請求~売主に過失がある場合に不適合により受けた損害を賠償してもらう
- 契約の解除~売主が上記に応じない場合に売買契約自体を解除する
契約不適合責任は、不適合を知ってから原則1年以内の通知が必要ですが、契約で期間を別に定められます。
ただし新築の場合は、品確法により「構造体力上主要な部分」と「雨水の浸入を防止する部分」に限り、引き渡し後10年間、契約不適合責任を追及できることになっており、こちらは期間の短縮ができません。
新築引き渡しでトラブル発生時の注意点

新築引き渡しにおいてトラブルに遭遇したときの注意点を紹介します。
自分で対応しようとしない
新築引き渡しにおいてトラブルが発生したとき、買主自身が補修するといった対応を取ってはいけません。
たとえば壁紙にゆがみがある、汚れがあるといった「素人でも対応できそう」なトラブルであったとしても、必ず売主に連絡し「どのような対応になるのか」を確認します。
なぜなら、売主に連絡する前に買主が手を付けた部分は、補修の対象にならないためです。
自分で何とかしたくなる気持ちは十分に理解できるものですが、ぐっと我慢し、トラブルの証拠となる写真を数枚、撮影したのち、売主に連絡しましょう。
細かい傷や汚れは対応してもらえない可能性がある
たとえ新築で購入した家でも、ちょっとした汚れや細かい傷はあるものです。そのため引き渡し前に汚れや傷を見つけ、売主に連絡したとしても対応してもらえないことがあることは、理解しておく必要があります。
気になる点を売主に連絡することは不可欠ですが、すべて対応してもらえるとは限りません。生活に支障がなければ、わずかな傷や汚れがあっても補修されることなく引き渡しになるでしょう。
新築引き渡しのトラブルが解決しないときの相談先
万が一、新築引き渡しにおけるトラブルが、売主との穏便な話し合いで解決しなかった場合は「国民生活センター」へ相談しましょう。国民生活センターでは、商品やサービスなど、消費に関わるさまざまなトラブルの相談を受け付けています。
「裁判はしたくない」場合は、裁判以外の方法で解決を図るサポートをしてくれます。
新築引き渡しにおいて起こったトラブルが、売主と買主の当事者間で解決できそうにない場合は、第三者として国民生活センターに、解決の手助けを求めましょう。
ホームインスペクションを利用してトラブル対策を
新築の引き渡しではさまざまなトラブルが起こり得ますが、施工ミスに関するトラブルは、ホームインスペクションで大事になる前に防げる可能性が高いです。
施工ミスは住んだ後に、時間の経過にともなってまるで時限爆弾のように、さらに大きなトラブルとなって、住宅に不具合を生じさせることがあります。
引き渡しを受けたあとに見つかった不具合は、内容や期間によっては、もう売主に施工ミスの責任を問うことができないことも。
だからこそ、新築の引き渡し時には建物の専門家による施工ミスの発見が不可欠といえます。
新築の引き渡し時には、ぜひさくら事務所のホームインスペクションを利用して、入居前のトラブルを回避するだけでなく、住んでからの安心を確保しましょう。
新築一戸建てホームインスペクション(完成検査・内覧会立会い)
さくら事務所は業界No.1!経験年数20年以上のプロ集団が提供

さくら事務所は、国内におけるホームインスペクション普及のパイオニア的存在であり、これまでご依頼実績は業界No.1(累計76,000件超)、満足度98%(Google口コミ☆4.8)と非常に有り難い評価をいただいております。
非常に重要な観点である「第三者性・中立性」を保持しながら、建築・不動産・防災・マンション管理など、あらゆる難関資格を持つメンバーが連携、サービスご利用後にもあらゆる住まいのご相談に対応するための「永年アフターフォローサービス」もご用意。これから暮らす住まいの安心に加え、心強い建築士と末永いお付き合いをいただける内容となっております。
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